表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRMMOのキメラさん〜モンスターのスキルを奪える私は、いつの間にか《キメラ》とネットで噂になってました!?【リメイク版】  作者: 水定ゆう
7ー4:月は何を知っていた?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

304/304

◇304 枯れた指

村長さんなりの敬意と嫌がらせ。

 ギルドホームに戻った私。

 正直困り顔を浮かべてしまっていて、瞬きを繰り返す。

 「本当にこれはいいのかな?」と、インベントリに放り込んだアイテムに不安を抱いた。


「どうしたんだ?」

「えっ、な、なに?」

「さっきから黙っているが、なにかあったのか?」


 Nightは文庫本を読んでいた。

 飲んでいたコーヒーを置くと、私を見る。

 やっぱり態度で分かっちゃうみたいで、すぐにボカそうとするけど、全然ダメだった。


「そう言えば変だよねー」

「もしかして、ギルド会館でなにかあったの?」


 フェルノとベルも気が付いてくれた。

 と言うよりも、ベルはちょっと前から気付いてたみたい。

 紅茶を飲みつつ、チラチラ視線を送ってた。全然気が付いてたよ。


「う、うん。ちょっとね」


 微妙な顔をするのは仕方が無いよ。

 唇がフニャリと曲がると、視線がソッと落ちる。

 これは何が正解なのかな? 本当、よかったのかな?


「アキラさん、どうかされましたか? ギルド会館と言うと、この間の依頼ですよね?」

「うん。報告しに行ったんだけどね」


 雷斬はパッと言い当てて来た。もしかしなくても、私がギルド会館で貰ったもの。

 正直、本当に貰ってもよかったのかな?

 報酬が正直怖くて怖くて仕方が無くて、私は嫌な感じがした。


「それで、話を聞いたんだ」

「話? あの最低な村のか」

「最低……って、うん。でもそれは一部だけだよ?」


 確かにミツキミは最低だった。でも昔は現実でも起きていた。

 今でも何処かでは行われているかもしれない。

 呪いとか病気とか、正直よく分からなくなりそうだけど、確かに私も嫌になった。


「それで、どんな話をしたんだ?」

「えっとね……」


 私はミーNaさんから聞いた話を、完全に又聞きで伝えた。

 Night達は真剣に私の話を聞いてくれる。

 眉間に皺を寄せると、「うっ」と嗚咽を漏らす声も上がる。

 結局の所、ウサギ病は体質なんだから、薬を飲んでも治らない。


 ましてやミツキミの人達の体はほとんど獣らしい。

 だから動物用の薬を飲んでも、精々気休めなんだ。

 そんなの治る訳が無い。私達は出来る限りのことはしたんだから、今更言っても仕方が無かった。


「そうか。薬をやめたか」

「でも、後で反感を買うわよ?」

「だろうな。だが、私達には関係無い」


 そう、これは村長さんが独断で決めたことなんだ。

 後、薬を飲んでも治らないって分かってる。

 絶対に治らない体質らしくて、データ上仕方が無かった。



「惨いですね、ミツキミの人達は」

「雷斬……」

「言っても仕方が無いわよ。それより、供養はしたのよね?」


 ベルが話しを加速させた。もうその話題には知っちゃうの!?

 ポカンとした顔をするフェルノは、首を捻った。

 そうだよね。一人だけ気が付いていないもんね。


「ねぇ、なんの話ー?」

「ミツキミで行われていた、悪しき因習だな」


 フェルノには絶対に分からない言葉で伝えた。

 そうだよね。完全に悪しき因習だよね。

 あんなの、残ってたら本当最低だよ。


「因習?」

「閉鎖的な環境下。ミツキミのような村で行われる、独自の仕来りや文化のことだ。風習と言ってもいいな」

「へぇー」

「大抵この場合、閉鎖的な環境下と言うのがネックで、他社との衝突や掟を破った際の厳しい罰則などもある。それこそ、無視されるなんて当たり前だと思った方がいい」

「最低じゃんかー」

「ああ。死んでしまえばいい」


 結構ストレートに厳しい言葉を使ったNight。

 でも今回分かったのは、結局それが引き金何だよ。

 狭いコミュニティで広がった、意味の分からない仕来り。それが原因で、こんな物を贈られるなんて思わなかった。


「それでそれでー、ミツキミではなにがあったのー?」

「えっとね……」

「ウサギ病を呪いと表していたのは覚えているな?」

「うん。覚えているよ」


 待って、待って待って。オブラートに包まないんだ。

 ハッキリと口にすることを選んだNight。Nightっぽいけど、大丈夫?

 私は心配するけれど、フェルノはマジマジと聴いていた。


「そこに答えがある」

「答えってー?」

「あの村では、ウサギ病を呪いだと思い込み、近年まで人間を生贄として捧げることで、ウサギ病を鎮めようとしていたんだ」


 Nightはバッサリ言い切ってしまった。

 あまりにも非情、おまけに最低。ウサギ病を呪いだと思い込んでいたのは分かるけれど、それを人間の命を犠牲にすることで解決しようとした。

 そんなの、出来る訳が無い。そんなことさえ分からなかったなんて、ゲームとはいえ凝り過ぎだよ。


「・・・えっ?」

「そうなるのも分かるが、真実だ」


 フェルノは放心状態だった。

 理解が追い付いていないみたいで、クルクルと頭の上で円盤が回る。

 ダウンロードしているのかな? 時間が掛かっているけど、真実だよ。


「ミツキミでは人間を毎年一人ずつ生贄として殺して血肉を捧げ、神に祈っていたんだ。ウサギ病を鎮めてくれ、とな」


 これは私達の想像の域を出ない。

 でも、限りなく真相に近い真実で、ミツキミでは辺境の村だからこそ、因習が根強い。


 ミツキミで行われていたこと。

 それは村の人を毎年一人殺して、その血肉を捧げる。

 相手は神様。多分だけど、Ma=ンゲツノミコトさんだ。


 神様に祈りを捧げる。そのための供物は生きた人間。

 それでウサギ病を本気で何とかしようとした。

 そんなので治る訳が無い。だって、Ma=ンゲツノミコトさんは知らなかったから。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!? おかしいよーそんなの!」

「おかしくも無い。実際にあった話だ」

「そんなのアニメの中だけで充分だよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!?」


 そうだよ、そんなことで人が死んじゃダメ。

 人じゃなくても、誰だって死ぬなんて間違ってる。

 私は感情が爆発しそうになると、空気が震え出した。

 私の感情の変化に、ゲーム側が悲鳴を上げているのかな? そんな風な感じで、フェルノの想いを私も汲んだ。


「落ち着いてください、フェルノさん。私達ではどうすることもできません」

「そうよ。それに過去の話。大体証拠もないわよね」


 雷斬とベルが制止させる。感情的になっても仕方ないよ。

 だって、結局の所過去の話なんだもん。

 後、証拠? も無い。つまり、真実は深い闇の中だ。


「そうだな。証拠は……」

「それなんだけど、みんな。コレ、見て欲しいな」


 結局証拠は無かった。Nightもそれには目を瞑る。

 でもごめんなさい。証拠なんだけど、多分コレなんだ。

 私はインベントリからアイテムを取り出すと、小さな木箱をテーブルに置く。


「なんなのよ、急に木箱なんて出してきて」

「何処で手に入れたんだ?」

「うん。冒険者ギルドで……村長さんからって」

「村長からか―」


 当然木箱のことが気になったみたい。

 Nightに問われたから冒険者ギルドで受け取ったこと、村長さんからと言うことを伝える。

 みんな薄々感じ取ると、ムッとした険しい表情になる。


「開けてみたのですか? 中身は確認されましたか?」

「う、うん。みんなにも……その、やっぱり」

「いや、いい。開けるぞ」

「あっ、心の準備時無いとダメだよ!」


 中身は一応確認してる。みんなは如何思うかな? 心の中だけで留めるのが一番な気がするけど。

 急に我に返って善性が磨かれると、木箱ごとを引っ込めようとする。

 でも遅い。Nightが押さえつけると、蓋を開けちゃった。中身を見て、みんな悲鳴を上げる。


「「「ひやぁっ!!!」」」

「コレは……」

「うん」


 木箱の蓋を開けた。中には厳重に布で包まれた何か。

 それを剥がしてみると、現れるのは……指。

 しかもただの指ではなくて、子供の、枯れた指が一本だけ入っていた。


少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。押すだけで簡単ですよ。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)


ブックマークやいいねに感想など、気軽にしていただけると励みになります。


また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ