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ダンジョン経営勉強中。  作者: イマノキ・スギロウ
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第022話「北方より来るもの」

 新展開を考えようとするとどうしても今までの展開が頭に浮かんで、被ってしまう。

 ダンジョン掲示板で銃火器を手に入れられる事を知った大地は水橋と協力し、急ピッチで軍備増強に乗り出していた。そのために、DPが溜まるたび、モンスターの数を増やしたり、必要な物を購入リストから手に入れたりと、DP貯金をする暇がないくらいにあるだけのDPをつぎ込んでおり、そのおかげで、現在ではほぼ軍隊と呼べる代物が出来上がりつつあった。


「大地さん、なに書いてるんですか?」 


「おう、今このダンジョンにある戦力を書きだしてたんだ。大分大きくなってきたし、整理しとかないとわかんなくなりそうだからな」


「たしかに、今自分の手元にあるモノを把握しておくのは大事ですね」




 ~大地のダンジョン 戦力表~


【ゴブリン部隊】 各部隊の隊長はホブゴブリン。

 近接戦部隊 300体

 クロスボウ隊 110体 

 ホブゴブリン鉄砲隊 50体 

 ホブゴブリン大砲部隊 30体 


【オーガ部隊】

 接近戦部隊 20体 


【アウラウネ部隊】各部隊の隊長は上位個体の一つへと進化したローズアウラウネ。  

 擬態部隊 50体

 他、   30体



 新しく大地がガチャで手に入れたモンスター


【レッドバット】各部隊の隊長はすべてセブルティスが兼任

[見た目は真っ赤なコウモリに酷似しており、体長は人間の子どもくらいの大きさがある。ちなみに吸血もするが、肉食でもある] 


 飛行偵察・強襲部隊 40体



【ドラゴンバード】現状はムラサメ隊がすべて管理 

[頭が竜のそれで身体が鱗におおわれたダチョウのような身体をしている。羽だけは竜のモノと言うよりもまだ鳥のそれに近い為、バードと呼ばれている]


 10体


    

【低位悪魔 エステラ】


 [所持スキル・魔法]


 剣術スキル【斬風】【撃震斬】 防御スキル【アイアンガード】 

 魔法 火炎魔法【マジックボム】他多数、 回復魔法【ヒール】【ハイヒール】



【バンパイア セブルティス】


 [所持スキル・魔法]


 回復スキル【超速再生】【ブラッディドレイン】 特殊スキル【霧化】【闇化】  

 魔法 特になし  


【アイアンゴーレム ムラサメ】


 [所持スキル・魔法]


 剣術スキル【斬風】  特殊スキル【形状変化】


 魔法 光魔法【シルバーフラッシュ】


 その他備考 現在のムラサメ隊 10体 





「だいぶ充実してきましたね」


「あとはここに水橋のスライム軍団も加わるからな、前に来た攻略部隊以上の数になるな」


「ですね、あ、そういえば水橋さんがなんか新種のスライムが誕生したって喜んでましたよ」


「お、そうなの? じゃ後で見に行こう」


 そうしてその日の午後は水橋の新種のスライムのお披露目という事でダンジョンの入口まで行くことになった。


「なんで外に行かなきゃならないんだ?」


「まあまあ、中でもいいけど、これは外じゃないと勿体ないって」


「? どういうことだ?」


 水橋のよくわからない言葉に首をかしげながらも俺は水橋の跡について外に出た。


「では、紹介しましょう。俺の新しい仲間、ビッグアクアスライムだ!」


 森の中から木々を傷つけることなく、ずぶずぶと自身の身体に入れてはすり抜けるを繰り返してこちらに大きなスライムが近づいてきた。目と王冠かぶせたらまんま○○○スライムだなこれ。


「で、こいつを外で紹介した理由は?」


「それはこういう事さ、」


 そういうと水橋はいきなりズボンを脱ぎだした。 キャ~ヘンタイ~! っとよく見ると下にはいてるのは…水着?


「でっかいプールがあったら泳がない手はないだろ!」


「いやプールって、それスライムだろ?」


「アクアスライム系の身体は薄い膜の下はほぼ普通の水と大差ない組成なんだよ、それに俺が指示してるから勝手に消化液も出さないしな」


「なるほど、てことはそのために外に?」


「そ、どうせ泳ぐなら屋外プールのが気持ちいいだろ?」


「まあ、悪くはないな」


「よし決まり! 今日はプールで楽しもうぜ!」


 グオガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!! 


「「「!」」」


「な、なんだ? なんの音だ!?」


「分かんないけどやばそうだ、要、いったんダンジョン内に戻ろう」


「分かった!」



俺と水橋、ついでにビッグアクアスライムは慌ててダンジョン内に入り、地下要塞まで一気に駆け戻った。


「大地さん、どうしたんですか?」


「Pちゃん! 今すぐ【千里眼】でこのあたり一帯を見てくれないか!?」


「え? 良いですけど、・・・・・・・なにこれ?」


「なにが見えた?」


「うーんと、なんて言えばいいかなー、毛むくじゃらで、それでーって見た方が早いか、大地さん、[写し画の水晶]貸してください」


「あ、うん」


 大地が取り出した魔道具[写し画の水晶]をPちゃんが操作すると、ダンジョンと湖の反対側、山の向こうが水晶に映し出され、そこに何やら白くて毛むくじゃらの生物が3体、のっしのっしという擬音が合いそうな足取りで歩いていた。


「「雪男じゃねーか!!」」


「いや、この世界に居る以上なにかのモンスターだと思いますけど、」


「いや、どー見てもこれ雪男だろ」


「まさか異世界来て遭遇するとは思わなかったな」


「というか、これ、少しずつここに向かってますけど、いいんですか?」


「いや、さすがにこのサイズは入れないだろ」


 水晶に映っている雪男は体長が8メートルくらいありそうな巨体であり、現在のダンジョンの通路ではこのサイズのモンスターが通る事は不可能であった。


「第一、向かってるって言ってもただ湖で水飲んで帰るかもしれないじゃん」


「たしかに水橋さんの言う事も一理ありですね」


 とりあえずは静観と言う形で問題もなく落ち着きそうだな、よかったよかった。

 そう思っていると新たな問題が舞い込んできた。


「あんたたちー! 私の授業サボるなんていい度胸してるわね!」


 あ、しまった。アネイルの魔法授業があるの忘れてた。


「ごめんアネイル! 今すぐ行くから勘弁してくれ!」


「たく、それで許すと思ってんの!?」


「だからごめんって、」


「もおー、なら今度、新作のスイーツを…、え、なに、これどこを映してるの?」


「ん? あーこれは今湖近くまで来てる雪男の映像だけど…、もしかしてアネイルちゃんこいつの名称知ってる?」


「今すぐ倒さないまずいことになるわ!」


「え、どういう事?」


「こいつの名前はスノービッグヘアーって言って、本来は涼しい北方の地域に生息してるのよ、けど、あいつらは暖かくて外敵のいない地域に入り込むと、あっという間に仲間を呼び寄せてそこを自分たちのテリトリーにしちゃう習性があるのよ。このあたりの動物やモンスターじゃどう考えてもスノービッグヘアーの外敵になりうる生物なんていないわ、このままじゃ、」


 静観する作戦のつもりだったが、環境保護のための討伐作戦に切り替わりそうだな。



 1時間後、クリエイトモンスター達に状況を説明し、作戦が動き出した。


「前衛部隊は編制が済み次第、直ちにダンジョン前に布陣しろ、鉄砲部隊は大砲部隊と一緒に行動だ。エステラ、前衛の指揮を任せてもいいか?」


「お任せくださいマスター!」


「セブルティスは先行してレッドバットを連れて目標の周囲を偵察し、他にも同じヤツがいないか捜索してくれ、」


「承りました大地様」


 そういうとセブルティスは身体を霧に変え、飛んで行った。

 

「スライム部隊はすべてひとまとめになって行動開始だ、スレイ、お前にも前衛を任せるぞ」


「はい、畏まりました水橋様」


 ! スレイがしゃべった!?


「おい、水橋、今スレイしゃべらなかったか?」


「ああ、この間、購入リストで魔道具[意思を伝える宝玉]ってのを手に入れてな、それをスレイに持たせたらしゃべるようになった」


「へー、」


 と、今はそんなことはどうでもいい。


「エステラ、部隊編成は?」


「完了しておりますマスター」


「よし、全軍出撃だ!」


 と、俺が勢いよく指示を出したところで、セブルティスが俺のそばに飛んできてこう言った。


「大地様、緊急事態です」


「え? どゆこと?」


「目標がダンジョン内に侵入を開始しました」


「は? 侵入? あんなデカイのが入れる入口なんてねーぞ?」


「それが、ムラサメの様に身体を変形させて入ってきているようでして、」


「な、なにい!」


 セブルティスの報告を聞き、俺は慌てて、[写し画の水晶]を起動させてダンジョンの入口を確認する。

 するとダンジョンの入口に頭から突っ込んでぐいぐいとヘビのように中に入ってくる雪男、いやもはや毛むくじゃらのヘビのような形態になりながら侵入するスノービッグヘアーの姿が映し出されていた。


「対使〇戦は想定してないんだけどな、」


 初の大型生物との戦いの火蓋が今、切って落とされた。  




 次回予告


 果たして大型生物にゴブリンで対抗できるのだろうか?

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