第180話:ロンドンからの電話
■Scene1:韓国・釜山の静かな朝
日本全国を巡る長旅を終えた翌朝。
凛奈は釜山の自宅兼事務所のソファで、朝の光を浴びながら静かに目を覚ました。
久しぶりの韓国。
卓上にはおかゆと、自家製キムチ、そして日本の空港で買った沖縄ちんすこうが添えられている。
凛奈(心の声):
(旅を終えて、ようやく息ができる。でも……何か、次の風が吹いてる気がする)
キムチをひとくち――
その酸味が“余韻”ではなく“予兆”であることに気づいた瞬間。
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■Scene2:ロンドン警視庁からの国際電話
その時、事務所の固定電話が鳴った。
秘書ジウンのメモを確認する前に、凛奈は電話を取る。
「もしもし……」
《こちら、ロンドン・メトロポリタン警察。あなたの協力を求めています。
今朝、大時計“ビッグ・ベン”の下で、ある異常な遺体が発見されました》
凛奈は顔を上げた。
「ロンドン……? どうして私に?」
《遺体のポケットに、小さなパックが入っていました。
“あなたの名前入りのキムチ”が――》
一瞬、静寂。
凛奈:「……分かりました。行きます。飛びます」
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■Scene3:渡航の準備、女優と探偵のはざま
その日の午後。
女優としての仕事の台本を机に置き、凛奈は渡航のための荷造りをしていた。
パスポート、ノート、香りの壺、そして“特別なキムチ”を数パック。
夕方には、ソウル・仁川空港からロンドン・ヒースローへ飛び立つ手配が整った。
ジウン:「本当に行くんですね……」
凛奈:「ええ。キムチが私を呼んでる。
“過去の誰か”が、まだ助けを求めてるのよ」
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■Scene4:空の上で交差する記憶
機内で凛奈は、かつて解決してきた事件のノートを読み返していた。
――眠る人、隠された想い、香りでよみがえる記憶。
そして「味」でしか伝わらない真実。
彼女の中で、女優としての微笑みと探偵としての鋭さが再び融合していく。
凛奈(心の声):
(ロンドン。霧の街。香りで真実が掻き消されそうな場所――
でも私には、キムチという“灯り”がある)
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■Scene5:ロンドン上空にて
飛行機が降下態勢に入った頃、眼下に広がるロンドンの夜景と、
ひときわ高く浮かび上がるビッグ・ベンのシルエットが見えた。
その鐘の音が、“次の謎”の始まりを告げていた――
次はなんとヨーロッパ編です。
181からヨーロッパ編(ロンドン〜パリ〜マルセイユ〜バルセロナ)を開始いたします。
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