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Synthetic School  作者: 南雲 楼
三章 魔法、浸透
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 ほとんどの生徒が魔法を習得してかなりの時間が経つが、久炉の知っている限りでは、魔法を扱えていないのは花火だけだった。


 腕輪の光は確認できているため、発動そのものはできているはずだ。しかし肝心の効果が分からない。



 昨夜、寝る前に会話をしていた時、魔法の性質は名前がヒントになっているのかもしれないという考えが浮かんだ。


 久炉の【炎天(えんてん)】は炎や熱が関わる魔法で、名月の【蠱毒(こどく)】は虫を造り出す魔法だ。司の【霹靂(へきれき)】は雷の魔法らしい。

 蒼冱のものは【凍風(いてかぜ)】という名前で氷の弾丸とは少しずれているように見えるが、冷たい氷の塊を風のように射出するという点は何ら違和感がない。

衣琉の【綺羅星(きらぼし)】は性質との関連性が見当たらないが。


 そのことを花火に告げたが、彼女は自分の魔法の名前すらも知らないという。思いついた案は見事に無駄足であった。他に手がかりはと考えたものの、何も思い当たらない。



「固有魔法に関わらず、魔法には種類の系統がある」


 耳を通り抜けていく男性教諭の声。意識を授業に戻す。教科担当は生徒の反応を窺いながら、時折板書を交えて魔法の系統について説明していった。


 魔法の系統は、波動魔法、創造魔法、属性魔法、干渉魔法、特殊魔法の五種類に分けることができる。



 波動魔法は魔力そのものを武器とする魔法で、魔力そのものを操る魔法だ。


 魔力をぶつけたり、物を操作したりといった芸当ができる比較的オードソックスな魔法である。他の魔法に比べると、少ない時間で使いこなせるようになる、というメリットがある。

 その分、極めるには時間や素質が必須の系統だ。



 創造魔法は魔力を材料に他の物を造りだす魔法である。


 作りだせるものの系統は魔法ごとに変わるが、有機物から無機物、それどころか生物までも作りだしてしまう。

 しかし、何を造ろうとも、魔力の塊であるため、魔法を解除したり、耐久力を超えた力が加わると形が崩れて霧散してしまう。

 物を造り、形を維持するには強いイメージが必須で、一番脳を酷使する魔法でもある。



 属性魔法は魔力を変換して操る魔法だ。


 炎や水、雷や風等、様々な自然物に変換できるが、生物や人工物には変換できない。

 創造魔法と違いは、魔法を解除しても変換したものは消えないということだ。完全に魔力が別の物になっているため、自然に消えるまで消すことはできない。

 使い方を誤れば大きな被害をもたらすこともあるため注意が必要だ。



 干渉魔法は人体や無機物に魔力を注入して干渉する魔法だ。


 自分の体を強化したり、武器を造り変えたりといった魔法で、魔法の関わる範囲は狭いが、熟練すれば自在に物を改造したり、最強の一撃を放ったりすることができる。

 極めることができれば、絶大な力を発揮できるのがこの系統の魔法だ。



 特殊魔法とは平たく言えば四つの系統に分類できないものを指す。


 いくつかの系統に跨った性質を持っていたり、どこにも分類できないものを総称して特殊魔法と呼ぶ。

 性質上、非常に多種多様で、中には人知を超えた魔法も存在している。共通していることは、他の系統と比べると、個人差が激しく、他人の訓練が参考にし辛い。自力で能力を開拓していくことが必要になる。




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