第4話 クラス一、いや学年一、いやいや学校一(中略)いや*6 宇宙一
飛び起きて気が付いた。目覚ましが…壊れている!
「お母さん!なんで起こしてくれなかったの!?」
「起こしたわよー。うんともすんとも言わなかったけど」
もう8時54分、急いでも遅刻ギリギリである。HRは間に合わないけど…
朝ごはんを食べている暇もないくらいだったが、おにぎりだけでも口に入れ、髪を整え、顔洗って歯磨きして、鞄持って、
「いってきまーす!」
急いで学校に。
「あ、ふーちゃん!フーちゃんも寝坊?」
「はぁ、うん、はぁ、目覚まし壊れちゃって」
「汗かいてるふーちゃんも可愛いわぁ」
「もう、はぁ、今それどころじゃないでしょう?」
春香は陸上部所属だからか、並んで走っているのに余裕そうだ。
ようやく学校に到着、慌てて靴を履き替え、足早に教室へ向かう。9時1分。
「「すみません遅れました!」」
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1年3組には、学校一美しい女子と、学校一かわいい女子がいる。俺の後ろの席の二人である。普段は一番に教室に来ているらしいのだが、今日はまだ来ていない。風邪かな?
自己紹介が遅れてしまった、俺は双里明男という。休み時間になると、友達のところで話す。いや、ここまでは普通だが、これまで、小学生のころまではずっと、みんな俺のところに集まっていた。なぜそうじゃなくなったか…後ろの彼女らである。みんな割と近寄りがたいのである。ただ一人を除いて。まあ、あれは近寄っているというか、席が隣で動こうとしていないだけなのだが…。
「「すみません遅れました!」」
一番コンビが慌てて入ってきた。すると…教室の時間が止まった。宗谷さんが「先生?」と尋ねるまで、みんなして固まってしまったのだ。若干汗に濡れる額、走って来たのだろう、乱れた髪、そして肩での息。これが美少女だと言わんばかりの色っぽさ、つやっぽさを持っていた。クラス一同、二人に心を奪われていた。
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なぜかわからないが、教室に入ると全員がこっちを見ていた。
遅刻者への侮蔑の目なのだろうか。つい「先生?」と聞いてしまった。
「あ、ああ。おはよう。今日は珍しく遅刻だな」
そういう先生の声は、少し震えていた。




