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終わらせるまで駆け足で行きます
「創像機を一つにまとめる方法だって?」
「作用じゃ。以前キングに言われて数人と契約した契約者がいないか過去の記録を漁っていたのじゃ」
薺の家に来た博士が一枚の紙を机の上に置いていく。
その紙には創像機を一つにする方法が書かれていた。
「これはわしが内容を簡潔にまとめたものじゃ」
そう言われた5人は机に置かれた紙を確認する。
「えーとなになに? 心を一つにして創像機を召喚する?」
「それはつまりうちら――」
「5人が――」
「……心を――」
「合わせるってことになりますね」
5人が顔を合わせながら運と頷く。
「どうやらすでに心は一つのようじゃな」
「モーマンタイっす」
「いろいろありましたからね」
「……家族だし」
「運命共同体やもんな!」
「おれ達は一つだ!」
そう言うと博士はポケットから携帯電話を取り出す。
「そんな5人のうち1人を特別扱いするのもいけんからな。持ってないみんなの分を作ってきたぞい」
「おっほ! ありがとうっす!」
「阿利洒ちゃんだけの特権みたいになってたもんなぁ~」
「……みんなとも会話できる……うれしい」
「これでさらに一心同体ですね!」
「ああ!」
携帯電話を渡し終えると博士は椅子から立ち上がり、玄関へと向かっていく。
「いよいよ決戦なんじゃ。お主らの活躍によってこの国の明日が決まると言っても過言ではない」
「「「「「……」」」」」
「心してかかるのじゃ」
そう言うと博士は玄関から外へと出て行った。
「明日か……」
「早いものですね。冴止さんたちと出会ってもう二日――」
「……最終決戦」
「巣に向かうんや――もしかするかもしれん……」
「鞘歌……」
鞘歌は少しうつむく。
そんな鞘歌を心配して正宗は近づくが手をズイッと顔に近づけられて止められる。
そして顔をあげてニカッと笑う。
「大丈夫や。うち、お姉さんやし♪」
「――強いなぁ」
「姉は強し――いや嫁は強しかな?」
「あ~」
そう言えばそれがあったと正宗は頭を抱えた。
すると女子たち全員が近づいてくる。
「そう言えばその一大イベントが存在していたっすね!」
「……もうしてるみたいなもの……だけど」
「まっ、この作戦が終わってからいろいろ考えればええんや」
「まぁ、あんまり今と変わららないんでしょうけどね」
「は、ハハハ……」
正宗はこれからに少し不安を感じた。