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第270話 味噌汁の具はある方が良い

 ダンジョンにいるとは思えないくらい快適な目覚めをした俺はスマホの時計を見てまだ起きるには少し早い事に気がついた。

 だがここから二度寝をするには少し時間が足りないので二度寝は諦めて起きる事にした。


 着替えを済ませてダイニングに入るが当然誰も居らず、このままただボーッとしているのもアレなので今日は俺が朝食の準備をする事にした。

 と言ってもやる事と言えば無限収納(アイテムボックス)からおにぎりを取り出す事とスープを温めるだけなのだが。

 時間があるし折角なのでおにぎりを焼く事にした。

 無限収納(アイテムボックス)を漁りお目当ての物を取り出そうとしたところでもう一つ良い物を見つけて俺はコレも使う事にした。


 俺が人数分の焼きおにぎりを作っているとおにぎりの焼ける香ばしい香りに釣られてか、姫姉たちが起きて来た。

「おはよう優くん。朝ごはん作ってくれてたんだね、ありがと」

「おう、今日は焼きおにぎりだぞ」

「焼きおにぎりか、うん良い香り」

「そりゃ俺が無限収納(アイテムボックス)にしまっておいた醤油を塗って焼いてるからな」

「よくそんな物、無限収納(アイテムボックス)にしまっておいたね」

「ああ、色んな物を無限収納(アイテムボックス)に入れて実験してた時の残りだな。醤油に味噌、マヨネーズにケチャップ、あとは納豆とかも入ってるな」

「本当に、そんなに入れてたんだ……」

「探せば他にも色々あると思うぞ。あれば便利だなぁと思って適当に入れていったから多すぎて今何があるか全部は把握してないけど」

「はぁ、それはダンジョン探索が終わってからにしてよね。まぁ取り敢えずは朝ごはんにしましょ」

「だな、ほら味噌汁もあるから喜べ!」

 俺が無限収納(アイテムボックス)から見つけたもう一つの良い物とは味噌のことだった。俺はそれとコレも無限収納(アイテムボックス)にあった鰹節で味噌汁を作ったのだった。

「わーい優くんだーい好き♡」

 俺はお椀に味噌汁を注ぎ入れて姫姉に手渡した。

「……優くん?」

 手渡された味噌汁を見て姫姉は不満そうに俺に視線を送って来た。

「言いたいことはわかる、だが何も言わないでくれ。それしか無かったんだ」

 そう味噌汁に入れる具が無かったのだ。ちゃんと鰹節で出汁自体は取れていて味に問題は無かったが、いかんせん調味料系統しか無限収納(アイテムボックス)に入れてなかったために具無し味噌汁になってしまった。


「はぁ、まぁ無いものは仕方がないわね。一応味はちゃんとしてるし今回は見逃してあげる。だけどダンジョンから帰ったら味噌汁の具、買いに行くからね」

「はい」

 そうして俺たちは少し豪華な朝食を食べて身支度を済ませてから五十九階層に足を踏み入れた。

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