あらすじ・登場人物紹介
その布は、
誰にも完成を祝われなかった。
名前を呼ばれることも、
展示されることもなく、
ただ静かに奪われ、封じられた。
尚造は、英雄ではない。
歴史に名を残したわけでも、
勝利を掴んだわけでもない。
それでも彼は、
“見てしまったもの”を
無かったことにはできなかった。
“未来を救いたい”という願いが、
“未来を壊す力”と結びついてしまったとき、
人は何を選び、何を残せるのか。
――この物語は、
語られなかった決断の記録である。
100年の時と海を越えて、
一枚の布に託された遺志が、
いま静かに解かれていく。
※第四部・尚造編は全60話です。
■ 主人公
・仲村尚造
紅型職人。諜報兵。少尉。
沖縄戦の裏で、“怪物”となる布団を生み出した男。
静かな狂気と執念で、時代を越える因果を刻む。
・仲村継
紅型職人。仲村工房代表。
沖縄の文化を守り続ける職人。
祖父・尚造の遺作 = “T”と再び向き合うことになる。
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■ 1945年の登場人物
・薬丸兼教
少佐。第32軍情報参謀/諜報班班長。
苛烈な戦場を生き抜いてきた叩き上げの武人。
・比嘉隆司
二等兵。諜報班。感情派の少年兵。
尚造の“秘密”を知る数少ない存在。
・小林誠一
伍長。諜報班。知性派の少年兵。
仲間たちの行動と真実を、静かに記録し続ける。
・牛島満
中将。沖縄防衛を任される第32軍司令官。
国家と兵士、その狭間で苦悩する男。
・長勇
少将。沖縄戦で牛島を支え、
作戦立案の中核を担った第32軍参謀長。
・八原博通
大佐。合理主義を貫く第32軍随一の頭脳。
持久戦によって沖縄戦を指揮する。
・サイモン・ボリバー・バックナー・ジュニア
中将。米陸軍・第10軍司令官。
現場主義を貫き、圧倒的物量で沖縄へ侵攻する。
・ジョン・スティーブンス1世
中佐。Civil Affairs 文化財回収担当。
“怪物”となる布団を回収し、未来へ繋げてしまう。
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■ 2045年の登場人物
・モーガン・リード
継の妻。2028年にジョン3世の紹介で結婚。
世界の海を巡る、明るく豪快な海兵。
・仲村澪
継の娘。ジョンの指導で自衛官を目指すが、
戦争の“本当の重さ”をまだ知らない。
・仲村文造
継の息子。紅型と交流活動を愛する少年で、
“普通の感覚”を持つ家族の良心。
・ジョン・スティーブンス3世
在沖縄米軍副司令官/太平洋戦争史料返還担当官。
継の親友。“T”を米国から運び、仲村家に返却する。
・林明浩
林グループCEO/中国の経済王。
継とは腐れ縁であり、彼の本質を理解している。
・御厨正道
文化庁特別顧問/戦後文化財保全会議議長。
穏やかな笑みの裏で、“T”の危険性を知っている。
・リン・チャン
東アジア戦争記憶研究機構 主任研究員。
歴史と感情の狭間に立ち、継と各界要人を繋ぐ調停役。
・佐伯ヒナ
折り鶴を手に微笑む、穏やかな老婦人。
継たちと共に、戦後100年展の準備に関わる。
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※全編共通の登場人物一覧ページも更新しました。
そちらもぜひご活用ください。




