038「来るべき日と救世の勇者【その6】」
「この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません」
「レプティリアン…………その存在は太古の時代から始まり、そして、支配は現在進行形で続いている」
流聖さんの話では、『レプティリアン』は世界を支配している宇宙から来た存在だと言う。
「レプティリアンの出現は諸説あるが、現在、我々が一番可能性が高いと思っているのが紀元前3800年頃に突如出現した『シュメール文明』だ。そして、拓海君のお父さんにはこの『シュメール文明』と、他にも宇宙人との関連が深いと思われる『エジプト文明』や『マヤ文明』も調査してもらっている。現在はメキシコで調査中だが、とにかく、この『レプティリアン』の痕跡らしきものが確認されているのは事実で、もしかすると、拓海君のお父さん……誠一は事実を突き止めるかもしれない」
「そ、そんな、研究をしていたんですね…………父は」
「そうだ。これは『人類の起源』を解き明かす上でもとても重要な研究だが同時に…………危険な研究でもある。理由は『支配者の急所』を暴くことになりかねないからだ」
「……そ、それって、つまり、『宇宙人』である『レプティリアン』が存在していたという事実がみつかることですか?」
「そうだ。今、この『レプティリアン』という存在は噂の域を出ていない……理由はその存在の事実が明るみになっていないからだ。これは憶測だが、おそらく、これまでその『真実』に迫った者はいたのではないかと私は思っている…………が、そのような者はすべて抹殺されているだろう。だから、我々はその正体を暴き、証拠を伴わせて公に発表しようと考えている。もちろん、それは同時に奴らへの『宣戦布告』ということになるがな。そして、その日を我々は『来るべき日』と呼んでいる」
「来るべき日……」
「そうだ。その『証拠』を突き止めようとしているのが誠一であり、それは、もうじき『手に入る』かもしれないんだ」
「そ、それって、じゃあ……その証拠をみつけたらテレビか何かで『発表』するんですか?」
「それは私が……テレビ、ラジオ、ネットで『電波ジャック』を行い発表する予定だよ♪」
雄士郎がニッと無邪気な笑顔で答える。
「そう……。そして、その『発表』後、我々は奴らと戦うつもりでいた…………だが、そんな時に、君が異世界に転移し、そして魔王ヴァルシュトナを倒し『ステータス継承』をして戻った、ということを知ることになった」
流聖はそう言うと静流に目を向ける。
「すまん、タクミ氏…………吾輩は父上の組織『民の鉄槌』の一員として今、活動しているんだが、そんな時にタクミ氏の話について父上に相談したことがあったんだ。その時はまだわからなかったが、最近になってタクミ氏が『変な者たちに絡まれている』ことを父に報告したんだが、その時、吾輩は初めて父上がタクミ氏と同じ異世界へ転移していたことと、その世界での『初代救世の勇者』だった話を聞かされた。理由は、すでにタクミ氏の存在が『目立ち始めている』ことへの危惧からだ。それで、父上からタクミ氏の保護も兼ねてすべてを明かし共に行動したほうがいい、との判断で現在に至った…………とは言え、親友であるタクミ氏に騙すような形をしていたことは謝る…………本当に申し訳ない」
「静流……」
「私もよ、拓海……」
「麗香……」
「私も静流と同じよ。拓海の保護も兼ねて私のお父様や静流のお父様、そして、拓海のお父様であるお師匠さんと拓海もつながる必要があると思っての告白だったの…………でも、静流と同じで拓海を騙すようなことをしたのは事実よ…………ごめんなさい」
二人が共に謝罪をする。
「麗香、静流…………ありがとう」
「「えっ……?」」
麗香と静流はまさか『ありがとう』と感謝の言葉が出るとは思わなかったのか、虚を突かれたような顔をしていた。
「二人とも俺を思って黙っていただけだろう? あと、光也に言わなかったのも巻き込ませない為の配慮からだろ? ありがとう…………心配してくれて。それと…………ちゃんと告白してくれて……」
「た、拓海……」
「タクミ氏……」
「俺はお前たちを……父さんたちを信じるよ。俺を仲間として迎え入れてくれてありがとう…………雄士郎おじさん、流聖さんも…………ありがとうございます」
俺は麗香や静流だけでなく、雄士郎おじさんや流聖さんへもお礼を言って頭を下げた。
「そ、そんな…………ありがとう拓海」
「タクミ氏…………ありがとう」
「こちらこそだよ、拓海君…………受け入れてくれてありがとう」
「こっちのセリフだよ、拓海君! こちらこそ…………ありがとう!」
麗香、静流そして……雄士郎と流聖も拓海に向かいお礼を述べる。
「な、なんか、まるでわかっていない部分も多いですけど…………これから、よろしくお願いします、ハハ」
「おう、まかせてくれ……拓海君!」
こうして拓海や他の皆たちがこれまで隠していたことを告白し、それを皆が受け入れたということで緊張感が解け和気あいあいと話をし盛り上がる中、光也はその光景を微笑み眺めながら一人……誰にも気づかれないよう考え事をしていた。




