こんにちは、スライム
「ほんとにスライムスタートなんだな…」
仕組みはわからないが、幸いにも喋れるようだ。
「坊やー!どこにいるの〜?」
何かが叫んでいる。
「あら、こんなとこにいたの?さ、森に帰りましょう」
自分より一回り大きいスライムが話しかけてきた。どうやら母親スライムのようだ。
(面倒にならないように大人し従うか…)
「はーい」
「もう喋れるの⁈坊やは賢いわね〜!さっき生まれたところなのに!」
「はい!もう喋れます!」
「じゃあ森に帰りましょうか、賢い坊や♡」
スライムもこんなに会話をするものなのか。野生のスライムはよく見かけたが、喋ってるところなんか聞いたことはなかった。
母親スライムに連れられて森の中に入った。しばらく行くと、土に穴が空いていた。
「ここが私達の住みかよ〜。さ、入りましょう。」
そう言われて穴の中に入っていった。外はまだ昼下がりなのだが、やはり、穴の中は暗い。しかし見えない訳では無い。スライムは割と目が良いようだ。
穴の中で俺は色々考えた。スライムの経験値の上げ方についてだ。やはり人間を倒すというお決まりパターンなのだろうか…そこで聞いてみた。
「母さん、人間って僕らスライムでも倒せるの⁇」
「とんでもない!大抵のスライムはやられるわ。」
やはりスライムなんてそんなものか。と思っていた時、
「でもパパみたいなスライムは人間を倒せるわ。」
確かにそう母親スライムは言った。
「お父さんはどんなスライムなの⁈」
「それはね……あ!パパだわ、パパが帰ってきたみたい!」
ノシン、ノシン、と穴の外から音がする。
穴から出てみた。すると
「お、これが俺達の子供か!」
そう巨大スライムが言った。直径1mの球体のようだ。俺が今直径20センチほどだ。母親スライムは直径50センチほど。デカすぎる、父親スライム!
「あなた、坊やったらとても賢いのよ!生まれて1日も経たないのにもう喋れるの!」
「さすが我が子だ!」
さっきの、人間を倒せるとか言うことを聞いてみることにした。
「父さんは人間を倒せるの⁇」
「農民や弱い兵士くらいなら倒せるぞ!」
中々すごい。スライムは人間に大抵がやられるらしいのだから。
「なんだ、坊は人間を倒たいのか⁇どうしてだ?」
「経験値が欲しいから…」
「経験値?よくわからんが人間を倒すには強いスライムにならないといけないぞ。」
「頑張る!」
「…わかった。坊を強いスライムに育ててやる!覚悟しろよ?」
「うん!」
人間を倒すにはこれが一番近道なのかも知れない。しかし、スライムが強くなるにはどうするのか中々気になる。良い体験になりそうだ。
「我々スライムは成長が早いからな、すぐ坊も頑張れば強くなれるぞ!」
「どれくらい成長が早いの?」
「坊やは今日生まれたから20日くらいで大人になれるわ!」
早い、早すぎる。さすがは倒しても倒しても数が減らないだけはある。スライムの成長、恐るべし。
ただ、気になるのは自分の今のレベルと、経験値がどうやったらわかるかだ。邪竜は魂に刻むとか言っていた。あの眩い空間と同じように、念じてみることにした。
「(俺の強さは…?)」
すると脳裏に
「スライムLevel1 経験値 0」
と浮かび上がってきた。これで自分の詳細はわかるようになった。
「坊、巣に戻ろうか」
父親スライムが言ってきた。気がつけば辺りはもう夕焼けであった。
巣に戻り、家族みんなで眠ることにした。
スライムとしての1日目が終わった。




