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パラレルコネクト・オンライン  作者: yuto*
パラレルコネクト・オンライン標準時:6月
113/118

Act112-安全地帯

「ただいまー……って、のんきだなこいつら」

 仲良さそうに眠る五人の少年少女を見て、ついそんな言葉が漏れる。

 この森が安全地帯なのかは知らないが、それにしても無防備過ぎる。

「どうする? 起こす?」

「いや、そっとしておこう。特にミユとか怒りそうだし」

「ミユ?」

「あー……そうか、説明しなきゃいけないんだったな」

 俺は香澄に座るように促し、ミユたちとは少し離れたところで二人揃って腰を落ち着ける。

「さて、どこから説明したものか……」

「最初からだよ?」

「おい何時間かかるかわかんないぞ?」

「大丈夫だよ。それにこうして会ったんだし、色々話そうよ」

「ここでか……まぁ、いいけど」


 俺はミユたちがぐっすり眠り続けてくれていることを祈りながら、彼女たちとの出会いを一つ一つ話し始めた。



 ◇◆◇◆◇◆



「ーーって感じだな」

「なるほどねー」

「……俺しか話してないじゃん」

 色々話すと言っていた割には、香澄はたまに相槌を入れる程度で、終始聞き役に徹していた。

「いやー、よく考えたらお兄ちゃんの半年って、私たちが現実で過ごした数時間だったんだよね」

「それも……そっか」

 今まですっかり忘れていたが、俺の半年間は現実でいうところの数時間にしかならないのだ。香澄からしてみれば、俺と別れてまだ全然時間が経っていないことになる。

「あ、誠也があの後も輪つなぎ作り続けてたくらいかな」

「あいつ懲りないな」

 ”輪つなぎ”。些細なそのワードが、今はやけに懐かしく感じた。そういえばパーティの準備は終わったんだろうか。

 それも気になるところだが、俺は香澄にもう一つ聞きたいことがあった。


「そういや、香澄はいつログインしたんだ?」


 もし、ログインしてから結構な時間が経っていて、その間に戦闘を行っていたのなら、さっきのブランクを感じさせない剣さばきにも説明がつく。

 香澄は少し考える素振りを見せるが、すぐに諦めて答える。

「んー、この前……かな。正確な日付までは覚えてない」

「その間に、誰かと戦ったか?」

 同じく、「覚えてない」という答えが返ってくる。

「なんか突然意識がふっと無くなる時はあったけど」

「なんだって!?」

 今までの事例からして、まさに”誰かに操られている現象”の典型的な症状だ。

「詳しく聞かせてもらえるか?」

「うん」

「それ、私にも聞かせてもらえる?」

 いつの間にか近くに腰を下ろしていたミユが会話に混ざってくる。

「……起きてたのか」

「たった今だよ。ちょっと気になる話してたからさ。カスミちゃん、私がいても大丈夫?」

「なんで私の名前を……?」

 聞いてから、少し離れたところで眠る誠也の姿を認めたのか、なるほどと得心したようだ。

「わかりました。では、話します」

「ありがと」



 姿勢を正すと、香澄は重苦しそうに話を切り出した。


「私がログインして最初に見たものは、人が光に包まれて消えていく光景でした」


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