オレと9月の幕が開く
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そして迎えた帰る時間。
オレ含めお客さん4人組が家から持ってきた少し多めの荷物をまとめる。
途中、リュトの靴下が片方見当たらなくなるプチ事件が勃発したりもしたが、洗濯機の奥底から無事サルベージされた。
まとめ終えた荷物を持って表へ。
車のトランクに荷物を詰め込む。
どこか名残惜しそうなリュトの背中を軽く押し、昨日の畑仕事で泥汚れがついた靴を履くように促す。
いざ車に乗り込もうとしたところで後ろからディラが話しかけてきた。
『グリュックくん…………まあ、なんだ……頑張れよ』
『ああ、ありがとう』
『なんだ、たった1日で随分馴れ馴れしくなったな。わはははは!』
笑うディラに内心苦笑いを浮かべていると、続いてレイが口を開いた。
『じゃあねグリュックくん。次来る時はもっとおいしいケーキを焼けるよう頑張るからね』
『ありがとうござ―――――――いや、ありがとう。楽しみにしてる』
『おいしいケーキ!?おばあちゃん、わたしもおてつだいしたい!』
片足だけ乗車したリュトが上体を捻りレイに向かって大きく叫ぶ。
レイが近づいてきて彼女の頭を優しく撫でると、人懐っこい猫のような声をあげる。
『おいリュト、ちゃんと乗りなさい。もう出発するぞ』
グラフに急かされて、リュトが車に乗り込む。
シートベルトをカチッとして、祖父母側の窓を開ける。
『おじいちゃんおばあちゃん、またねー!!』
『おいおい、それは危ねぇって!』
窓から乗り出し、別れを惜しむように手を振るリュト。
動きつつある車の中でその行動は危ないと、オレはリュトの腰を両手で掴んで引き戻す。
『忘れ物はないか?もしあったらめんどくさいぞ』
『多分大丈夫よ。あれだけ確認したんだから。リュトは、ゲームの忘れ物大丈夫?』
手元のカバンを開き、ガサゴソと最奥まで中身の確認をする。
バッと顔をあげて、
『ないーー!!』
と荷物の不備がないことを声高に知らせる。
『それじゃあ行くぞ。またな、父さん母さん』
運転席にいるグラフが窓を開けて両親に別れの挨拶。
アクセルを踏みしめると、車がそれに従って前へ前へと進んでいく。
そして、2つの人影も、やがて家も見えなくなった。
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『グリュック!本当に大丈夫? 忘れ物はないの?みんなとしっかり仲良くできる?』
『なんでオレよりアタフタしてんだよ。大丈夫だって。昨日あれだけ見直しただろ』
『だいじょーぶおかーさん!リュトがついてる!』
『………ふふ、そうね。それじゃあリュトにお任せするわ』
9月某日の朝。
グラフは既に出勤していて不在だが、残る3人が玄関に集まっている。
今日はリュトの通う小学校の始業式。
普段であればここでリュトを見送っている立場なのだが、今回は…………いや、今回からは訳が違う。
『よし!おにいちゃんいこ!』
『わかったよ。それじゃあ行ってくる』
ドアを開けて、リュトと並んで明るい太陽が照らす屋外へと歩みをすすめる。
オレ、グリュック・ヴェイクは、いよいよ今日から小学校へと通う。
――――――第2章「惨劇の予兆」 完――――――
みなさまどうもこんばんは!イロハです!
あるいはおはようございますこんにちは!
今回で第2章、無事完結となりました!
無論、次話からは第3章が始まります。
ぜひお楽しみに!
さて、その3章が始まるにあたってですが、
複数箇所の改稿を検討しております。
場合によっては内容に関わってくる
可能性もありますので、ぜひご確認ください。
改稿箇所は、活動報告又はTwitterにて
改稿する度にご報告しようと思います。
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第3章開幕まで少々間が空くかと思いますが、
気長にお待ち下されば幸いです。
それでは改めて、第2章ありがとうございました!
続く第3章もよろしくお願いします!!
【次回投稿予定日は 2月2日 です】




