5月13日(金)夕方1
5月13日金曜日 夕方1
その日の図書委員会の業務は「つつがなく」終了した。
ナギとアミはマルちゃんに何度もお礼をいって、それぞれ下校していった。ナギは心の中で何度もお礼をいった。
(本当に無茶させてしまってごめんなさい……マルちゃん、矢沢さん。)
帰り道、日増しに長くなる夕暮れの光の中、ナギとアミはやっとの思いで入手した2枚の紙をじっと見つめた。
そして、紙を見つめながら思わず2人して黙り込んだ。
なにしろ初めて見る書式だったからだ。
ログはいつも見ている予約表等のリストとは違い、まさしく数字とアルファベットの羅列だった。
文字や数字は表になって細い罫線で細かく区切られていた。
そして、表には細かい文字びっしり書き込まれている。
ナギもアミも、どこをどう読んだらよいのか分からなかった。
「なんだこりゃ。全く分かんないや。やっぱ明日、もう一度パソコンクラブに行って矢沢さんに聞いてみようか。
こういうのは、やっぱ、専門家に任せた方がいいと思うのよね。」
「ち、ちょっとまって!」
ナギは早くも匙を投げようとしているアミをさえぎった。
紙をひったくり、数字とアルファベットの羅列をにらみつけた。
(だって、この中に絶対あるはずなのよ!
あの本を真っ先に予約した『誰かさん』の番号が。)
「……あ、Mで始まっている、この文字の固まりは、『学籍番号』なんじゃないかな。
私の学籍番号もそうなっているし。」
学籍番号は6桁の数字とアルファベットから成っている。
先頭の数字はMつまり「鞠山女子高等学校」の頭文字「M」そしてその後に入学年度。
最後に名前のあいうえお順に通し番号がくっついている。
1カ所の意味が分かると連鎖的に読み解けるようになってきた。
ナギは続けた。
「それから、この5ケタの番号はもしかして、書籍に付けられたマリジョ図書館の『図書管理番号』でしょ。」
「ああ、なるほど! ナギってばさえてるねぇ〜。」
「そうだ。これよ、これ。」
ナギは急いでカバンからあの単行本を取り出した。
ずっと持ち歩いているのだ。
マリジョ図書館の蔵書の表紙には必ずシールが張られている。
シールには「鞠山女子高等学校」の名前と5桁の番号、そしてバーコードがプリントされているのだ。
前に牛尾先生に聞いたことがあるのだが、「図書管理番号」は、それぞれの本に1冊ごとに割り当てられているオリジナルの番号なのだそうだ。
ナギとアミは『レグルスからの伝言』に貼付けられている管理番号を、リストの5桁の数字の列となぞるように見比べていった。
「あ、あった!」
(つづく)




