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サイファ ~少年と舞い降りた天使~  作者: 冴條玲
第二章 白馬の王子様
31/72

プロローグ ~いつか王子様が~

 明日の見えなかった僕を。

 大人にはなれないはずだった僕を助けてくれた命の恩人が、僕には三人いる。


 一人はデゼル。                                                                                                     

 九歳の時、闇神殿の近くの公園で出会った、闇巫女様。

 デゼルと出会えていなければ、僕は今日まで、きっと、生きていられなかった。


 もう一人は『白馬の王子様』。

 僕、王子様って、お姫様だけを助けてくれるものだと思ってた。

 でも――

 つらくても、苦しくても、懸命に生きていれば、いつか王子様が助けてくれるんだね。


 だって、僕は公子様のものだから。

 オプスキュリテ公国の公子様は、困っている公民を助けてくれる、立派で優しい人だった。


 僕は公子様に忠誠を誓った。

 取るに足らない命だとしても、僕の生涯を懸けて、公子様と、その公国と公民を守ることを、この魂に誓った。


 あなたに出会えてよかった。

 幼い胸をときめかせた、この素敵な出会いに感謝を――

★☆ 次回予告 ☆★


第29話 公子様は悪役令嬢を諦めていなかった

https://www.alphapolis.co.jp/novel/153000069/781509349/episode/4741181


「ごきげんよう、公子様」

 え、うそ。デゼルの挨拶で、この人がオプスキュリテ公国の公子様なんだって、僕は初めて知ったんだけど。デゼル、素敵って言ってたけど、本当に素敵だよ!?


※ 更新予定は活動報告に掲載しています。

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