112.第七王子は七つの試練に挑む
前回までの俺!
神にさらわれたリスタをしかたなーく助けに来た。
光の塔へ到着した俺の前に立ち塞がるのは、この天界に住まう神々。
そこへ援軍として(呼んでない)帝国民どもがやってきた!
俺はロウリィの背中に乗って、塔の重畳へと向かうのだった……。
『ノア様どうしたんすか!? 四日連続更新だなんて! 数ヶ月空くのもざらなのに! 毎日投稿するなんておかしいっすよう!』
おかしいのはおまえじゃロリエモン……。
こいつどうにも、たまーに変なこと言うんだよな。
竜姿のロウリィはぐんぐんと、光の塔を登っていく。
『頂上が見えてきたっす!』
光の壁のようなものが頭上に出現した。
多分この向こうが最上階なんだろうな。
『このままつっこむっすー!』
どがぁん! という音とともに、ロウリィが壁を破壊。
そして……。
「んぁ……? ここは……?」
気づけば、俺たちは白い何もない空間にいた。
「ロリエモン? どこにいるんだよ?」
しーん……。
「うわああん! ろりえもーん! どこに……」
むぎゅ!
『いてええええええええええ!』
「なんだ居たのか。返事をしろまったく……」
白猫姿のロウリィがぐったり倒れていた。
俺はつまみ上げる。
「どうした?」
『ちょっち疲れたっす……』
「おつかれさん。まああとは俺に任せとけ」
『きゅん♡』
正直リスタのためにこんなに頑張らなくても良いんだけどなー……ったく。
まああの女がいないと、なんか調子狂うのも事実だしよ。
『さノが足りてないっすよね』
「確かに……なんか最近さノ聞かないからさ」
『深刻なさノ不足なんすね』
「おうよ、だから……ま、さっさとリスタを連れて帰ってさノしようぜ」
「さノさノうるさいぞおまえら……」
「「ナベたん!」」
振り返ると、そこには黒髪の犬耳美女、ナベリウスがいた。
『ナベたんどうしたんすか? 帝国の仕事は?』
「おいおい仕事サボタージュかぁ?」
『あ、いっけないんだー』
「仕事放り出してサボりとか、いっけないんだー」
ぴきぴき……とナベリスの額に血管が浮かぶ。
「貴様にだけは言われたくないわ……!」
「俺はいいんだよ」
「自分はいい、他人は駄目とか……このクソ帝王が……」
てへぺろりん☆
「んで、ナベ。おまえどうやって来たんだ?」
「ノア様の影に、オレ様の影の分体を紛れ込ませておいたのだ」
なるほど、ナベリウス本体ってわけじゃあないんだな、目の前のこいつ。
『ナベたんも優しいね。ノア様に何かあったら大変だから、こうして分体を紛れ込ませておくなんて』
「は? べ、別に違うし……! このゴミ王子なんてどうなってもいいし!」
『ツンデレ……乙! しかしノア様はわたしの恋人っすからね。そこは線を引いてほしいっすわ!』
やかましいアニマルズだ……ふむ。
「ぬ! おい見ろおまえら! アレを!」
白い空間の奥には、1つの巨大な石版があった。
石版には、1本の大きな樹が描かれている。
樹は7つに枝分かれしていた。
枝の先端には、くぼんでいる箇所が見られる。
『なんすかね、この石版』
「見たところ扉のようだな」
ナベリウスの言うとおり、石版の中央には、縦に線が入っていた。
「いけポチ、扉を開けるんだ」
「誰がポチだ誰が」
『そう言いながら従っちゃうナベたんマジ忠犬っすね』
ぐっぐっ、とナベリウスが石版をおしても、扉は開こうとしない。
「駄目だな」
「このくぼんでるとこに、何か当てはめるのかもしれねえなぁ……」
7本の枝の先端にある、7つのくぼみ。
ここに何か嵌めるのかもしれない。
『何かって何をはめるんすかね?』
そのときだった。
【ヨクゾキタ】
『!? 脳に直接声が!? 誰っすか!?』
【神ノ間ノ番人ダ】
『神の間……番人!? じゃあ……この向こうにリスタがいるんすね!?』
【然リ】
ふぅむなるほど……。
「番人よ」
【何ダ?】
「なんで片言なん? しゃべりにくくない?」
『つか、タイピングしにくいっすね』
なんだよタイピングって……。
【うぉほんっ。この扉を開けるためには試練を突破してもらう必要がある】
「あ、カタコトやめた」
『きっとカタコトでタイプするのめんどくさくなったんすよ』
「おまえら話し聞いてやれよ……」
ナベに指摘されて、俺たちはしぶしぶ、話し聞いてやる。
要約するとこんな感じ。
・この扉を開けるためには鍵が七つ必要
・鍵の入手には試練を突破する×7が必要
とのこと。
「うへえ……七つもあんの? だっりぃ~……」
『七つも試練あるとか、引き延ばしっすかね?』
「さっきからこの白猫は、何を言ってるんだ……? くどいぞ……」
ナベの言うとおりだが、いまはいい。
「問題は七つの試練をどう突破するか……だな」
大扉(俺が最初に見つけた扉な)の前に、七つの小さな扉が出現する。
【試練を受けるものはこの扉をくぐれ】
「ん? 試練を受けるのは……なにも俺じゃなくてもいいのか?」
【然り。神の試練は難易度が高い。下等なる人間ひとりでは突破できぬ代物。ゆえに、仲間に手伝ってもらってもいい】
若干高圧的な態度にイラッときたが……。
いい情報を仕入れたな。
「つまりリスタのとこへ繋がる扉をあけるためには、七つの試練を突破して鍵を開ける必要がある。試練は俺ひとりがやらなくてもいいってわけだ」
ぽんっ。
「ちょっと待てノア様。なんでオレ様の肩を叩く!?」
「がんばっ☆」
「おいいいいいいいいいいいい! 丸投げかよぉおおおおおおおおお!」
だーって七つもやんのめんどっちーじゃん。
「「「「話は聞かせてもらった!」」」」
「うひぃいいいいいいいいいいい! 化け物のぉおおおおおおおおおお!」
『帝国民っすよ……』
俺の前には、見知った顔が並んでいた。
「ノア様! 神をぶちのめしてきたぞ!」
「て、テータ……」
『あ、ノア様が元いた王国の騎士団長のテータちゃんっす。書籍版だと駄馬兄と名前がかぶるから、ディーバからテータに変更されたっす』
一人目は、テータ。
「くくく……我が魂の眷属よ。神は我が闇の炎で滅してきたぞ……」
「ライザ!」
『あ、ノア様が元いた王国の魔導師団長のライザちゃんっす。コミカライズ版のキャラデザ最高にキュートっすよ』
二人目は、ライザ。
「ノア殿! 神とはなんとも惰弱な連中だったでござるよ! ノア殿と比べたら塵芥でござった!」
「ユリアン!」
『あ、勇者のユリアンちゃんっす。ノア様が試合でけちょんけちょんにしたやつっす。こちらもコミカライズ版以下略』
三人目は、ユリアン。
「ノア殿ぉおお! ノア殿のピンチにわし参上なのじゃっ! 魔族を救ってくれた恩、ここで返すのじゃ!」
「ヒルデ!」
『ここでロリ魔王ヒルデガルドちゃんの参戦ぅ……! ノア様が勘違いで庇護下においた最弱の魔王ちゃんがリングインだぁ!』
四人目は、ヒルデ。
「ノアぁ……! 会いたかったぜノアぁ……! 愛する弟の邪魔をするバカはお兄ちゃんがぶっ殺してやったよぉおう!」
「だ、駄馬兄!?」
『五人目はまさかの、ノア様の兄、第六王子ダーヴァの登場だぁ……! 闇オチからの光オチで、弟大好きマンになってしまった兄が今弟のために今リングイン!』
五人目は、ダーヴァ。
「のあさまっ! ぼく……たすけにきました! のあさまにけいこつけてもらって、つよくなったので!」
「が、ガルシアくん!」
『六人目はノア様のお姉さん、メイシェン様の伴侶、ガルシアくんの登場だぁ……! 正直もう他に登場させられるキャラがいなかったから人数会わせ感が強いぞぉ!』
「ロウリィ。おまえ、さっきからうるさいぞ……」
ナベが突っ込む。
うん、俺もちょっと思っていた。
試練の間に、俺の知り合いたち6人が集合する……。
「おまえら……マジなにしにきた? 神々は?」
「「「「ぶっ殺した!」」」」
「蛮族かよ……こわすぎだろ!」
ちなみにサラは他の連中を引き連れて、この光の塔を探索してるらしい。
生き残りがいないかさがしてるんだと。
見つけ次第ぶっころすそうだ。
「怖すぎだろうちの民……」
『蛮族っつーか戦闘民族っすね……』
ガクガク震える俺と愛猫。
「ノア、サラに言われておれたち6人がノアの助けに来たぜ」
「お、おう……さんきゅー駄馬兄」
「いいんだいいんだ! おれは弟が大好きだからよ!」
こいつこんなキャラだったっけ……?
「ま、まあなんだ。これで七人集まったわけだ」
かけつけた六人+ナベ。
で、七人!
「じゃ、いってこいおまえら!」
「「「「じー……」」」」
え、なに?
「ノア様も当然いくんだな!」
「くく……あたりまえ。ノア様は闇の眷属。この程度の試練なんぞ朝飯前」
え、ええ……?
俺もいくのぉ。
「ナベリウスがいるじゃん。おまえいけよ」
「オレ様は悪魔だから、この試練受けられないぞ」
そうなの!?
【然り】
くそぉおおお!
「じゃあなんでナベ来たんだよぉ~……」
「ほらノア様もいってこいって」
えー……だるーい……。
『ノア様、ほら、いこっす。六つは化け物たちがやってくれるからさ。ね、一個だけがんばろっす?』
「ロウリィぃ……もっと励まして」
『ほらがーんばれ♡ がーんばれ♡ あとで肉球好きなだけぷにぷにさせてあげるっすから~』
「うん……ぼくがんばりゅ……!」
ってことで……。
七つの試練を、俺+帝国民たちで、挑むことになったのだった。
はー……めんど。




