プロローグ ~いつか王子様が~
明日の見えなかった僕を。
大人にはなれないはずだった僕を助けてくれた命の恩人が、僕には三人いる。
一人はデゼル。
九歳の時、闇神殿の近くの公園で出会った、闇巫女様。
デゼルと出会えていなければ、僕は今日まで、きっと、生きていられなかった。
もう一人は『白馬の王子様』。
僕、王子様って、お姫様だけを助けてくれるものだと思ってた。
でも――
つらくても、苦しくても、懸命に生きていれば、いつか王子様が助けてくれるんだね。
だって、僕は公子様のものだから。
オプスキュリテ公国の公子様は、困っている公民を助けてくれる、立派で優しい人だった。
僕は公子様に忠誠を誓った。
取るに足らない命だとしても、僕の生涯を懸けて、公子様と、その公国と公民を守ることを、この魂に誓った。
あなたに出会えてよかった。
幼い胸をときめかせた、この素敵な出会いに感謝を――
★☆ 次回予告 ☆★
第29話 公子様は悪役令嬢を諦めていなかった
https://www.alphapolis.co.jp/novel/153000069/781509349/episode/4741181
「ごきげんよう、公子様」
え、うそ。デゼルの挨拶で、この人がオプスキュリテ公国の公子様なんだって、僕は初めて知ったんだけど。デゼル、素敵って言ってたけど、本当に素敵だよ!?
※ 更新予定は活動報告に掲載しています。







