第七章 大亀のパワー
旅は決して楽なものではなかった。険しい山道や、道を塞ぐ荒くれ者たちが次々と現れる。
しかし、大亀の圧倒的なパワーが、ヒロミチの繊細な技術を補っていた。
ある峠で、武装した山賊たちが二人を囲んだ時もそうだ。
「おい、そこの美人とデカブツ! 荷物を置いていきな!」
「美人……? 僕のことかな?」
ヒロミチが少し頬を赤らめた隙に、大亀が前に出た。
「俺のヒロミチさんに変な色目使ってんじゃねえ! マッスル・プレス!」
大亀が地面を叩きつけると、地震のような衝撃が山賊たちを襲い、彼らは戦意を喪失して逃げ去った。
「助かったよ、大亀くん。でも、無駄な殺生はしないでね。彼らも愛に飢えているだけかもしれないから」
「さすがヒロミチさん、器がでけぇや!」
夜、焚き火を囲みながら、二人は将来を語り合った。
「ヒロミチさんは、どんな『最強』になりたいんですか?」
ヒロミチは夜空を見上げ、トモヒロ師匠の背中を思い出した。
「僕は……力でねじ伏せるんじゃなくて、触れ合うだけで誰もが自分を好きになれる、そんな世界を作りたいんだ」
その頃、遠く離れた道場では、中田が滝に打たれながらヒロミチの残像を追っていた。
「待っていろ、ヒロミチ。俺のバイ・エナジーが完成した時、お前の愛を正面から受け止めてやる……!」
最強のゲイを目指すヒロミチと、彼を支える怪力の大亀。
二人の前には、まだ見ぬ強敵たちが待ち構えている。




