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5月19日(木)昼休み2

5月19日木曜日 昼休み2


 それを聞いたナギとアミは、我先に頭を寄せあった。

矢沢さんが出してきたA4サイズの横長のプリントアウトを見つめる。


 表には日付に続いて「お客様の名前」「性別」「お客様の分類」と内容が続き、「占いたい内容」が印字されている。

先日の図書館で奪い取ってきたログよりはるかに見やすい表になっている。

矢沢さんは表のとある行を指し示した。

そこには昨年の文化祭最終日の日付に続き「三瓶ルリカ/女/M2」とあった。

その後に続く占いの内容に、アミとナギは思わず顔を見あわせた。

というのも、内容が以下のようなものだったからだ。


『来年3年に進級できますか?』


さらに、矢沢さんは続けた。


「そういえば、引退しちゃったパソコンクラブの先輩に聞いたのだけど。

先輩の友達が2年の時『三瓶さん』と同じクラスだったんだって。」


「え、本当に?! 詳しく教えて!」


ナギは思わず声を上げた。

矢沢さんの教えてくれた「三瓶ルリカ」さんのプロフィールはこんな感じだった。


現在のクラスは3年B組。出席番号は11番。

3年生に三瓶という名字は1人しかいないから、間違いないようだ。

席は窓際の1番前。


 そして、矢沢さんは言葉を続けた。


「3年の先輩はB組の知り合いの先輩にも聞いてくれたんだけど、

その『三瓶さん』って人はどちらかというと影の薄い感じなんだって……。」


アミが言葉を引き継いだ。


「まあ、たしかに、ナギみたいに背が高いとか特徴があって目立つというならともかく、目立たない人って、たとえ同じクラスでも印象ないってことは珍しくないものね。」


矢沢さんもうなずいた。


「そうそう、そんな感じなのかも。

それから、放課後はいつもすぐに帰ってしまうんだって。

先輩もほとんど話した事が無いみたいなのよ。

ただひとつ……、」


「ひとつ……??」


「三瓶さんって、クラスでは『サル』って呼ばれているらしいよ。」


「『サル』?!」


思わずナギとアミは声を揃えて聞き返す。


「……なんだか微妙なアダ名だよね。なんていうか、……。」


 矢沢さんの声はどこか遠くから話しかけてくるようだった。

ナギはふっと足元をすくわれたような気がした。

 しかし、呆然とするナギの背中をアミは明るく「バン!」とたたいた。


「席は大抵背の順で決まるから、これはナギのいっていた小柄な生徒っていうのと一致するわね。

それにしても…名前が『か行』から『た行』っていうのは推理的中だね。」


(つづく)

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