短い恋
最初は気の合わないやつだと思ってたけど、話してみれば結構気の合うやつだとわかって、かけがえのない親友だった。
小学4年、周りとの友好関係は良好だった。ただクラスの坂上志乃とはしゃべったことはなかった。
あいつはいつも教室の窓側に座って、小説や図鑑を一日中読んでいた。俺は、そんなあいつを見かけては突っかかるようになっていた。あいつと遊びたいがためにいろんな勝負をしかけた。しりとりにじゃんけん、テストの点数、それにトランプどれ一つあいつに勝つことができなかった。
ある日、あいつになんで外に出ないかをきいてみた。「生まれつき、身体が悪いのよ、これでいい?」
その答えに、俺はなにもいえなかった。「わかったらもうこれ以上誘わないで、はっきり言ってめいわくよ」
頭の中は真っ白になっていた。「じゃあ、俺を誘ってくれ」
自分でもなぜこんなことを言ったのかわからない。でも、本心なのはたしかだった。
あいつ、いや、志乃に対して恋心を少なからず持っていた。ただどうしていいのかわからずに志乃の気を引きたかっただけなのだ。「いいわよ、ただ読書の邪魔はしないでね」
「やった、でも俺と一緒だとなんか言われないか?」
「じゃあ、明日昼休みに図書室に行きましょ、そこなら人もすくないしね」
そういって帰っていった。しばらく余韻に浸っていた、なんか初めての顔を見れた気がしてうれしかったのだ。なんか、恋してるな俺。小4にしてそんなことを悟っていた。
次の日、志乃は来なかった。病院で入院しているらしい。先生がクラスの一人を代表でお見舞いに行ってほしいといった。迷わずに手をあげた。その結果俺が、お見舞いをしに行くことになった。
帰り、図書室により何冊か本を借りていった。
志乃は少し元気がなさそうだった。「お見舞いありがと」、相変わらず本は読んでいるようだけど。
「そうだ、図書室で本を借りてきたんだ。暇なときに読んで?」
「・・・なにこれ、漫画ばっかりじゃない」
「あ、ごめん」
「・・いいわ、たまにはこんなの読むのもいいかも」
「そっか、またくるからその時までには読みおわっといてよ?」
「はいはい、またね」
病室をでて、志乃の笑顔を思い出して、笑ってしまった。
「やっぱ言わなきゃ、だめだ!」
もう一度病室に入る、「志乃!」
そう呼びかけたけど、返事はなかった。




