【雇用№179】女神との邂逅1
どのような要件でとは、この女神自分が出した仕事に対して、チェックも、労いの言葉の一つもないのか。まーある訳ないわな。
なにしろ突然現れたとはいえ、僕と愛ちゃんの姿容姿。さっぱりと忘れててようやく思い出したのだから。案外出した仕事すらも覚えていないかもしれないな。
僕は愛ちゃんに目配せをする。愛ちゃんはコクンと頷き、前に一歩出た。
「女神フェリシア様、突然のご訪問になってしまい申し訳ありません。今回訪問させて頂いたのは、仕事の依頼達成の確認になります。魔法は、人間が使用出来る様になりましので、達成されたかと思います。」
ちょっと女神フェリシアの顔が陰ったが、直ぐに表情を戻す。
「魔法少女愛様仕事のご報告ありがとうございます。依頼した仕事に関しては、確認したので、幻想世界にてそれまでお待ち下さい。内容を確認後、こちらから改めてご連絡させて頂きます。」
なんともはや、呆れて声も出そうにない。この女神は何を言っているのだろうか?愛ちゃんは100年以上も前に依頼を達成していて、女神との連絡が取れなくて報告出来ないからこうして押しかけてきたのに、また幻想世界に戻って連絡を待てと?その連絡はいつ来るんだ?女神ならさっと確認出来るんじゃないか?
「フェリシア様、それだとこちらから連絡が取れなくなりますのでまた数百年も連絡待ちになってしまいます。女神様がご確認の間こちらで待たせては頂けないでしょうか??」
愛ちゃんがあまりの対応ぶりにちょっと眉間をひくひくさせながら、なるべく平静を装い女神に再度お願いをする。
「愛様 大変申し訳ありませんが、神界は本来神のみが存在する聖地となります。人間がこちらに居住のは想定しておりませんので、下界にお戻り下さい。龍王様はどのようならご用件でしょうか?」
女神が話すのも嫌だとばかりに、バッサリと話を切り僕の方に話を切り替えた。愛ちゃんは呆然として言葉も出ないみたいだ。ほったらかしにしてたし、こうなることも少しは予想してたけど、対応がそれ以上のものだった。
「女神様、私の方は、報告ではなく、依頼内容のご確認という形になります。魔王が力をつけてきて、人間側が危ないので魔王を倒してほしいという依頼だったかと思いますが。」
「ええ、そのとおりですわ。龍王様。そのご依頼内容に不備がありましたか?」
「ええ、魔霊樹があるために、魔族が人間側に襲撃している側面があり、魔霊樹を伐採しようとした所、そちらにいる魔王愛様に、女神様からのご依頼で植えたと申しておりました。私が討伐すべき魔王とはどの魔王なのでしょうか?そちらの魔法少女愛さんであるなら、神界に一緒にきたことでご依頼は果たされているかと存じます。また、それとは異なる場合の魔王の際は、対象の名前、性別、こちらで判断出来る材料をご提示願ますか?」
女神フェリシアは、予想もしていなかった展開に目が僕と愛ちゃんを何度も行ききして、ちょっと思いあたる節があったのか軽く驚き、また直ぐに表情を元に戻す。
「龍王さん、そちらに関しても内容を再度確認してから、ご連絡しますので、幻想世界に戻りお待ち下さい……。」
でたー。内容を確認してから、ご連絡しますのでお待ちください。女神様あなたが依頼したから全て把握してる筈ですよね。愛ちゃんの報告に関しては、確認が必要なのは100歩譲ってありとしても、僕の問いに関しては、即答出来る内容だよね。
あまりの対応の悪さにふつふつと怒りが込み上げてくる。
しかし、社会人たるもの感情で批判するのはまずいだろう。
落ち着ける為に深呼吸を2度3度行って落ち着ける。
「ふーっ、フェリシア様、フェリシア様からの仕事の依頼の確認ですのに、どなたに確認を取る必要がありますか?仮にあったとしても、いつ頃までにご回答頂けますか?また、ご連絡がない場合、どのように女神様にご連絡したら宜しいでしょうか?」
「龍王様疑問になるのも最もかと思います。各地の王より、神官より連絡を受けて、その内容をまとめ今回ご依頼した次第となります。こちらの確認が不十分な為いらぬご迷惑をお掛けします。その為、各地の王に連絡をとり、魔王がどの魔王のことを指すのか確認をとり、裏付けをとった後で勇者様にご連絡を入れたいと思います。」
「女神様のおっしゃることはよく分かりますが、仮にですけど、魔王がそちらにいる愛さんの場合、既に幻想世界から離れており、脅威が去ったことになります。この点で既に依頼達成という形になりますが、幻想世界に戻った場合、また脅威が復活することになりますが、いかがお考えでしょうか?」
「ええと、はい。そちらの件に関しましては、ご確認後の対応となりますので、確認中または報告する際に魔王が幻想世界にいる場合は、達成未達となります。」
どうやら、僕たちを幻想世界に帰すことは、女神の中で決定らしい。仕事の出来ない上司の連絡待ちは納期間近の対応になって地獄なんだが……。
「では、女神様、仮に連絡をする場合は、今から何時間後に頂けますか?また、連絡が来ない場合こちらからどのようにして、女神様にご連絡しまら宜しいですか?」




