第186話:バルセロナ、二つの公園と繋がらない死
■Scene1:朝、グエル公園にて
前夜の熱狂的なサッカー観戦から一夜。
凛奈はバルセロナの美しい朝の中、グエル公園へと足を運ぶ。
曲線美のベンチ、ガウディの芸術建築に囲まれた空間――
だがその中に、**明らかに異質な“沈黙”**があった。
観光客の一人が叫ぶ。
「警察を!人が倒れてる!」
倒れていたのは、40代の男性。
明らかな外傷なし。既に死亡しており、傍には空の陶器製キムチ壺があった。
警察が到着。だが、決め手となる証拠はなし。
■Scene2:午後、ペガス公園にて第二の遺体
午後、凛奈はバルセロナ市内の南に位置するペガス公園を訪れる。そこで、今度は30代の女性の遺体が発見された。
奇妙なことに、また同じ型のキムチ壺が傍に… 中身は空。
凛奈は両方の壺を手に取り、匂いを嗅ぐ。
――香りは……「無臭」に近い。
キムチの気配すらない。だが、かすかに“炭”のような痕跡。
「この壺、“何も入っていない”ことがメッセージなのかも」
■Scene3:繋がらない被害者、見えない犯人
調べによると、2人の被害者に接点は一切なかった。
出身地も職業もバラバラ。面識も、共通する知人も存在しない。
現地警察は困惑し、凛奈に助けを求める。
警部:「これは……見せかけの“連続事件”かもしれない」
凛奈:「いいえ。これは“見せかけの無関係”です。
空のキムチ壺こそが、“仕掛け”なんです」
■Scene4:味で浮かぶ“偽の共通点”
凛奈は自らの携帯に保存していた、数十種類の地方キムチレシピを開き、
似たような“壺の製法”を持つ地域を特定。
それは、かつてスペイン在住の韓国系陶芸作家が限定製造していた“瞑想壺”。
香りを封じ込める器であり、「心の記憶を閉じる象徴」として作られたものだった。
凛奈:「犯人は、これを“無の象徴”として使っている。
この人たちは、“誰にも知られたくなかったこと”を抱えていたの」
調べると、両者ともにあるジャーナリストによる潜在的な告発対象だった。
つまり、**“告発される前に消された”**のだった。
■Scene5:追跡と告白
夜。
凛奈は、そのジャーナリストに会いに行く。
「あなたの調査を止めようとする人物が、
“壺に真実を封じて”連続殺人を演出しています」
ジャーナリストは震えながら言った。
「私しか知らないはずだった……
二人とも、ある巨大企業の告発資料に関わっていたのに」
凛奈:「“香り”がなかったから。
“匂わせない”ように、犯人は仕掛けた。だけど――私のキムチは黙っていなかった」
■Scene6:夜の手帳と、旅の終わり
その夜、凛奈はバルセロナの静かなホテルの部屋で、
カタルーニャ風パプリカのキムチを口にしながら、手帳を開いた。
『空っぽの壺ほど、真実を語るものはない。
沈黙を装うほど、その裏には熱がある。
香りがなければ、“私”が嗅ぎ取るだけ』
そして――
カーテンを閉じる前に、彼女は次の舞台を見据えて呟いた。
「次は……アジアじゃない。ローマか、それとも……ベルリン?」
ヨーロッパ編… 一旦終幕。
187話は飛びますごめんなさい188話へ
また出て来るかもしれません。楽しみにしてて下さい‼︎
ポルトガルやスイス、ベルギーにイタリア、ドイツ、チェコなど…
少々お待ち下さい。一旦(韓国に)帰還です。
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