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第百三十七章 佳子姉弟、母と水入らず

佳子の病室を出た陽子は心の中で、“修ちゃん、佳子さん、博さん、御免なさいね。いくら怖いやくざでも刑事は撃たないわ。あなた方の父親を撃ったのは、子供だった私が、”お父さんを連れて行くな!“と玩具の銃のつもりで私が撃ったのよ。それがトラウマになり、それ依頼、私は銃が持てなくなりました。商売柄日本刀ではどうしようもない事もあると思い、訓練していますが、未だ玩具の銃しか持てません。修ちゃん、私と結婚したら、その罪滅ぼしに、精一杯尽くすわね。”と思っていました。

しかし、この時陽子は、“組員達は本物の銃は重く、小さな子供には扱えないと思っていたようですが、私には軽く感じ、銃を撃った時の衝撃も殆ど感じなかったのは、矢張り私は怪物なのかしら?そういえば、母はいつ迄も若々しいのと何か関係があるのかしら?”と少し不安になっていました。

佳子達は、病室で昔話や、お互いの今迄の話をしていました。

母の話から、陽子は確かに丸東組の幹部で他のやくざからは、陽子に逆らえば行方不明になると恐れられている事も解りましたが、風俗嬢などには優しく陽子の“裏の顔”の一部が見えたような気がしました。

しかし佳子は、陽子が、どのようにして死体を処理しているのか気になり、母は何か知っているかもしれないと期待して確認しました。

母は、「確かに、陽子さんは、“死体の処理は、医師の私に任せて!”と組員に指示していましたが、実際は陽子さんが直接処理せずに誰かに頼んでいたようです。」と説明しました。

佳子は、“そうか、陽子さんが直接処理していなかったのか。だから病院内や関連病院を徹底的に捜しても死体が発見できなかったのか。という事は、死体処理の専門業者がいるのかしら?調べてみる必要があるわね。総務に転属したが、矢張り私は根っからの刑事なのかもしれないわね。”と感じていました。

更に佳子は、陽子の怪力の秘密も母が知っているかもしれないと期待して確認しました。

母は、「私も知りませんが、陽子さんの母、菊枝さんは陽子さん以上に力が強いわよ。でも気になる事があるのよ。陽子さんは体重計で測定すると、体重は六十三kgでしたが、先日冗談で菊枝さんと取っ組み合いをして、陽子さんが投げ飛ばされた時に地響きがあったわよ。とても六十三kgだとは思えないわ。」と不思議そうでした。

修が、「お母様迄、陽子を怪物扱いするのですか?」と陽子を信じている修は不満そうでした。

母は、「他人行儀な呼び方をしなくても、母ちゃんで良いですよ。でも陽子さんには、怪力の他にも、凄い超能力があるのよ。それは、菊枝さんの方が強いのよ。怪物かどうかは、私には解りませんけれどもね。」と返答しました。

修は、「確かに、その事は陽子も気にしていたよ。しかし、色々と可能性を考えると、超能力だという可能性が高いらしいですよ。」と陽子も知らない事を伝えました。

佳子は、「修、落ち着いて考えて。それは陽子さんだけの事よね。今の母ちゃんの説明では、菊枝さんの方が陽子さんより力が強いらしいじゃないの。菊枝さんは捨て子だったのよ。菊枝さんの親は、菊枝さんよりもその力が強いと考えられない?陽子さんは、染色体が違うから、人間以外と人間との間に子供はできないと言ったのよね?地球外生物で、偶々地球人と同じ染色体の生物がいたとは考えられないの?それが巨大生物で体型は地球人の遺伝だとすれば体重や怪力の事も説明可能よ。」と閃きました。

修は、「地球外生物だなんて陽子が宇宙怪獣みたいな言い方をしなくても良いだろう。何が巨大生物だ。姉ちゃんSF映画の見過ぎだよ。そんな宇宙怪獣が地球に来れば大騒ぎになるよ。昔の記録でもそういう記録はないよ。それとも姉ちゃんは、宇宙怪獣が昔地球に来て、人知れずウルトラマンが退治したとでも言うのか?退院すれば、精神病院に入院する事を勧めるよ。」と現実離れした佳子の説明に不満そうでした。

佳子は、「何を言っているのよ。修と陽子さんとの間に生まれる子供は怪物の子供かもしれないのよ。自分の将来の事をもっと真剣に考えなさい!」と怒りました。

修は、「何故、怪物と決め付けるのだ?陽子の先祖はスーパーマンかもしれないよ。」と陽子の事を怪獣だと決めつける佳子に不満そうでした。

佳子は、「何がスーパーマンよ。修こそ精神病院に入院しなさいよ。病院の事は陽子さんが良く知っているので、陽子さんに紹介して貰いなさい。きっと修にピッタリの良い病院を紹介してくれるわよ。」と勧めました。

博が、「それじゃ、二人仲良く東城先生が紹介してくれる精神病院に入院したらどうなの?」と二人が口喧嘩を始めたので間に入りました。

佳子は、「博、何他人事みたいな事を言っているのよ!博が怪物の叔父さんになるかもしれないのよ。」とムキになっていました。

博は、“うわっ!こっちにまで火の粉が飛んできた。”と藪蛇だったと後悔していました。

母は、「二人共、落ち着いて。博に当らなくても良いでしょう。今迄解らなかった事なので、今ここで考えても解らないわよ。確かに二人共凄い能力があるけれども、その能力を悪用せず、外科医として人命を救う為に使っているのだから、良いじゃないの。」と子供達を宥めました。

そして、佳子が、陽子と修の事や自分のミスで警察官を死なせてしまった事で精神的に不安定になっている為に、母と同居する事になりました。

母は大富豪に身請けされて、その後、母の昔の記憶も戻り、キャリアウーマンだった母に経営的センスがある事に、その大富豪が気付き正式に結婚して共同経営者として会社の副社長として迎えられました。

その後、母は会社で実力を発揮し、社員にも認められ、実権は母が握っていました。しかし、大富豪が交通事故で亡くなり、風俗嬢にされた時に卵管結束手術をされていて、子供もいなかった為に、全財産を母が相続し、会社社長になっているという事でした。

母は、「あなた方に話があります。博、あなたを夜遅くまで残業させて、会社の事を全て把握させようとしているのは、博に私の会社の社長を継いで欲しいからです。只、博は昔から気が弱く、総会屋や、やくざ相手に交渉できるかどうか心配です。佳子、警察で失敗して、警察官を続けるのが辛いのでしたら、私の会社で博を助けてあげてほしいの。当然会社には顧問弁護士も数人います。その取りまとめというか法律関係を佳子に任せたいと考えています。考えておいて下さい。ただ、警察と違うのは、水戸黄門の印籠のような警察手帳もなく、拳銃のような武器もありませんので、勝手は違うと思います。仕事に慣れれば、博と共同経営者として、あなた方二人に会社を任せたいと考えています。」と皆に説明しました。

修はそれを聞いて、「僕には何もなしかよ。」と不満そうに呟きました。

母は、「私は貧乏性で、豪邸には住み辛く、普通の住宅街に住んでいて、お客様が来られた時だけ豪邸に行っています。政治家や財界人が偶に来るけれども、それで良ければその豪邸に住んでみる?家政婦が常駐している為に、炊事・洗濯・掃除などの家事はしなくても良いので、ホテルに泊った気分でどうかしら。」と今、修にしてやれる事を提案しました。

佳子が、「修に豪邸は似合わないわよ。それに、陽子さんがいるじゃないの。」と修が贅沢に慣れてしまう事を心配していました。

修は恥ずかしそうに、「これとそれとは、話が違うよ!いつまでも看護師の部屋に厄介になっている訳にも行かないので、この際、その豪邸に引っ越すよ。」と豪邸に住んでみたいようでした。

佳子は驚いて、「修、看護師の部屋に厄介になっているってどういう事?陽子さんに会いに病院に来た時に看護師に手をだしたの?そんな事をしたら丸東組の組員が黙ってないわよ!陽子さんは知っているの?」と予想外の事に驚いていました。

修は、「何を驚いているの?陽子なら知っているよ。看護師は陽子が紹介してくれた男性看護師ですよ。」と説明しました。

佳子は、「も~、修、病人を驚かせないでよ。」とホッとしていました。

修は、「姉ちゃんが古いんだよ。看護師が女性だとは限らないよ。姉ちゃんは看護師ではなく、看護婦の時代の人だから仕方ないかもしれないけれどもね。」と鼻で笑いました。

佳子は、「看護師だけの問題で、私がお婆さん見たいな言い方をしなくても良いでしょう。」と不満そうでした。

博が、「看護師だけじゃないよ。保母さんではなく保育士で、父兄ではなく父母ですし、色々と変わってきているのだよ。時代の波に乗り遅れないようにね。」と二人の間に入りました。

佳子は、「なんで看護師の話が、時代の波にまで発展するのよ。話が飛躍し過ぎよ。」と不満そうでした。

母は、「まあまあ、皆、落ち着いて。そんな事は大きな問題じゃないですよ。時代の波というのは、携帯電話で電話しかしない人、要するに携帯メールやホームページ閲覧などをしない人でしょうね。この話題は、このくらいにして、修が警察を定年退職した後に、まだ働く気持ちがあるのでしたら、その頃は恐らく会社の実権は、博か佳子が握っていると思うので、相談すれば悪いようにはしないでしょう。」と子供達が口喧嘩を始めたので話題を変えました。

博は、「そうだな、警備員として雇って扱き使ってやるよ。」と笑っていました。

修は、「兄ちゃんが社長で、僕は、しがない夜勤の警備員か?何か待遇が違い過ぎないか?」と不満そうでした。

博は、「俺は社宅で修は家政婦付きの豪邸だろう。同じ事だよ。」と自分だけ悲劇の主人公になったような言い方をする修に不満そうでした。

母は、「まあまあ、それはその時に話をすれば良いですから。」などと、親子水入らずで、色々と雑談していました。


次回投稿予定日は、10月19日です。

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