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ハーレムしながら異世界動画配信!  作者: 小説書こう


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1話プロローグ

うおw明る!俺なんでこんなゴージャスな場所にいるんだっけ?



数時間前、


「おいおいお前ら、マジでここヤバいわ。空気激重w」


俺はスマホのインカメラに向かって、引きつった笑みを浮かべていた。

オカルト界隈で「絶対に近づくな」と噂される曰く付きの廃墟。その庭の奥にポツンと佇む、苔むした古井戸が今夜のメインディッシュだ。同接続数は過去最高を叩き出している。コメント欄のタイムラインがものすごい速さで流れていく。


『マジで行くの?』

『後ろ、なんか映ってない?』

『釣りだろwww』

「釣りじゃねえって!ほら、今から井戸の中映すからな? 覚悟しろよw――」


スマホを恐る恐る井戸の縁へと突き出し、暗黒の底を覗き込んだ、その瞬間。

背中に、冷や汗がドッと噴き出すような異様な気配を感じた。

振り返る暇すらなかった。

――ドンッ!!!

信じられない力で背中を押され、俺の身体は宙に浮いた。


「え、ちょっ、うわあああ!?」


視界が激しく回転し、直後、身体が硬い地面に叩きつけられる。

バキッ、と嫌な音がして、右足と脇腹に焼けるような激痛が走った。


「痛え!足が、動かねえ…っ!誰か、助け……」


スマホのライトが虚しく天井を照らす中、あまりの激痛に意識が急速に遠のいていく。

冷たい井戸の底で、俺はそのまま完全に気絶した。

――ハッと目が覚める。


「痛っ……あれ? 痛くない?」


身体を動かそうとすると、全身を襲うはずの激痛が消え去っていた。それどころか、背中に感じるのは冷たいコンクリートではなく、信じられないほどフカフカした極上の柔らかさ。

ゆっくりと目を開けると、視界に飛び込んできたのは、見たこともない高い天井と、きらびやかに輝く巨大なシャンデリアだった。


「うおw明る!俺なんでこんなゴージャスな場所にいるんだっけ?」


混乱する頭のまま起き上がると、そこはまるで中世の王城のような、豪華絢爛な大寝室だった。

「海外?いや待て待て、海外にしたってここ高級ホテルじゃねえだろ……天井のシャンデリア一個で俺の家賃10年分いきそうなんだが」


俺はベッドから降りて、キョロキョロと部屋を見回した。足の痛みは完全に消えてる。むしろ跳ね回りたいくらい体調がいい。これマジで怪しい。

その時、ドンッと重い音を立てて扉が開いた。


「お目覚めでございますか勇者様!」


入ってきたのは、完璧すぎる銀髪美少女メイド。スカートの丈が明らかに「サービス精神」で調整されてるやつ。胸元も「勇者様、遠慮なくどうぞ」と言わんばかりの破壊力。

俺は思わずスマホを構えた。


「うおっ!マジかよ!wコメント来てる!?」


画面を見ると、配信はなぜかまだ繋がったまま。視聴者数は過去最高を更新中。


『草www異世界転生キタコレ』

『メイドさんエロすぎんだろ』

『主人公の寝間着がレース付きなの誰の趣味?』

『足の骨折どうしたwww即全回復チートじゃん』


メイドさんが優雅に一礼しながら、俺の顔をじっと見つめてくる。


「勇者様……お身体の具合はいかがですか? 井戸よりお迎えした際、少し乱暴にしてしまいましたが……」

「少し!? お前が押したのかよ! 俺死ぬかと思ったわ!」

「申し訳ございません。でも神託に『背中を全力で押せ』とありましたので」

「全力ってレベルじゃねえよ! プロレスラーかよw」


俺がツッコミを入れると、メイドさんはにこっと笑って手を叩いた。


「あ、私わたくし忘れていました。」

「え?なにをw」


その言葉に俺は少し期待してしまうw


「国王が「この度の勇者は可愛いか?」と興奮していましたよ」


その瞬間、俺に悪寒が走る。まじかよ、国王そんな趣味あんの?口癖がwの俺でも今回は笑えん。だって掘られかねないもん。その瞬間、俺は気づいたら現実世界から持ってきていたカバンを持ち出す。そして、駆け出し、部屋から出る。廊下に出た瞬間、予想外の豪華さにまた目がくらんだ。

絨毯がフカフカすぎてスリッパいらねえレベル。壁に飾ってある絵画は全部俺が知らねえ美少年ばっかり。完全に国王の性癖が滲み出てるわこれ。

「うわっ、なんかヤバい空気w みんな見てる? 俺今、異世界の変態王に狙われてるらしいんだけど!」


スマホのコメントが猛烈に流れる。

『草www国王の趣味バレ』

『レース寝間着の黒歴史確定』

『主人公逃げ足速すぎだろwww』

『これは逃げ切れるか?』


走りながら角を曲がった瞬間だった。衛兵と思われるようないかにもな甲冑を着込んだ兵士達が駆け寄ってくる。


「待たぬかー!」

「やっべー!w」


即座に体を反転し、違う道の廊下を駆ける。

そうやってなんとか追いかけっこを繰り返してる内にでっかい正門前までやってくる。


「おいおいwこれ、絶対出口だろwさてと、このドアを開けてさっさと異世界ライフ堪能しちゃいますかw」


と門を押し込む。

あかん、開あかんわ。


「まずいって、こんなんしてる間にも衛兵こっち来てるって!」


俺はスマホを顔の前にかざして、コメント欄を必死にスクロールした。


『逃げろ! 後ろ!』

『能力とか備わってるんじゃない? 勇者なんだから』

『ステータス開いてみろ』

『ファイアーボール打ってみ?』

『とりあえず叫べ! 「俺最強」って』


「は? 能力!? お前らマジで期待すんなよ! 俺ただの廃墟廃人だぞ!?」


とりあえず試してみるか……と軽い気持ちで右手を前に突き出した。


「えっと……ファイアーボール!」


何も起きない。


「ライトニング! ……サンダー! ……爆裂魔法!」


やっぱり無反応。手から火の粉一つ出ねえ。

虚空に向かって叫んでも何も表示されない。

衛兵の足音がどんどん近づいてくる。もう30メートルもない。


「はぁはぁ……編集できればな……。ここカットして外のシーンに飛ばせたら最高なのに……」


俺はふと自分の言葉にハッとした。

編集……カット……?

スマホを握りしめ、門に向かって全力で叫んだ。


「カット!!!」


その瞬間、門がバラバラに裂けた


「……マジかよw」


コメント欄が大爆発した。


『は???』

『編集能力きたああああ!』

『主人公動画編集者だったの!?』

『カットで現実操作とかチートすぎだろwww』

『これからは全部「カット」で解決しそう』


でもそんなことより、俺は興奮で叫んでいた。


「うおおお! マジで編集能力じゃん! これ使えば配信映えしまくんじゃね!?w」


俺は城の外の平原へ走り出した。

振り返ると、メイドがこっちに振り上げながら向かって走ってくるのが見えた。しかも真顔でだ。


「うおー!!!はっや!!!www」

「お待ち下さーい」


俺は必死に走りながらスマホを構える。息切れしまくりだ。

コメントはもう大祭り状態。

『メイドさん本気で走ってるwww』

『サービス精神ここで発揮すんな』

『逃げ切れないwww』

結局、平原の真ん中あたりでメイドに捕まった。

彼女はぜえぜえ言いながらも、優雅さを保とうとしてるのがなんか面白かった。


「勇者様……はぁはぁ……逃げないでください……私の給料が……」

「給料!? お前も社畜かよw」


俺は現実世界では社畜をしながら、空いた時間で配信をしていた。

彼女の目が完全に死んでた。社畜の目だ。

俺はスマホを向けながら聞いた。


「じゃあ……俺についてくか?異世界放浪配信の旅とか……」


エレナは一瞬キョトンとしてから、ぱっと顔を上げた。


「本気ですか? ……給料、出ます?」

「出ねえよ!ただの逃亡配信者だぞ!でも飯は奢るし、面白いとこ連れてくぞw」


するとエレナはスカートの埃を払い、なぜか嬉しそうな顔をした。


「では、今日付けで転職します。勇者様の専属メイド……じゃなくて、旅のサポートとして同行させていただきます。……正直、国王よりあなたの方がマシそうですし」


その瞬間、スマホの画面に派手なエフェクトが走った。

【仲間加入!】

エレナ(元メイド長 / 編集アシスタント候補)

スキル:家事全般・毒舌・意外と足速い

『仲間増えたwww』

『メイド強奪成功』

『これハーレムじゃなくて社畜救出配信じゃん』

『エレナ可愛いけど目が死んでるの好き』

どうやら視聴者にも見えてるらしい。

俺はニヤニヤしながらエレナの肩を叩いた。


「よろしくな、エレナ。……俺はとりあえずそこの木でカバンの中の着替えに着替えるよ……」

「お気の毒さまです」


始まりは最悪だが俺の異世界ライフが始まった。


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