商人1
今回でこの話は完結できそうになかったので明日、paet2を投稿します。
ゲームの世界はそんなに便利じゃないらしい。
この世界に来て3か月なぜかゲームと全く同じ世界に迷い込んでしまった。私は冒険者ではなく、武器屋に雇われている。そこそこの知識はあり、店長も私が来てから売り上げが上がったと喜んでいた。何も、最初からバイトだったわけではない。皆と同じように街を出てみたがスライムと戦うことどころか、隣町にすらいけない。だから、この最初の町でバイトをしているのだ。バイトが終わっては、酒場に行き飲んでは寝て、また、働いての毎日だった。ああ、向こうの世界とやっていることが、変わらないじゃないか。私は人一倍人生に花がないらしい。唯一毎日続けていたこのゲームも今では、ただのNPCと同じ立ち位置に。こんなことを考えながら、バイトをしていた、ある日。
「なぁ、あんたこの世界の人じゃないな?」
「はぁ、そうですが」、いかにもチャラ男風な男がしゃべりかけてきた。
チャラ男があらわれた▼
何をする▼
話す◀
「ここにきてまだ一週間なんだけど、また、ほかの人に会えるなんてうれしいよ」
他にも人はいるようだ、コミュ障だからわからなかっただけでこの店にも来ていたのだろうか?
「それでなんだけど、一緒に冒険に行かないか?」
「なんでまた自分なんか」
「いやー、NPCだとなかなか連携が取れなくて、それに見たところ、商人としてはなかなか育ってるみたいだし」
何を言っているのかわからなかったが、なかなか厨二心をくすぐることをいってくれるな
「あれ、もしかしてステータス見たことない?」
「そんなものがあるのですか」
「こう、念じれば出てくるよ、やってみてよ」
何をする▼
ステータス◀
習った通りにやってみると結構大きめなステータス画面が出てきた。
見てみると、商人としてのレベルは25くらいだ、元の世界でのことも反映されてのことなのだろうか。
「出てきたみたいだね、じゃあ、そのステータスと相談しながら街を出るか決めてくれよ。酒場で待っているから」
「なんか、死にそうな台詞ですね」
「縁起の悪いこと言わないでくれよ、じゃあ、またあとで」
ああ、この街をでようかな死んだら、元の世界に戻れるのかも、しれないし。
町を出ることにした私は、店長にその旨を伝えた。店長はこれまでのバイト代と鉄の剣をくれた。
どうせなら鎧がほしかったが、ぜいたくはいえなかった。すぐに、酒場に向かい酒を飲み待つことにした。午後8時あの、チャラ男はが酒場に入ってきた。私をみつけて、こっちに来た。
「ありがとう、自分ひとりじゃ、この町はでれなくて」
「で、具体的には何をすれば?」
「物の鑑定とかは?」
「もとからわかるから意味がない」
「でも、もし追加コンテンツが出てきたら、わからないんじゃ?」
一理ある、どうしたものか一番の問題は、死んだらどうなるかなんだが。
「死んだ経験は?」
「ないっすよ、こっちでは」
「向こうでは死んだのか」
「そう、目が覚めたらこっちにいたんですよ」
一回死んでいるのか?私も。そんな記憶はないのだが。
「そうだ、名乗り忘れていたんだけど、俺はケイト、ケイト・ブラウンだ」
「私は、真田紅、真田でいい」
そんな雑談をしていると、酒場の女将にもう、店じまいだといわれた。
あした、城門の前で、会う約束をして宿屋に向かうことにした。ああ、冒険か、胸が躍るような単語だ。まるで、明日が遠足のような気分になって寝れそうになかった。あの男、なかなかいいやつだったなチャラ男な部分を除いては。