俺の死
結局おれ達は何かあったら困るからと人が多い道を選んで帰ることにした。
学校から徒歩五分程の大きな十字路でそれは起こった。
信号が変わったばかりで、車がビュンビュン通っているのを見ながら二人で学校の話をしていたとき、突如ゾクッとした寒気を感じた。
「忠告、無視したわね」
真後ろで女性の声がした瞬間、もみじが真っ黒いパーカーを着た人物に背中を押され、道路に飛び出した。
〈ブー〉
右からはもみじに向かって走ってくるトラック。
あぶない!!
そう思ってとっさにもみじの右手を掴んで、おれと立っている位置を入れ換えた。
「っ海!?」
「海さん!?」
女性二人の声をうけながら…おれはトラックにぶつかった。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
遠くからおれを呼ぶ声が聞こえ、意識が浮上する。
重たい瞼を開くと焦点は合わないものの、俺を抱きしめているもみじの泣き顔が見えた。
「も…みじ」
「っ!!海!?」
掠れた声で名を呼ぶと、
もみじは驚いたように肩を震わせた。
「っばか!!何で私を庇ったのよ!?」
「だっ…て、約束、しただろ?…お前はおれが…守るって」
「…っばかぁ!」
もみじは自分の目から流れだしている涙を拭きもせず、ただただおれを見つめていた。
おれの体は痛みはないが熱く、手足の先だけ寒気を感じていた。体のあちこちから今も刻一刻と何かが失われている感覚がある。
…あぁ。もうおれは助からないんだなぁ
そんな風にボンヤリと考えながらおれは聞いた。
「もっ…みじこそ、けっがは?」
「ないよっ。…海のおかげ」
「そう…よかった」
最後の力を振り絞り、唯一動く左手をもみじの頭に乗せ、軽く数回叩く。
「本…当に、良かった…」
体の力が抜けていくのを感じながら、おれの視界はブラックアウトした。
わかったと思いますが、
手紙の人物=黒いパーカーの人物
です。
この後、海は結局息を引き取りました。ナム(>人<)
まぁ、一日一歩という感じはしますが頑張って更新していきます!