捨て子の毎日
某国某所、とある路地裏。
今日も少年は1人、膝を抱えてうずくまる。
手元にあるものはブルーシート、ゴミ箱から拾ってきた空き缶2つ、道端に捨てられていた新聞紙数冊、腐りかけのリンゴとバナナ、石と石で自ら研いだ石包丁、僅かな現金。
基本的に、大通りに出て物乞いをするか、ゴミ捨て場で食糧を漁るなどして生活している。
時折自ら街から出て近くの川へ行き、小さな魚やカニを捕まえて来ることもある。
そんな生活も既に4年目を迎えようかというところだ。
約4年前、両親が大喧嘩。
そのまま離婚となったのだが、その際、子供は足でまといになったのだろう。
俺はこうして捨てられたのだ。
捨てられる際、かなり遠くまで車で運ばれたことは覚えている。
車を運転していたのはお父さん。
お母さんは今思えばその時既にいなかったのだろう。
着いた場所には見たこともないような建物や食べ物。
「すごい!お父さん!ここはど………こ?」
車から降り、1人駆け出した当時の俺は知らない景色に目を奪われ、お父さんへ目を向けていなかった。
振り返り、お父さんにそう問うた時には、車もお父さんもそこにはいなかった。
しばらくそこで待ってみたが、戻ってくる気配はない。
周りの人に助けを求めてみるも、聞こえてくるのは聞いたこともないような言葉。
共通語すら異なる国まで連れてこられたようだった。
時間が経つにつれ、あくまで‘もしかして’の域を出ないものではあるが、先日の親の大喧嘩などを考えると、薄々と勘づいてくる。
出来れば理解したくないことだったが、脳の回転が無理やりに理解を強要してくる。
「そうか、オレは捨てられたんだ」
とある日の朝、今日は少し寝すぎてしまっただろうか。
早く食糧漁りに行かなければ。
俺は飛び起き、リンゴをひと齧り。
空き缶に溜まっている水を飲み、石包丁を無造作にポケットへ突っ込んだ後、ゴミ捨て場へ向かった。
歩き走りを繰り返し、数分後。
いつものゴミ捨て場に到着。
だがそこに、目的の悪臭漂うゴミの山はなかった。
「くそっ、やらかしたか………」
そうだ、今日はゴミ回収の日か。
回収の順序が最後のここがアウトなら、近場のゴミ捨て場は既に回収済みであることは間違いない。
仕方がない、今から川へ向かうか。
魚が取れれば十分だ。
ダメでも水さえあれば1日くらいなんとかなるだろう。
ゴミ捨て場にツバを吐き捨て、俺は川へと向かった。
こんにちは、イロハです!
あるいはおはようございますこんばんは!
投稿日、1日ズラしてしまいました。
大変申し訳ないです。
そして、この話から2章、幕開けとなります!
1章とは全然似ても似つかぬ始まりになりました。
1章を読んでいただいていた方に
「なんだこれ」
と見放されてしまわないことが目標です(苦笑)
とりあえず第1話、短めですみません。
毎度の如く、キリ付けのためにここで切りました。
また次回もよろしくお願いします。
それでは、さよーならー!
【次回投稿予定日は 9月4日 です】