ディック視点②
お久しぶりです、来海です。遅くなって申し訳ありません。ディック視点の二話目です。
俺にとって来て欲しくなかった日は、あっという間に来てしまった。
いつも通り表面だけ取り繕った侍女たちに俺はねむりから起こされた。いつもと同じように自室で食事を済まし、侍女たちを部屋から追い出す。俺は不機嫌さを隠さずしかめっ面で用意されていたいつもよりきらびやかな服を身にまとった。
「………はぁ」
俺は少し大きくため息を吐いた。正直に言うと、父の命令でなければ王子という権限を振りかざし、部屋に閉じこもりたいところだ。だがこれは王命、俺には端から拒否権などないことはわかっている…だからなおさら不機嫌さを隠すことが出来なかった。
「ディック様、お時間となりました。王座の間へお越しください」
「わかった」
丁度着替え終わったとき、扉の外から文官の声がした。俺はそれに少し固い声で応じる。
とうとう時間が来てしまった。
焦る気持ちと裏腹に、俺の心の奥底が冷えきっていく。そんな感覚がした。
どうせまた礼儀作法も何も知らない子どもが来るだけだ。いつもと同じようにあしらえば直ぐに俺に対して興味を失うはず。
そういう考えが俺の中にあったからだろう。
俺は気の向かないまま、王座の間へ向かうために自室の扉に手をかけた…
ディック視点はもう1話程続きます。
それとモリモ様、感想ありがとうございます。私も忙しい身なのでなかなか更新出来ず申し訳ないので、とても励みになりました。
感想、誤字脱字の訂正でもよろしいので、お言葉をいただけると嬉しいです。




