【第二十五章】 別れと誓い
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AJを取り逃がし、キャミィさんを救うことに成功した僕達は【夢見の泉】なる謎の空間から離脱し、そのまま孤島を離れた。
もう何度目になるか、エレマージリングによってサントゥアリオ水軍基地に飛び、そこから船で港に向かう流れとなる。
そして上陸した後は出発前とは違い全員で本城へと戻り、四カ国の同じメンバーが一堂に介することとなった。
結界針柱を設置するべく朝早くにこの国を出たわけだけど、時は流れに流れもうとっくに昼を回っている。
要した時間も方法も想定外になっていることは間違いないが、それでも世界が破滅の危機を脱したのなら何も言うことはない。
サロンと呼ばれている会議室のようでもあり談話室のようでもある部屋に集まった僕達は言わずもがなクロンヴァールさんの仕切りでキアラさんやセミリアさんといった居残り組へ事の顛末を説明し、続いてキャミィさん自身からも色々と話を聞いた。
同時進行で各地に人を送り、【人柱の呪い】が消失していることも既に確認したという連絡を受けている。
魔法陣は消え、効力を失った錬成針柱は全てを回収したということのようだ。
肝心のキャミィさんからもたらされた情報についてだが、言ってしまえばほとんどAJに聞いていた話との違いはなかった。
例の【天帝一神の理】として派遣され、ナディアのお母さんのためにナディアを救うべく裏で神に背いて動いていたこと。
自らが人柱であることも、他の構成員についても口外することを禁じられていたことに加えて仮にそれが許されていたとしても自らが死ぬことでしか発動を阻止する方法がない以上は同じ選択をしただろうと、キャミィさんは淡々と語った。
なぜ神の意志に反する道を選びながら命令に従い口を閉ざしたのかということに関しては、手法は不明であるが【制約】と呼ばれる何らかの力によって黙秘を強いられていたとのことだ。
だからこそ争いの渦中にある国に助けを求めることも出来ず、天界との関係上フローレシア王国を頼ることも出来ず、どちらの条件にも当て嵌まらないグランフェルト王国にいる僕を訪ねてきたということらしい。
敢えて僕であった理由としてはサミットの時に命からがらナディアを助けたことがあったがゆえに誰か一人を選ぶのだとしたらこの人しかいない、と考えたのだとか。
明かせないながらも他の【天帝一神の理】は間違いなく今後また神の命令に従って動くことはないとのことで、死んだブラックという男だけではなくAJやキャミィさんも今日をもって神の支配下から外れ、他の二人に関しても戻ることはないと断言出来るとまで言ったのだから少なくとも誰とも分からない何者かの影に怯える心配はないと見てよさそうだ。無論、別の構成員を送ってきた場合には事情は変わってくるのだろうけど……。
その辺りの問題もさることながら無事にナディアが生存した上で全てが終わった暁にはせめてものお礼としてあの左腕の門を僕に残そうとしていたというのだから本当に間に合ってよかったという感じである。
意味合いがお礼から形見に変わってしまっているような品物なんて受け取れるわけがない。
幸いにも直前でそれを預けていたAJに『やっぱりボクの手から渡すのは反則だと思うんだ』と突き返されたという話なのでそればかりは底知れない人物から謎だらけの存在へとなってしまった彼に感謝してもいいのかもしれない。
とまあ、そんな話を長々として、それからは主に今後についての話し合いに時間を割いた。
あのラークとやらの鍵は僕の物とキャミィさんの分とで二つある。
ひとまずはそれぞれが持っておき、どう扱うかは後日国際会議で決めるとのことだ。
どう考えても日本に持って帰ってしまうとややこしくなりそうなので僕のは即決でセミリアさんに預けることにした。ジャックに渡しておくとのことだし、国王代理であることを考えるとそれが最善だろう。
こうして一時間か二時間か、随分と時間が経ったように感じる話し合いも終わりを迎えようやく解散することに。
誰一人例外なくこの数日で心身共に疲弊しきっているということもあってキアラさんは食事や部屋の提供を申し出てくれたが、どの国も主要な人物ばかりが集まっているためいつまでも不在のままにしておくわけにはいかないと固辞することを選んでいた。
各地に派遣している兵や陣の撤収、武器兵糧の移送に時間が必要なためクロンヴァールさん達だけが港の船に戻り明日の帰国にするという話だ。
それでも城で寝泊まりすることを避けたのはこの国がこれからどれだけ大変になるかを考えると無遠慮に居座ってはいられないという判断なのだろう。
そんなわけで僕とセミリアさんもキアラさんやコルト君との別れを済ませユノ、シルクレア勢と共に港へ向かった。
しばらくが経って何事もなく到着すると、シルクレアの面々は特に見送るでもなく労いの言葉をくれるでもなく短い挨拶だけを寄越してさっさと船に乗り込んでしまったため港には僕達とユノの四人だけが残されている。
ちなみにだけど、あの巨大な鳥で国を出ることにしたらしいフローレシアの連中とは城で別れている。
その際にどういう遣り取りがあったのかは知る由もないが、ここに一緒にいるということはキャミィさんは今まで通りナディアに仕えることになったのだろうか。
シロだけが『コーヘ、またね』と挨拶をしにきてくれただけで他の三人とは別れ際に会ってすらいないためその辺りはさっぱりである。
あれだけ複雑な理由があった以上は気軽に聞いてみるのも空気を読めていない気がして躊躇われるだけに尚更だ。
そういった事情もあって港には僕とセミリアさん、そしてユノ勢だけが肩を並べている。
ありすぎたぐらいに色々あったけど、あとは船に乗り込んで国に帰るだけ。それすなわち、別れの時だ。
苦楽を共にしてきたというか、生死を共にしてきたというか、命からがらで過ごしたこの数日間を振り返り語り合うには五分十分では到底足りない。
どう締め括り、どんな別れの言葉が適切かとそういう雰囲気になる前に考えようとしていた僕だったが……予想に反してあっさりと散り散りになってしまっていた。
ウェハスールさんがセミリアさんに短い挨拶をし、キャミィさんが同じくセミリアさんにのみ軽く会釈をすると、エルを含めた三人はそのまま船に乗り込んでいく。
「…………」
あれ~? 僕には一言も無し?
ナディア以外の二人ともそれなりに仲良くなったと思っていたのに、それはちょっと薄情過ぎやしません?
と、若干……いや、そこそこショックを受けたりしたわけだけど、唯一残ったナディアがその行動の意図を理解させてくれたことで虚しさはすぐに消え去った。
「勇者様、少しコウヘイ様をお借りしてよろしいでしょうか? 今日までのお礼に渡したい物があるのです、そうお時間は取らせませんので」
にこりと笑って、ナディアはそんなことを言った。
ああなるほど、別で挨拶を交すタイミングを作るからってことだったのね。
セミリアさんが快く承諾すると、ナディアはお礼を述べるなり「さあこちらへ」と僕をユノの船へと促した。
僕も待たせてしまうことを一言詫びて言われるまま外付けの階段を登り小さな帆船へ乗り込むと、後方に建つ小部屋の方へと歩いていく。
その扉の前には、ウェハスールさんとエルが立っていた。
「弟、ほんとに一緒に帰らないの?」
僕を見るなりエルは若干不満げにそんなことを言った。
ふっ、いつまでもそうやって自分が姉のつもりでいるといいさ。ウェハスールさんですらエルが末妹だと認めていることも知らずに。
「あらあら、エルはそっちの方がいいのかしら?」
「うん、せっかく出来た弟だし一緒の方がいいかな」
「コウちゃん、そのつもりがあるならうちで一緒に暮らしてもいいんですよ~?」
「そう言ってくれるのは嬉しいですけど、僕も一応は国を代表して出てきた身ですから。戻った後もあれこれと忙しいと思うのでそういうわけにも」
「そっか~、じゃあ絶対遊びに来いよっ」
「うん、今度いつ会えるか分からないけどエルも元気でね。勿論姉さんも」
「離れていてもコウちゃんがわたしの弟であることは何も変わりませんからね~、何か困ったことがあったらすぐに手紙を送るんですよ~」
ウェハスールさんはいつにも増して優しい笑顔で僕の頭を撫でる。
結局最後まで姉だったり妹だったり弟だったりのままになっちゃってるけど、これもまた確かに育んだ一つの絆なのだろう。
照れ臭いながらも黙って撫でられているうちに頭上から手は離れ、ウェハスールさんはエルと手を繋いだ。
「さて、あとは姫様の時間だからわたし達は下に行ってましょうね~エル~」
「分かった。じゃあ弟、元気でなっ」
一方的に言い残し手を振ると、二人はそのまま階段を下り内部へと消えていく。
操舵手を除けばデッキには僕とナディアの二人が残る格好となった。というか、キャミィさんはどこに行ったんだろうか。
「さあ王子、中へどうぞ」
見渡すもその人物の姿はなく、それでいてナディアは特に気にしていないらしく扉を開け僕を先に室内へ入れた。
広くはない部屋に二人、向かい合う空気はどこか哀愁を帯びている感じがするのは気のせいではあるまい。
何よりもそう感じさせるのは目の前にあるナディアの無理をして作っているのだろうなと分かる控えめな微笑だ。
「それで、渡したい物というのは」
あまりしんみりし過ぎるのもどうかと、敢えて自分から切り出してみる。
「申し訳ありません、あれは口実なのです。どうしても二人きりでお話する時間が欲しくて……」
「あ、そうだったんですか」
「王子……改めて礼を言わせてください。今日に至るまで、わたくしを守ってくださり本当にありがとうございました。どれだけ感謝してもしきれないことは重々承知しておりますが、それでも言わずにはいられません。あなたがいなければわたくしはとうに死んでいたことでしょう。それだけではなくレイラと……誰よりも長く共に過ごしてきた大切な家族と……二度と会えなくなるところでした」
徐々に声は上擦り、最後には震えてさえいた。
それどころか返す言葉を探す間に両目からは涙が溢れている。
「決して一時の気の迷いなどではなかった……わたくしの目に狂いはなかった……今ならばはっきりと断言出来ます、わたくしの人を見る目は確かだったと……やっぱりあなたは…………わたくしの王子様でしたっ」
その瞬間にはナディアは勢いよく突っ込んできていた。
反射的に受け止めるも、両腕を背に回され力強く抱き付かれているためびっくりしているだけで動くことも出来ない。
密着する体からは小さな震えが伝わってきていて、嗚咽を漏らすその姿からも今日までをどんな思いで過ごしてきたのかを現わしているような気がして、もしかするとこんな風に涙を流す姿を人に見せないためにわざわざ個室で話がしたいと申し出たのかもしれないなと、同時にそんなことを思った。
気丈に振る舞い、決して弱さを見せない。
それが王としてのあるべき姿なのだとしたら、十代にして一国の王になるというのがどれだけ大変なことなのだろうかと今更になって痛感させられる。
「ナディア、確かに辛いことや悲しいことだらけだったけど……キャミィさんも無事だったんだからさ、泣かないで」
「そうではありませんっ」
突如として声を荒げたナディアは顔だけを体から離し、僕を見上げる。
そしてボロボロと涙を流すその表情をどこか拗ねた様なものに変えて、こう言った。
「あなたと離れ離れになることが……何よりも耐え難いのです」
「あー……」
そういうこと、か。
「辛いです……寂しいです……許されるならばあなたと共に行きたい……叶うならばこのままあなたを連れ去ってしまいたい……ですが今のわたくしにはまだユノ国王という立場があります。全てが終わったからこそ、国に戻りやらなければならないことが山程あるのです」
「うん……それは、そうだろうね」
「責務を果たしたその時には、必ずや王子の元に戻ります。どうかそれまでお側を離れることをお許し下さい」
そこでナディアは背に回していた腕を離したかと思うと僕の頬に両手を添えた。
目の前にある涙で可憐さが増した泣き顔は目を閉じていて、まさかと思った時には引き寄せられるままに唇と唇が触れ合っていた。
「…………」
「…………」
驚きのあまり思考が停止する五秒程を経て、ようやく両手と唇が離れる。
それでも咄嗟に言葉が出ない僕を他所にナディアは口に手を当て、照れた様に笑っていた。
「うふふ、生まれて初めてキスをしてしまいました。こんなにも心が満たされるものなのですね」
「いや……あの」
「離れていても心はあなたの元におります。傍にいられなくともあなたのことを想い続けます。だからどうか、その時までお元気で」
ナディア最後ににこりと笑みを浮かべる。
そしてそのまま外へと誘導され、無様にも気の利いた挨拶も出来ないままに部屋を出されてしまった。
曰く「離れていくお姿を見送るとまた心が揺れてしまいそうなのでここでお別れとさせてください」とのことだけど……何かもう、相当格好悪いな僕。
「はぁ……」
まだドキドキしているままだし、情けない自分への自己嫌悪もさることながら放っておいたらこのまま知らぬ間に婿養子にでもなっていそうな気がするのも問題だ。
離れ離れになり、時間が経てば多少は冷静になってもう少し段階を踏むべきだと考え直してくれたりするだろうか。
「あ」
無人の船上をトボトボと歩きながらそんなことを考えていると、ふと目に入った人影が足を止めた。
昇降口の脇に立っていたのは、先に船に乗り込んでからというものどこにいるのかも分からないままだったキャミィさんだ。
今度こそちゃんとした別れの言葉をと口を開き掛けるも、これまた思いも寄らぬ行動に第一声は形を変える。
「あ、あの、キャミィさん?」
片側の拳と膝を床に当て跪く姿に戸惑うことしか出来ない。
なんだかさっきから困惑してばかりな気がするんだけど……。
「コウヘイ様、あの日より今日までの全てに感謝の意を。どれだけの言葉を並び立てたとて到底足りぬことは分かっておりますが、それでも言わせていただきたく存じます」
キャミィさんはナディアと同じ様なことを言うと、跪いたまま頭を垂れる。
「二人が無事だったのなら僕はそれでいいですから立ってください、僕は僕に出来ることをやろうとしただけですし、元を正せば命を救われた恩があったのもこちらの方なんです。だからお礼なんて」
「いえ……そうはいきません。貴方様は無理難題を聞き入れ天子様をお守りくださいました。それだけではなく捨てたはずのこの命までをも、お救いくださったのです。どれだけの感謝を以てしても、どれ程の行動を以てしてもこの御恩を返すことなど出来ようはずもありません。私は当初、貴方様が我が望みを叶えてくださった暁には謝礼にこの左腕の門を献上するつもりでおりました……ですが望外に生き存えた今、許されるのであればそれを撤回させていただきたいのです。この武器を手放してしまえばこの先貴方様に仕えるには少々心細くあります、無論例え丸腰であっても必ずやその御身をお守りする所存ではございますが」
「まあ、僕は戦うことも出来ませんし門を扱うことも出来ないので最初から遠慮するつもりだったので何も問題は……って、え? 今何と仰いました? 仕える?」
「は、此度の全てに於いて私は返しても返しきれぬだけの大きな恩を受けました。なればこそ、私は貴方様にお救いいただいたこの命を以てその御恩に報いるつもりでおります。我が命が尽きるその時まで貴方様の剣となり盾となり、如何な望みをも叶えてみせましょう。我が君、身も心も、命や時間も、意志や感情も、今この時より私の全てを貴方様に捧げます。どうかご自身の一部として思うままに扱われますよう」
「わ、我が君って……ちょっと待ってください。それはさすがに大袈裟すぎますって、何もそこまでする必要はないですからちょっと冷静になりましょう」
「ご配慮には痛み入りますが、これは私が自分で決めたことです。既に天子様にも相談済みですゆえ、どうぞ他人行儀なお言葉使いもおやめください」
「いや、だから……」
「とはいえ私も天子様と同じく一度はユノやフローレシアに戻らなければならない身……当面はお側にて仕えることは叶いませんが、その後は必ずや貴方様の元に。どうかそれまでご健勝であられますよう」
一方的に言いたいことを述べ続けるキャミィさんは最後にまたナディアと同じ様なことを言って立ち上がると「それでは一旦失礼します」と一礼し、そのまま背を向け立ち去ってしまう。
なぜこうもこっちの話を聞いてくれないのか……よもや、僕が断ることを予想した誰かの入れ知恵があったのではなかろうな。
断る隙を与えなければ大丈夫、的な。主にウェハスールさん辺りの……大いにありそうだ。
「はぁ……」
一人になった船の上で、また溜息が漏れる。
何だ我が君って。
どうして僕がキャミィさんにそんな風に呼ばれることになるんだ。
もうわけが分からない、どんどん迷走して立場や立ち位置がおかしなことになっていってる気がするんだけど。
「……戻るか」
いつまでもここで嘆いていても仕方がない。
そんなわけでまたトボトボと歩いて階段を下り、陸地へと足を進める。
律儀にもセミリアさんは先に船に乗り込むことなく同じ場所で僕を待っていた。
「すみません、お待たせしました」
「なに、構わぬさ。贈り物はお気に召したか?」
「特に何かをいただくようなことはありませんでしたよ。単に別れの挨拶をそれぞれと交したぐらいです」
実際には相当『それだけ』ではなかったけど……それは後でまた相談しよう。
「そうであったか。マリアーニ王もコウヘイと共に艱難辛苦を乗り越え命があるのだ。キャミィ殿も然り、お主には大層感謝していることだろう、無理からぬことだな」
「そこまで恩だの感謝だの言われると逆にこっちが申し訳なくなってくるんですけどね……」
「コウヘイらしい言い草だな、もう少し自分がどれだけのことをしたのかを理解してもよいだろうに」
「やっぱり……僕が変なんですかね」
「少なくとも、それがコウヘイという男であることは私が一番よく知っている。今更無粋な押し付けをしようとは思わぬさ。お主はそのままでいい、いつまでもな」
「そう言っていただけると助かります。最近じゃもう何が正しくて、どうすることが正解なのやら分からなくなりつつあるだけに」
「前にも言ったことがあったが、コウヘイは自分が正しいと思える道を、己が信ずる方向へ進めばよい。誰が何と言おうとも、私はその道を共に歩もう」
「……はい」
なんだか別の意味で泣きそうになってきた。
こうやって無条件で信じてくれる人がいるというのは、争いを繰り返すこの世界で過ごす中にあってどれだけ心強い存在であることか。
疑う必要のない信頼や絆がある仲間。
そういった物がなければ僕だってとうに死んでいただろう。
「さあ、私達も帰るとしようか」
「そうですね。あ、そういえばシルクレアの人達は結局いつ帰るのかご存じですか?」
「明日の朝に船を出すと聞いた、それまでは港に停泊しているだろう」
「だったら一度グランフェルトに帰ってからまたここに戻って来たいんですけど構いませんか? ちょっと行きたい場所があって、僕じゃアイテムでの移動が出来ないので同行して欲しいんです。勿論キアラさんの許可は貰っていますので」
「それは構わぬが、一体どこに行こうというのだ?」
「クーハス村です」