マリクの復讐
今回は復習回です
マリクはとことんクズなキャラクターにする予定です
噂話が広まるのは早いもので、俺がマリクとの決闘で勝利したという話は、1週間もしないうちにルビトー全体に広まった。
噂にはヒレが付き、独り歩きするというのも真実のようだった
今日、食糧を買いに街へ出たときに聞いた噂がある
曰く、突如として現れた冒険者が、マリクを一瞬で戦闘不能にした
曰く、マリクの剣を素手で受けた
曰く、マリクの剣を避けた後、拳でマリクを殴り勝利した
曰く、マリクの剣を受けてもビクともせず、手刀でマリクの剣と鎧をぶった切った
etc
噂は勝手に成長し独り歩きするというが、本当のようだな
そんなことを思いながら、家に帰ろうとしていたときだった
「あの時の恨みを晴らす、サヴィーニャ家を敵に回したことを公開させてやる行け!!」
気が付けば、全身甲冑姿の相手に周囲を囲まれていた。
声の主は当然ながらマリクだ
「マリク、決闘は俺の勝ちで終わったはずだぞ。復讐とは往生際が悪いぞ」
「これは復習ではない、偶然通りかかった冒険者にケンカを撃ったカイウスは死亡、連れの奴隷はこれまた偶然通りかかったマリクが保護した、それだけのことだ」
どうやら、マリクの目的はうちの娘たちのようだ、やはりあの時殺すべきだったか...
「カイウス殿、ここは私に任せてほしい。お願いだ」
アリシアのわがままを聞いたのは初めてのような気がする
「良いよ、でも、俺が危険と判断したら加勢する。それでいい?」
「ありがとうカイウス殿。このアリシア、カイウス殿の鉾となり盾となり、敵をせん滅すると誓おう」
「我が主であるカイウス殿に手を出そうというのならば、この私を倒してからせよ。私な逃げぬどこからでもかかってこい」
そう言うとアリシアは宝剣ラーガを抜き、正面に構える
「やっちまえ」
そんな声が聞こえると同時に、全身甲冑の男たちはアリシアに群がる。数は30~40と言ったところだろう
「遅い遅い、そんな程度か、そんな程度で我が主に刃を向けようと言うのか、なんと愚かで浅はかなことか」
アリシアは絶好調だ、一人また一人と甲冑の男たちが倒れていく。
「この女なんて強さだ、全く歯が立たねぇ」
「数ではこちらが優位だ、数で押せ」
いくら数が多くても個々の戦力が低ければ問題視する必要はない。
「失せろゲスども、我が主には指一本触れさせはせぬ」
アリシアがそう叫ぶと剣の刀身が、緑色の光をまとう
アリシアが剣をふるうと同時に、アリシアの周囲に衝撃波が生まれる
どうやら通常の魔法としてではなく、剣の手段として魔法を取り入れているようだ
40人ほどいた甲冑の集団も残すところあと2人となった
「あとは貴様らだけだぞ、貴様らも武人の端くれならば剣を取れ」
アリシアがそういって2人の元へ歩み寄る
「何を笑っているのだ、何がおかしい」
追い詰められているはずの二人が笑っている。恐怖で壊れたわけではない
さらにアリシアが歩みを進めた瞬間、アリシアの右わきにある草むらから、短刀を持った男が飛び出す
だが、そんな攻撃はアリシアに通用するはずもなく、半身でかわされ、膝蹴りをモロ腹に受け悶絶している。
「さて、最後に言うことはあるか」
アリシアの顔が鬼のように変化している
「おいおいどこに行くんだマリクさんよ」
逃げ出そうとしたマリクにバインドを撃ち拘束する。
結局生き残っているのは、短刀を持って襲撃してきた男とマリク
それから最後に残った甲冑の2人だけだ。
それ以外は死んでいるか瀕死の状態だ。
騒ぎを聞きつけたエルマー子爵がやってくる
「何事か、正直にすべて白状すれば罪を軽くするために嘆願状を出してやらんでもないぞ」
エルマー子爵がそういった瞬間甲冑の男2人が同時に真実を語りだした
どうやらこいつらは金で雇われた浮浪者で、俺と殺すために武器とぼうぐをマリクに与えられたらしい。
だが計画は失敗、仲間は全滅とのことだ
「カイウス殿、我が領内の貴族が大変失礼なことをしてしまい申し訳ない。もう帰ってもらっても構わない」
お言葉に甘えアリシアを連れ家へと変える
「アリシア、強くなったな、頼もしいぞ」
「カイウス殿、ありがたいお言葉、私には有り余る光栄だ」
アリシアの顔が少し紅潮しているように見えたが、気のせいだろう
ひとまず家に帰ることを優先した
次回は、貴族の抗争に巻き込まれたり巻き込まれなかったり!?




