俺の新しい名前と家族
二話連続(昨日の分)です。今回から本編になります。
「フィル~。お母さんよ~」
青い髪と瞳を持つ二十代位の美女が俺に笑いかけてきた。
驚くことなかれ。こう見えてこの美女が、今の母さんであるナーニャさん(実年齢驚きの39歳)だ。
「ダァ!!」
わかってますよ~と、一応返事をすると母さんは嬉しそうに笑った。
ここは今世での俺の部屋で、今俺は赤ん坊が入れられる囲い付きベットに寝ている。
何故って?それは、俺はあの後すぐに赤ん坊として第二の人生をスタートさせたからだ。
いや別にその事には不満はない。赤ん坊ライフ楽しいしね。でも一つ、 本当に一つだけコレー様にもの申したいことがあるのだ。それは…
「フフッ。フィルは本当に元気な゛男の子゛ねぇ」
…それは、俺が゛男の子゛として生まれてしまったことだ!!
母さんの中から出てすぐ自分の下半身に゛逸物゛が付いていることに気づいた俺が、
コレー様のバカァァァァ ァァ!!
と全力で叫んでしまったことは、今でも思い出す黒歴史だ。
まぁ赤ん坊なのでそれはただの泣き声になり、母さん達大人は俺の叫びを産声だと勘違いして、めちゃくちゃ喜んでいたから結果オーライだよねハハハorz。
…話を戻そう。俺はマロル家と言う公爵家?に三男として産まれた。
名前は フィラデル・マロル と言うらしい。
先程から呼ばれている 『フィル』と言うのは愛称だ。
見た目は良くわらからないがどうやら髪、瞳共に赤紫色をしているらしい。
でも何故だろう。この名前と、髪と瞳の色に覚えがあるのだが…?
「あっそうそう。今日ねぇ、お兄ちゃん達が帰ってくるんだよぉ」
遠くに飛んでいた思考が母さんのその言葉で戻ってきた。
「ダァ?(お兄ちゃん?)」
「そうよ。貴女が産まれたとわかってからのこの五日間、会いたいって毎日連絡が来ていたの」
「ダッダァァァ(まっ毎日ですか)」
母さんの話をまとめると、俺の兄二人は俺が産まれた三日前、つまり今日から九日前に王都に行ったのだそうだ(ここから王都まで馬車で三日かかる)。
なぜ王都にと言うと、まず長兄の ドイン兄さん は王宮の騎士になるための試験を、次男の マティブ兄さん は幼学校(※)の特待生(※)とかいうのになるための試験を、それぞれ受けに行っていたらしい。
それはすごいことらしく、母さんは自分の事のように嬉しそうに話してくれた。
兄達の話から今度は俺達の父さんの話しにスライドしかかったとき、玄関の方から何やら騒がしい声が聞こえてきた。
〈コンコンコン〉
「奥様、ドイン様とマティブ様が到着なさいました」
ノックと共にくぐもった侍女の声がした。
「ならフィルに会わせたいし、ここに連れてきて頂戴」
「かしこまりました」
そんな会話が母さんと侍女でなされてから約五分後…凄まじい勢いで扉が開け放たれることを、俺はまだ知るよしもなかった。
※用語紹介
幼学校
貴族平民関係無く、9~15歳の子供が義務で通う学校。入るときに魔法科、騎士科、商業科、教養科の四つのうちから一つを選ぶ。
特待生
幼学校の生徒のうち、特別優秀な生徒のこと。入学する前に試験をいくつか受け、平均的に高得点を取らないと特待生にはなれない。ただし受ける試験は貴族と平民とでは中身が違う。




