一人風呂?
『おとうさん!おばあちゃんがおふろいってきなさいって!いっしょにいこ!』
『わかったよ。だからとりあえず落ち着きなさい』
リビングで携帯をいじっていたグラフにリュトが大声を浴びせる。
電源を切って携帯を机に置き、カバンからパジャマやタオルを取り出す。
『わたしおにいちゃんおこしてくる!』
『待て待てリュト!今日は疲れてるだろうから、まだ寝かしておいてやりなさい』
『むー…………わかった』
どこか不服そうなリュトを宥めながらグラフは風呂場へと歩いていった。
=======================
『グリュック、もう起きなさい。晩ご飯が出来たわよ』
聞きなれた声が鼓膜を震わし、それが脳の覚醒を促してくる。
薄目を開くと、自分のいる部屋の入口にクイラが立っていた。
『起きた?せっかくのピザが冷めちゃうから、早く来なさいね』
そう言い残し、レイを手伝うためにキッチンへと戻っていった。
まだぼんやりと脳にかかるもやを霧散させるようにかぶりを振って、上体を起こす。
少しの仮眠程度に考えていたが、自分の体感以上に疲れていたのだろうか。
夕食前まで眠ってしまっていた。
『―――――――――?』
両腿、両腕に違和感を感じた。
若干張っているように思えたが、早くとクイラにも言われていたので気にせずリビングへと向かった。
リュト、そしてレイのお手製ピザとクラムチャウダーを食べ終えたオレは風呂へ。
リュトとグラフはオレが寝こけている間に入ってしまっていたらしいので、久々に1人風呂だ。
やかましき我が義妹の不在によりって水音が響く浴室で体を伸ばし、1日の疲れを湯船に溶かしていく。
力を抜き、今日畑で聞いたディラの話を今一度振り返る。
会ったばかりの老人の一声で全てにおいて安心できたとは言えないことは間違いない。
それでも、あの言葉には受ければ誰しもが信頼せざるをえないほどの迫力があった。
きっと、大丈夫だ。
温かな湯に包まれてまたしても眠気がやってくる。
「グリュックさーん、静かですけど大丈夫ですかー? 入っても大丈夫ですかー?」
「あー大丈夫大丈夫……………あ?」
暫く聞いていなかった母国語が浴室の外から聞こえてきて無意識に同じ言語で反応した。
この言葉が使えるのは、今この家でオレを除けばクイラ1人のはずだ。
………………しかも今、なんて言った!?
虚ろなままで答えたから聞いてなかった!
「それではっ、お邪魔しまーす」
「おおうわああぁぁぁーーー!!」
そしてオレを侵食してきていた眠気はタオル1枚のクイラによって力強く弾き飛ばされた。
こんばんは!イロハです!
あるいはおはようございますこんにちは!
突然ですが、2つご報告がございます。
まず1つ目。
今現在進行中の第2章、もうそろそろ終わります。
下書きの用紙のほうでは既に書き上がっており、
第3章に入りつつあります。
そして2つ目。
なんと、第2章の章題を変更致しました。
『惨劇の幕開け』→『惨劇の予兆』
細かな変更ではありますが、一応ご報告をば。
ということで、早ければ今月中には
2章がエンドロールを迎えます。
エンドロールに載る名前はイロハ唯一人ですが。
ご報告だけで後書きが終わってしまいました(苦笑)
それでは、また次回もよろしくお願いします!
【次回投稿予定日は 1月12日 です】




