2日目
ヴェイク家に転がり込んで2日目の今日。
オレは特に何をするでもなくダラダラと過ごしていた。
自分ではゆっくりしていたつもりではあるのだが、慣れない屋内での生活ということで傍目に見れば挙動不審感が拭えていない部分もあっただろう。
他3人はというと、リュトは一日中オレについて回っていた。
それはもう動物の子供かと思うほどに。
クイラは午前中に買い物に出かけ、午後からはグラフと共に2階で何やらガッタンゴットンと作業をしていた。
何をしているのか気になったオレはリュトにまとわりつかれながら様子を見に行くと、寝室のベッドを1つ別の部屋へ移しているところだった。
「この寝室は子供部屋にしようと思ってね。お父さんのベッドを移していたのよ」
ということらしい。
「私は長いこと使ってなかった布団を使うから」
どこまでも至れり尽くせりだと思う。
何故自分にそこまでしてくれるのか………と問おうかと考えたが、その親切心を無下にしてしまうのではないかと踏みとどまった。
「オレも何か手伝えることあるか?」
「ありがとう。でも、危ないからリュトと下に戻ってて」
と言われてしまった。
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もうじき日も沈もうかという夕方。
『そろそろ行こうか』
グラフの一言で学校の宿題をやっていたリュトが跳ねながらこちらへやってきた。
新聞を読んでいたクイラも立ち上がり、何やら準備を始めた。
「何をするんだ?」
「みんなで散歩に行くのよ。日曜日の夕方はいつも行っているの」
なるほど、散歩。
リュトが思いっきり腕を引っ張ってくる理由はそれか。
痛いんでやめていただけませんかね………。
『おにいちゃん!おさんぽいくよ!はやくいこ!』
リュトの発言内容はそのテンションからなんとなく察せられた。
オレは立ち上がり、先にグラフの待つ玄関へ向かった。
4人並んで歩き、訪れた場所は例の小川。
今日も今日とて澄んだ水が留まることなく流れ続けている。
オレは川辺にとあるものを発見し駆け寄る。
後ろからリュトもついてきた。
「……………ゲッ」
そこには3人と出会った日にオレが狩っていた魚たちが無残にも放置されていた。
リュトは興味津々といった感じでその魚の群れに顔を近づける。
『にゃっ!』
鼻を押さえてグラフのもとへ逃げ出していった。
そりゃあ炎天下の下で1日半も放置されてたら匂いもでるよな………。
よく見ると何びきかハエも集っている。
思わずこの光景を、腐った食べ物を貪る自分と重ねてしまった。
群れる虫を見て、さらにそれを自分と重ねてもなお何とも思わない程度には、そんな生活に慣れてしまっていたらしい。
正直、今日家族とのんびり過ごしている時間も、退屈でしかなかった。
オレに、そんな平和な家庭は似合っていないかもしれない。
そう思わずにはいられなかった。
そんなモヤモヤした気持ちを振り払うように地面を掘った。
ある程度の深さになった所でオレは集るハエを無視して魚を掴み、穴の中に置いた。
背後で、3人の笑い声が聞こえる。
あの輪の中に入りたい、という憧れがない訳では無い。
だがどうしても、心の中にかかるモヤが、輪に混ざる気にはさせてくれなかった。
「グリュック!こっちへおいで!」
オレを呼ぶ声が聞こえる。
呼ばれ慣れていないはずの名前なのに、自然と反応してしまっていた。
…………本心はやっぱり、あっちへ行きたいのかな。
ふらっと力なく立ち上がり、3人のほうへ歩み寄った。
西の空に浮かぶ、明るく眩しい太陽が家族を温かく照らしている。
その温かさが3人の心を表しているように思えて。
オレは自然と小さな笑みを浮かべていた。
こんばんは!イロハです!
あるいはおはようございますこんにちは!
グリュックが家族に入って何日目とするのか……
基準をどこにするのか迷いましたが、
目覚めた日を1日目としました。
もし分かりにくかったらすみません。
さて、今回はこんな感じで締めます。
また次回のお話もよろしくお願いします!
【次回投稿予定日は 10月16日 です】




