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第百三十九章 陽子、マリに撃たれる

ある日マリは、人身売買組織壊滅作戦があると聞き、今回は戦地ではなく、中近東で治安の悪いXX地区人身売買組織壊滅作戦に志願しました。

マリの上官はマリが、“女性は商品ではない!”と興奮していた為に、心配そうでした。

上官は、「マリ、少し興奮しているのではないか?大丈夫か?」と確認しました。

マリは、「大丈夫です。そんな組織は上空から、徹底的にミサイル攻撃して叩き潰してやります。」と興奮していました。

上官は、「落ち着け。そんな事をすれば売られる女性も死ぬではないか。女性は助けろ!それと人身売買というのは、売り手と買い手がある。売り手はその地区にあるが、買い手は不明だ。その地区で見世物にする組織もあるが、海外から買いに来る謎の組織もある。その組織のメンバーを逮捕して、正体を暴き、壊滅させる事も今回の重要な任務だという事を忘れるな!」と警告しました。

マリは、「解りました。陸軍兵士と作戦に参加します。是非、この作戦に参加させて下さい。」とマリはどうしてもこの作戦に参加すると言い張ったので、上官も少し心配でしたが、マリを信じて許可しました。

その頃、陽子も盆休みで現地に向かっていました。現地で作戦会議に出席したマリは、“黒幕の女性を発見した。”と聞き、「女のくせに許せない!」と益々頭に血が昇っていました。

作戦会議終了後、現地で二人一組で捜査中に黒幕の陽子を発見したマリは、「仲間を呼ぶから待て!」と同僚が止めるのも聞かずに単独追跡して、警告もせずに自動小銃を発砲して、陽子の太ももに命中しました。

陽子は丸東組の組員に抱えられて、組員が銃を発砲しながら車で逃走した為に、取り逃がしたマリは悔しい思いをしました。

その後、ジープで応援に駆け付けた陸軍兵士に、「出血が多かった為に、遠くへは逃げられない筈よ。必ずどこかの医療機関へ行っている筈よ。でなかったら、あれだけの出血があれば、素人に手当てするのは無理よ。」と医療機関などを徹底的に捜索しましたが、黒幕は発見できず、死体も発見できず、黒幕の行方は解りませんでした。

マリは、佳子から陽子の事は聞いていましたが、丸東組が風俗を資金源にしていて、その黒幕が陽子だとは、聞いていなかった為に、まさかマリが取り逃がした黒幕が陽子だとは夢にも思っていませんでした。

陽子は自分で手当てして、医療機関へは行かなかった為に、マリには陽子を発見できませんでした。

その後、基地へ帰還したマリは、上官から、「馬鹿者!何故、応援が来るまで待たなかったのだ!そうすれば謎の黒幕を逮捕できたかもしれないのだぞ!それに、マリの相棒の陸軍兵士に聞いたが、警告もせずに発砲したのか?もし人違いだったらどうするのだ!矢張り、このような任務は女性には無理だったのかな。陸軍からは、“ヒステリーとはチームを組めない!“と言って来たぞ!」と怒鳴られました。

マリは、「申し訳御座いません。」と後悔して謝りました。

上官は、「謎の黒幕は何人だったのか解ったのか?興奮していたとはいえ、黒人か白人かくらいは解ったのではないか?」とヒステリーを起こしたとはいえ、マリも軍人だから、そのくらいは確認しただろうと期待しました。

マリは、「何人かは、解りませんでしたが、少なくとも黒人ではありませんでした。」と返答しました。

上官は、「今度その黒幕に会えば解るだろうな。」とこの作戦終了後、捜査可能なように、その程度は確認しているだろうと期待しました。

マリは、「厚化粧にサングラスをしていた為に、顔は解りませんでした。」と興奮して何も確認できていない事を後悔していました。

上官は、「馬鹿者!お前はそれでもプロの軍人か。」とマリの精神力で、この作戦に参加させたのは失敗だったと失望しました。

更にマリは、「もう一度私にチャンスを下さい。今度は単独行動を致しませんので、名誉挽回させて下さい。」と上官に頼みました。

上官は、「何がチャンスだ!結局、黒幕の事は、何も解っていないではないか!お前は何をしていたのだ!只のヒステリー女ではないか!厚化粧だという事は黒人かもしれないじゃないか!それに黒幕が女性だというのは、服装から判断したので、厚化粧していたという事は、男性の可能性もあるのだぞ。今の件は考えておくが、兎に角、頭を冷やせ!でないと、陸軍からヒステリーとはチームを組めないと断られるだけだぞ!今の状態では、無関係の人間を射殺してしまう可能性もある為に、このような任務は無理だぞ!」と指示し、マリの要望を断りもせず、了解もせず、明確な返事をしませんでした。

日本に帰ったマリは、いつものように、父親の看病で、軍隊での失敗の事などの話をして、そのあと、佳子の病室に見舞いに行きました。

暫く雑談していると、佳子の様子を見に来た陽子が松葉杖でしたので、佳子は一緒にいたマリと驚きました。

マリは、「どうされたのですか?大丈夫ですか?花嫁さんが怪我をすれば大変ですよ。結婚式までに治りますか?」と陽子の事を心配していました。

陽子は、「私を誰だと思っているのよ!世界一の名外科医よ。ちゃんと治すから心配しないで!」と自分で打ち抜いておいて、どうされたのかはないでしょうと笑いを堪えていました。

面会時間も終わり、マリが帰宅した後に、佳子が陽子に、「ひょっとすれば、あなたの怪我は、裏の顔の関係?やくざに銃で撃たれたの?修の為にも危険な事はしないで!」と忠告されました。

陽子は、「さすが凄腕の刑事ですね。殆ど正解です。確かに私は銃で撃たれましたが、撃ったのは、やくざではなくマリさんですよ。しかし自分で撃ち抜いといて、“どうしたの?大丈夫?”には、私も笑い出しそうでした。」と説明しました。

佳子は、「そういえば、マリは人身売買組織の黒幕を取り逃がしたと悔しがっていましたが、まさかその黒幕って???」と確認しました。

陽子は、「そうよ、そのまさかよ。マリさんが取り逃がした黒幕は私の事ですよ。」と二人で大笑いしました。

マリは自分が取り逃がした人身売買組織の黒幕が陽子だとは気付きませんでしたが、陽子は透視力で発砲したのはマリだと解っていました。

佳子は、「陽子さんだったから、マリさんが医療機関を徹底的に捜しても見付からなかったのね。」と納得していました。

陽子は、「あんな時に医療機関に行く馬鹿はいないわよ。でも、まさか、マリさんが警告もせずに突然発砲するとは思わなかったわ。だから、鬼と言われるのではないですか?」と補足説明しました。

佳子が、「手当てすると言っても、医薬品はどうされたのですか?医療機関では盗難事件はなかったとマリが言っていましたよ。」と不思議そうでした。

陽子は、「あの地区には、世界各国から応援物資が届いています。その応援物資の医薬品を組員に盗難させました。勿論医薬品だけですと、マリさんに気付かれる可能性があった為に、医薬品以外も盗難させて、カモフラージュしました。」と説明しました。

佳子は、「そういえば、その地区で応援物資の盗難事件があったと聞きましたが、陽子さんが主犯だったのですか?」と納得していました。

陽子は、「私とした事が、刑事につい口が滑ってしまいました。でも証拠はないし、海外で管轄外になるので、逮捕できないわよね。」と確認しました。

佳子は、「という事は、その他にも隠している事があるのね?そういえば、死体の処理を誰に頼んでいるのよ。調べは付いているのよ。修との結婚式までに証拠を見付けて、逮捕して結婚式をぶち壊してやるから覚悟しておきなさい!」と予告しました。

陽子は、「私はやくざの幹部よ。刑事に言えない事は沢山あるわよ。でも、さすが佳子さんね。私が誰かに死体の処理を頼んでいた事が良く解ったわね。あと少し頑張れば、解るかもしれませんね。でも何故、あなた方姉弟は刑事なのよ。でなかったら、全く問題なかったのにね。」と佳子には油断できないと感じていました。

佳子は、「それは、こっちの言うセリフよ!何故陽子さんは、やくざの幹部なのよ!」と言い返しました。

陽子は、「それは仕方ないでしょう。私もやくざの組長の娘に生まれたくて生まれたのではないですから。私は只、親孝行しているだけですよ。」と返答しました。

佳子は、「親孝行するのも、その親によるわよ。」とこの場合止めるのが親孝行じゃないかと感じていました。

陽子は、「私は、法律の事は詳しくないですが、確か、親は子の面倒を見て、子も親の面倒を見なければならないと、法律に定めているのではないですか?今の発言は刑事として問題ありませんか?」と聞きました。

佳子は、「確かに定めているわよ。定めてなかったら、生まれたての赤ちゃんを道端に捨てても警察は何もできないから。でも陽子さん、そういうのを法律を悪用すると言うのよ。」と陽子を睨みました。

陽子は、「悪用も何も、私は只、法律を遵守しているだけよ。」と返答しました。

佳子は、「一方では、死体を処理しながら、何が法律を遵守するよ!良く言うわね。」と矛盾点を突きました。

陽子は、「私が死体を処理している証拠はないでしょう?私が名誉毀損で告訴すれば現時点では私が勝訴するわよ。」と警告しました。

佳子は、「必ず証拠を見付けるわよ。そんな事を言えるのも今の間だけよ。」と口喧嘩に近い雑談をしていました。


次回投稿予定日は、10月29日です。

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