夜の町の闇 命のあるように
いきなり独り言に近いですがこちらの前書きもどうぞ。
犯罪者許すまじ。
ただの人殺しは社会的にも許してはいけない。
金は命と同じである。
金がなくては人間は生きていけない。
盗みと人殺しは同じことである。
あなたにとって、正しいと思えることはどれですか?全て選んでも、…全て否定してもかまいません。
ああ、もちろん考えなくても問題ありません。
でも悪って何なのでしょう?あなたは答え、持っていますか?
別件ですが投稿直前で字数増えまくったので誤字等あるかもしれません。
後グロ注意やで
夜の路地裏を歩く。
(「こっちは?」)
いつもは、治安の比較的いい通りを通るが、子供が歩いていると衛兵に捕まるので危険なところを通る。しかも今は夜だから暗い。
「体力、もつかな?」
(「さあな」)
とりあえず歩く。
「おい!ちゃんとしろ!」
「は、はい…」
なんかいきなり物騒な声。
(「子供がいる。ほぼ裸で首輪つけてる。つまり、奴隷?」)
(「そうだろうな」)
そこでは、三歳くらいの女の子が首輪をつけられ、血だらけの虎の死体らしき何かを運んでいた。自分の背丈を上回るそれを背負って。
(「あれは何だろう?」)
隣にある一回り大きな虎が置かれていたが、そちらは毛皮が緑っぽく濁っている。
「おい、お前の飯つくって欲しけりゃ急げ、よっと」
そしてその男はそれを担ぐ。
(「「あ、自分も働くのね」」)
そちらはあんたが持ってくのねー。
ってかなにげに初のハモり。
「ハモり?」
(「ハーモニーに由来して、人と発言が重なることだったか。まあ、ほかの人には通じないだろう」)
こういう問題は考えてなかった。通じるのかこういうスラング?
(「そもそも言語違うしねぇ」)
え?
(「まじ?いつも違う言語使ってた?」)
気にせずにとことこと歩き出してしまっているシャリアに聞く。
(「ううん、時々だね。でもちっちゃい頃はずーっと使ってたから結構分かるんだー」)
なんかこの子は二カ国語しゃべれるようになってました。
うわぁ。
ん?俺言ったっけ?……まぁいいや。
(「しっかしなんで急に大人っぽくなった?」)
(「お兄ちゃんのせいだと思うけど」)
え、また俺は何かやったのか?
(「多分私の方に流れてるのがある。で、私に少し引っ張られたらしくお兄ちゃんの魂も成長した。つまり、私に流れた分も成長して、影響が出たと」)
うーん、わかんない。
まぁいいや。
(「それより、目の前のどうする?」)
「おにーさん、魔物狩り?」
目の前の槍を持ったレザーメイルの男に問う。前にさぁ、何で話しかけちゃうの?
「いやー?奴隷集め?」
奴隷?ってーことは!
(「まずい、槍を斬り落とせ!」)
「はっ!」
光の剣を一閃。しかし、大きく下がった彼に避けられてしまった。
「とっさに動けなかったらまずかったな、こいつは戦闘向きとして売れるな……はぁ!」
こっちも一応避けられたけど、不味いか。
(「変われ。俺がやる」)
「おーけー、魔法も使えるようにしとくよ」
「あ?」
チェンジだ!
「行くぜ!光よ、咲き誇れ!」
いっけぇー!お兄ちゃん動くの速い!どうやったらあんなに速く動けるんだろう?
「なっ…?」
おー、避けて突いて払って。すごい!
「闇よ、包み込め」
お兄ちゃんは闇を使えるんだね。うぅー!くーやーしーいー!
「くっ、…光に命ずる、我を包む夜を払いたまえ!」
うわー、ちょっと長いのにすーっごくしょぼい。
「悪よ、生を消せ」
お?本気だね。邪滅は強すぎじゃない?
「くっあ、あがぁ、っ―――正義よ!我を癒やせ!」
ほえー!正義の治療かー!でも。しょぼいって。
「でも無駄!―――敵を包み込め、悪意を砕け、天の命は表す、花は野にあるように。なれば人も人のあるように、生まれ落ちた人の悪は人の良心こそが咎め正すのだと信ずる」
おにーちゃんすごーい!!……けどさ、残りのエネルギー全部つぎ込んでない?
「光よ、正義よ、ともに征こう!!この殺害が、良心故と信じて!!」
日光の刃を聖癒の力でとことんばらまき、たたき込む。
「戻るよ!」
(「うん!」)
戻った。俺も俺で頑張れるらしいな?
「……怖い」
目の前にあったのは先ほどまで人だった者。
それは今や物である。………トマトジュース、初めて飲んだときの何ともいえない感じ。………………あ、あれ母さんの血入ってたか。
(「無理に見るな」)
刺激が強すぎるからな。
「この殺害が、良心故と信じて、かぁ」
(「そんな言葉気にするな。人殺しが犯罪であることに変わりは無いし、本気で殺しに来てたから殺したけど、あいつがどんなのか俺らは知らない。だから善人を殺したかもしれないんだ」)
ついでに言えば、道徳的な良心という絶対的基準に俺は従って善悪を判断しているけど(俺は悪な。同じ悪だけとはいえ人殺ししてるし)、それが社会、そして、個人個人にとっての善悪と重なるとは限らない。
まぁでも、俺はどうでもいいけど。……おれは、シャリアを守ってやる。ただ、それだけだ。それが生きる理由になる。まぁ多分死ねないけど。
いや、シャリア死んだら俺も死ぬのかな?
(「とりあえず、行くね」)
(「そうするといい」)
とことこと、シャリアはまた歩き始めた。
少し、足に重しがかかったようだった。少なくとも、俺に届いた感覚では。
これからも更新ペースは安定しないと思われますが、よろしくお願いします。




