1話 N.J ギフト
「お前は何ができるんだ!」
こいつ、それは悪魔の証明だぞ…
「いや…!これまでだっていろんなサポートしてきたじゃないか!それに、初期メンバーだし!」
「あのなぁ!んなサポートなんてみんな片手間で出来るんだよ!それをわざわざお前に役をあげてるだけなんだよ!初期メンバー?んなの関係ねぇよ!使えない奴は捨てる!これから魔王討伐行くけどお前は追放だ、今のうちにパーティメンバーに話しとけ」
───どうやら俺は、追放されてしまったらしい
俺の名前はクープ、クープ・クライムだ俺は一年前くらいからギルドでパーティメンバーを募っていてとこに入れてもらって、魔物倒したり人助けしていた
だけど追放されてしまった…使えないってなんだよ…いやまぁそうだけども
事実ばっか言いやがってー!
ん?あれは初期メンバーのミリマちゃん!最後に挨拶しておくか〜これ終わったらもう関わりないんだよな…考えないでおこう
「おはようミリマちゃん、こんな所でどうしたの?」
「(こんな所って…ここパーティメンバーみんなで買った拠点じゃん)おはよう!ショップから買ってきたものを整理してる途中だよ!クープはどうしたの?」
あ〜天使!話題を投げかけてくれるだけで嬉しい!
「実は伝えたいことがあって」
うわ〜驚いた顔可愛いな〜
「(これ告白だったらどうしよう、めんどくさいなー)な、なんですか?そんなかしこまって」
「実は、もうパーティから抜けるんだ」
うわ〜言っちゃった〜驚いてる可愛い〜!
「(えっ!結構寂しいかも)ほ、本当ですか?、それはなんで…?」
うーん本当の事言っても良いけどパーティの輪乱したくないな〜基本全員好きだったし、それにここはカッコつけて…!
「修行の旅に出るんだ、もしかしたら一生再開する事はないかもしれない」
「(この人結構楽しい人だからパーティから居なくなると空気いい感じに壊す役いなくなって大変そうだなーまけどまぁ居なくなってもいいか!寂しいけど!)凄いですね!応援してます!」
うわ〜応援してくれるミリマちゃんも可愛い〜
「ありがとう!この事他のパーティメンバーにも伝えてくれないかな?」
「(あ自分では伝えないんだ、そういうとこあれなんだよなーみんな結構クープの事好きだと思うんだけどなー)わかりました!伝えておきます!」
よし!これでやるべき事は終わった!あとはどうしようかな〜どうせなら今までやってなかった事しよ!
そう思いながらついたのは教会!実はいつもノリで祈ってたから初めて本気で祈るかもしれない…!
なんかたまに神に選ばれてスキルを貰えるらしいんだけどまさかね
なんだ…この光は…!
「あなたは私に選ばれました、そこであなたにはチートスキルを授けます、なんでも好きなやつを」
なんだと…!好きなスキルをなんでも…!?
「う〜んどうしようか〜」
「了解しました、運動仕様carですね」
「え!?ちょっとまって違う!」
「貴方に祝福が有らんことを〜幸福な日々を願ってますよ〜あと運動仕様carの意味がわからなかったので貴方にはスキル「運転手」を授けます頑張って〜」
か、神様気さくすぎるだろ…!めっちゃめんどくさそうだったけどチートスキルってやつもらったし神に感謝!
運転手ってなんだろう、馬車のスピードが上がるとか操作が上手くなるとかかな〜
ここはステータスオープン!
なるほど、人が沢山入れる乗り物を出すことができその乗り物に関する運転スキルがレベル9999まで上がるだって…!!
試しに考えてみるか…馬車よりレベルの高いもの…疲れないやつがいいなぁ
お!検索がヒットしました!検索がヒットってなんだよって感じだけど細かいとこは気にしない、これ凄そうだなぁ鉄の塊なのか?取り敢えずじゃあこれで!
───レベルが足りない?えチートスキルなのにレベ上げ必要なの?う〜んまぁ仕方ないか、じゃあ今の俺でも出せるレベルで検索!
お!検索がヒットしました!えっと…これは砲車?砲はわかるけど、くるま?car?あさっき神様が誤解したのってこれのせいか!じゃあ運動仕様carってなんだよ………
まぁいいか!取り敢えず出してみよう!
出し方がわからないがこういうのはフィーリングだ!
ええいままよ!!!
ーーーーーーなんだこれは…!巨大な荷車の前に!鍋をつけたかのような三輪車は…!!!
「それは砲車と言ってな簡単に言えば載せて運び、備え付けて発射をサポートするための台じゃ」
なんだこいつ…?急に現れた…めっちゃイケメンじゃないか…!
「そうなんですね!それと貴方は誰なんですか?」
「あー私の名前か!確かにただの怪しいジジイだもんな!」
「いえそんな事は…!」
「構わんよ、私の名前はニコラ=ジョゼフ・キュニョー、砲車の開発者だ」
開発者…!名前もカッコいいしこの人絶対にすごい人だ…!
「はっはっは!そんなキラキラした顔で見られても困るよ!どれ、乗ってみるか?」
「乗せてくれるんですか〜?キュニョーさん感謝!」
「はっはっは、元より君のスキルなんだ好きに乗ってくれ、というか、なぜもっと高圧的に来ないんだい?
「えっ、…それは貴方が凄い人だからです、凄い人は見るだけでわかる、パーティーメンバーもそうだったし、この街の人全員凄い人です、凄い人には敬意を払うべきだと考えます!」
「はっはっは!珍しいな!他者を比べない若造など!おい若造、名をなんと言う?」
「クープです、クープ・クライム」
「クープか、よし!乗るぞ!」
「えっあっはい!」
乗るって、どこに乗ればいいんだ?
「ほれ、ここに座れ」
「はい!」
これはなんだ?角…?掴み心地が良さそうだけど…これを使って何をするんだろう
「行くぞ!捕まっておけ!ね
なんだこれは…楽しい〜!
「どうなってるんです!?中に馬でも入ってるんですか?」
「はっはっは!違う違う、これはな、水を使ってるんだよ」
水?あの水か?
「そんなもので?」
「そんなものと言ってはいけない、水は科学の鍵だ!話を戻すぞ、この乗り物はな、水をこの鍋みたいなやつで沸騰させるんだ」
「沸騰させてどうするんですか?」
「沸騰させた蒸気をシリンダーに送ってその圧力でピストンが押されるんだ!」
すごい楽しそうに喋るな…楽しんでる人を見るのは好きだな〜俺も楽しくなってくる
「あの蒸気でピストンが押されるんですか!?押されたらどうなるんですか?」
「ここがちょっと特徴的なんだよ!ピストンは往復運動って言ってな、簡単に言うと前後に動くものなんだが…それを歯車と言った物やリンク機構という物で回転に変化させるんだよ」
「その回転がそのまま車輪に伝わって自動で進むって訳ですか!?」
「あーそうだ、理解が早いな!あとはこの角みたいなやつ、ハンドルって言うんだがこれを操作するんだ!」
あー楽しい〜!答えが当たっていた時は本当に嬉しいし楽しいな〜!
「ちょっと触ってもいいですか!」
なんだこれ…重すぎだろ…
「はっはっは!重いか!そうだよな!」
めっちゃ笑ってる、でも楽しそうだ…きっとこの乗り物に全てをかけてきたんだろうな…
「それじゃあクープ!お前が運転する番だ!目指すはあのでかい山!あの麓まで行こう!あれなんて言うんだ?」
「あれはクソデカイ山です!行きましょう!」
これは楽しい!歩く時とは違って疲れないし、馬車と違って操作しやすいし!
あっという間に着いてしまった…楽しすぎる〜!!
「それなんですか〜?」
気づいたら後ろにいた!このおばあちゃん何者!
「これは蒸気三輪車って言うんですよ!この人が作ったんです!」
「そうなのかい?難しい名前だね〜、それと、この人とは誰のことを言ってるんだい?」
このキュニョーさんが見えていない?
「はっはっは!幻だよ!流石のチートスキルでも無から人は作れないわ!」
そうなのか〜、、少し寂しいな…
「そんな顔するんじゃない、ほれ、おばあちゃんが困っておるぞ」
「あっ!どうしましたかおばあちゃん」
「聞いてくれるのかい、実は今日が旦那の命日で、墓参りをしようと思ったのだけれど…腰が痛くて、あまり動けないんだよね、」
それなら!いいですよね?キョニョーさん?
「はっはっは!いいに決まってるだろうが!」
「それならこれに乗って行きますか?」
「良いのかい?見慣れない乗り物だけど、乗らせてもらおうか、、」
「もちろんです!後ろに乗ってください!ちゃんと捕まっておいてくださいね!」
目指すは墓場、一秒でも長くおばあちゃんの墓参りの時間を長くするために頑張るぞ!うお〜頑張れ「運転手」!!
「なんだこれどうなってるんだい、!」
「水を沸騰させてその蒸気でピストンを動かして車輪を動かしてます!」
「なんだいそれ聞いたことないよ!…でもすごいね、昔…旦那に初めて馬に乗せてもらった時を思い出すよ」
「旦那さん、どんな人だったんですか?」
「うちの旦那はね、家事もダメダメで勉強もからっきし、だけど馬に乗ることだけは人一倍上手かったんだ…私ゃそんなとこに惚れちまったのさ…そんなに乗馬が上手かったら、すぐに戦地に駆り出されると分かっていたのにねぇ」
戦地…30年前は魔族との戦線がもっと近かったらしい、一般人も戦いに参加させられてたとか、そんな時代のせいで…いやそんな時代だからこそ出会えたのかも知れないな〜
「着きましたよ!」
「ありがとね〜お前さんのおかげで、旦那の話も思い出せたし、ここまでこんなすぐにこれた、……話し相手、なってくれてありがとねぇ」
「いえいえ!通りがかっただけですよ!」
「お前さん、名前を教えてくれるかい?」
「俺の名前ですか、クープ、クープ・クライムです!」
「そうかい!クープ!覚えておくよ!それじゃあ、またいつか会う日があったら」
「はい!また会うご縁がありますように!さようなら!」
何か、清々しい気分になるな〜
「クープ、嬉しそうだな」
「キュニョーさん!いつのまにか消えてましたね、それゃ嬉しいですよ!おばあちゃんが無事に墓参りできて!」
「はっはっは!そうか!それは良かった!この乗り物もうかばれるってものだ!こいつはものを運ぶために作られたからな、今後も運ぶ時は使ってやってくれ、まぁレベルが上がるまでだろうけどな!」
「わかりました!まだそのレベルが上がるって実感が湧かないんですけどこのスキルってレベル上がるんですね!もうこの蒸気三輪車だけで満足しちゃってて想像できないです!」
「はっはっは!嬉しいこと言ってくれるな、そうだ、そのスキルはレベルが上がる、それに伴って作れる乗り物も増えていく、その増えた乗り物で、また今回みたいに人助けをしてやれ」
「はい…わかりました!……その…やっぱり消えてしまうんですか?」
「あぁ、俺は幻だからな、使い方を教えたら消えるさだめなのさ、でも悲しむなよ、願えば夢の中でなら会うことができる、また明日ってやつだ、じゃあな!」
そう言って消えてしまった…何もかもが早すぎる人だったな〜でも、尊敬できる人だった
ん〜ーーーどうしようかな〜結局次何するか決めてなかったな〜!うん、やるか、「運転手」!!




