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第2話~目指すは王都(チートマジチート)~

またもお気に入り登録してくださった方々がいらっしゃるようです。本当にありがとうございます!今回は初戦闘シーンです。作者の表現力のなさがこれでもかと露呈しておりますが生暖かく見てやってください。よろしくお願いします。

自己紹介を終えると、ユミエル姫は俺と隊長(仮)からやや離れたところで騎士が持ってきた椅子に座った。どうやら観戦するつもりらしい。ご丁寧にパラソルまで置いてある。つかそんなもんまで装備されてんのか王族の馬車ってやつは……。


「それではお二人とも構えてください」


そう言ったのは女性騎士の1人だ。彼女が審判を務めるらしい。


隊長(仮)は一般にロングソードといわれる両刃の剣を鞘から引き抜いて、左半身を前にして、ロングソードは両手で持って右下に下げて構えをとった。俺は武器に詳しいわけじゃないんだけど、ああいうのって右手に剣持って、左手には盾を持つもんなんじゃないのか?両手で持つならもっと大きいのを使うのが普通だと思うんだが……。


まぁ今戦うのは目の前の隊長(仮)なわけで、一般がどうであろうが相手があのスタイルなら考えるだけ無駄。という結論に至った俺は、とりあえず考えるのをやめて武道家っぽい構えをとった。何しろ俺は完全に手ぶらなわけで(今の服装は死んだ時のジーパンに黒っぽいTシャツに同じく黒系の七部袖のYシャツを羽織ってるだけ。財布や携帯などはない)必然的に武道家っぽくするしかないのだ。(ちなみに俺の武道経験なんて小学校時代に5年くらいでやめた合気道だけである。当然実戦でなんて使えない。)


「ルールはどちらか一方が気絶などによる戦闘不能、もしくは降参するまで。相手の殺害は禁止とします。よろしいですね?」


随分と単純なルールだなおい。まぁ分かりやすさは大切なので了承の意味を込めて頷く。

隊長(仮)も俺同様にうなずいた。


「それでは…………試合、開始!!」


開始の合図と同時に俺は駈け出した。こちとらど素人の徒手空拳なので作戦なんて相手に張り付くくらいしか思い浮かばない。それでも膂力がサイ〇人になってるので足りない経験値と技術は速さでカバーする。


バカ正直に真正面から胸部に向かって繰り出された俺の右ストレートを隊長(仮)は左斜め前に踏み込むことで回避。その勢いを生かして剣を切り上げる。あえて剣に飛び込むように前方向に受け身をとることで隊長(仮)の背後をとった俺は、ガラ空きのその腹に右足の蹴りを叩きこむ。隊長(仮)にとって俺の速さはやはり予想外だったらしく、蹴られているその顔は驚愕に彩られていた。


10メートルくらい吹っ飛んでから地面に落ちた隊長(仮)はなかなか起き上がらない。と思ったら剣を杖代わりにしてヨロヨロと立ち上がる。俺を含めその場の全員が息をひそめて隊長(仮)の次の行動を見ていると……。


「降参だ。これは勝てない」


隊長(仮)は苦笑しながらそう言うと、俺に近づいてきて右手を差し出しながら言った。


「私の名前はカイザ・レンハット アリネシア王国近衛騎士団の総隊長だ。よろしく頼む」


なにがよろしくなのかいまいち分かんなかったが隊長(仮)が友好的になったのは確かなので握手に応じる。


「こっちこそよろしく。騎士レンハット」


「カイザでいい。疑ってすまなかったな」


さらりと謝罪が出てくるあたり隊長(仮)改めカイザはとてもいい人みたいだ。


「それは別にいいんだけど、今ので分かったのか?ぶっちゃけただ戦っただけじゃん」


しかも開始3秒くらいで決着してるし。


「あぁ。それについてもちゃんと話そう。その前に頼みがある」


「何?」


「我々と共に王都にきてはくれないか?事情は道中で君の疑問と一緒に答えたい」


お姫様に接近しなきゃならない身にとって、この申し出はありがたいことこの上ないので二つ返事でこれを了承した。


カイザに馬車に乗るように言われたが、貧弱一般人の俺は王族の馬車なんかに俺が乗っていいのかと腰が引けまくっている。


「いいから早く乗ってくれ。道中君に話さねばならないことは多い」


「その「君」ってのやめない?後微妙に丁寧な口調も。そーゆーの気にしないからもっと普通にしゃべってくれ。後最初に言った通り 海人 でいい」


「む、そうか。なら普通にしゃべらせてもらうか。ではカイト。とにかくさっさと乗ってくれ。明日中には王都に着きたいんだ」


少しだけ口調が軽くなったカイザはそう言って俺を馬車に押し込み、自分も乗り込んだ。中にはすでにユミエル姫がいてテンパリ気味の俺を見て楽しそうに微笑んでいる。うん、笑顔眩しすぎて俺浄化とかされそうな気分なんだが。最後にさっき審判をやった女性騎士(以後審判の人)が一緒に乗り込んできて扉を閉めた。


さすがは王族用の馬車というだけあってか中は予想以上に広々としていた。席は向かい合わせになっていて、俺は進行方向に背を向けるように座っている。左には壁と窓。俺の右隣にカイザが座っている。何か俺が蹴ったとこ痛そうにしてるな。大丈夫かな……?俺の向かいにはユミエル姫が座っていて、彼女の隣(俺の右斜め前)に審判の人が座った。まもなく馬車が動き出した。動き出したんだが……。


これがまた結構ガタゴト揺れるのだ。歩くよりは楽だとは思うが尻が地味に痛いし、すぐ酔いそうだ。ふと横に視線を向けるとカイザが右のわき腹に手を当てながら顔をしかめていた。


「おいカイザ。大丈夫か?」


「ん?あぁ……大丈夫だ、問題ない」


つまり問題あるんですねわかりまs(ry

セリフがすでに死亡フラグなので(ついでに顔がどちらかというと真っ青)骨だか内臓だか(あるいは両方)が残念なことになってると見た。

うーん……。原因は考えるまでもなく俺なので何とかしたいんだがどうすりゃいいんだろーか?


「カイザさん、本当に大丈夫ですか?」


心配顔でそう言ったのは審判の人。口調こそ冷静だが、その実誰が見てもオロオロしていると分かる程にうろたえている。カイザは左手をかざして平気だというように手を振っているが1秒ごとに顔色が悪化していくので、大丈夫じゃないのはもう火を見るより明らか。


「馬車を止めましょう。先生に何かあっては困ります」


審判の人よりは幾分か冷静なユミエル姫。つか先生って。なんだろ?ユミエル姫の教育係りとかもやってんのかな?


と、ここへきてようやく回復魔法の存在に気づく俺。回復魔法=HP回復 のイメージなので怪我を治すという考えに至らなかったのだ。ここがファンタジーな異世界である以上回復魔法を試して見る価値は十二分にある。


「ちょっといいか?もしかしたら治せるかもしれない」


「ホントですか!?」


あぁ審判の人がいつの間にか涙目になってる。


「確証はないけど、たぶん。少なくとも悪化はしないから試す価値はあるよ」


「すぐにお願いします」


ユミエル姫もさっきよりあせり気味だな。そしてカイザの顔色が冗談抜きに深刻なレベルになっている。


「カイザ、ちょっといいか?」


「ん、あ……あぁ……大……丈夫だ……なんだ?」


リアルに大丈夫ではなさそうなのでさっさとやることにする。


治癒魔法(ヒール)!!」


さっき回復魔法って言っただろって?細けぇこたぁいいんだよ!


カイザにかざした俺の手から青白い光が発生し、それがカイザを包み込む。と思ったら光はさらに広がって馬車ごと包み込んだ。せんせー眩しいです。

後日聞いたところによると、あの場にいた騎士全員が光に包み込まれたらしいので、最低でも20~30メートルくらいの空間が包み込まれてたことになる。うん、もうちょっと制御にも気を回さねば……。


30秒位が経過したころに光は収束していき、やがて消えた。あまりに眩しかったので本来ならここで 目がぁぁぁぁぁ目がぁぁぁぁぁ!! とか言いたいところだが、今はカイザが気になるので自重する。


「おいカイザ?どうだ?何か変化ある?」


「………………」


「あのぉ~……カイザ?」


「………………」


返事がない、ただの屍のようd(ry

いやいやいや。さっきの流れでこのセリフはシャレにならない。実際は呆然と自分のわき腹を見つめているだけで、少なくとも悪化はしてなさそうなんだが、心配なもんは心配である。


「旦那~?カイザの旦那~?」


「いや……俺は別に旦那ではないが……」


涙目継続中な審判の人と、ザ・心配顔なユミエル姫と、カイザのわき腹を突っついてみたくなってきてウズウズし始めた俺の3人にみつめられながら言葉を発したカイザは、驚きと、呆れと、少しの警戒心を混ぜ合わせたような表情を俺に向けてくると一言。


「お前の魔力はいったいどうなっているんだ……?」


質問の括りがデカイな。とか思ってどう答えたもんかと思っていると


「カイザさん大丈夫なんですか?」


と、審判の人が恐る恐るといった感じでカイザにきく。


「あぁ……大丈夫だ。……完治……している」


言葉が途切れ途切れなのは、さっきみたいに痛みを堪えてるからだはなく、自分の状態が信じられないといった様子だからのようだ。


「完治!?完治しているのですか!?」


ユミエル姫が大きな声を出した。なんというか、らしくない。それだけ動揺してるということなのだろうか?


「良かった……本当に良かったです」


審判の人は力が抜けたようで、座席にぐったりともたれかかった。


「今のは回復系統の魔法ですか?」


そう聞いてきたのは、何やら真剣な眼差しのユミエル姫。


「俺はこの世界の魔法のことを知らないから系統とか聞かれても困るケド……。怪我を治すための魔法なのは確かだよ」


「そうですか。話しに聞いた通りですね……」


ん?話し?ユミエル姫は俺のこと知ってんのか?いやそんなワケないよな。どゆこと??

そんな俺の疑問は顔に出ていたらしく、そんな俺を見てユミエル姫は姿勢を正すと、さっきよりは柔らかい雰囲気で、でも真剣な眼差しはそのままに話し始めた。


「当初の予定通り話しましょう。私たちのこと。そしてあなたのことも。あなたは、自分がいかに大きな存在であるかを知っておかなくてはなりません。」


どうやら予想通り俺は存在がチートのようだ…………。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回は終わり方がひどいですね。すみません。なるべく早く続きを投稿するつもりです。これからもよろしくお願いします。

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