ウィルシア上
シアーズ大公は昔から王様の補佐をする一族で、それはもうすばらしい権力保持者で、ウェザーミステリ王国になくてはならない戦力知力の一つでした。
で、そんなシアーズさん宅に生まれた嫡男ウィルシア・シアーズ
今日は彼がマリアンジェラに出会う前のお話。
「ふぁあ、あ!ララーちゃんお早う」
「お母様とお言い!!あ、レイモンド~ウィルがバカなんですけどー!!」
「よさんか」
母親はララージニア、父はレイモンド。誰が見ても仲がいい夫婦。人前でも平気でちゅーしちゃうぐらい仲いい。そりゃーもうベロちゅーしちゃうぐら……まぁ置いといて。
「さてと、オレ散歩いってくるわ」
「待ちなさい」
父に首根っこをつかまれる。
「いいかげん完全に宰相の仕事を継いでくれないか?いつまでたっても私は隠居できない」
「まったまたぁ~、父上様がいないとぉ、国滅んじゃうよん」
「お前はまたそうやってちゃらけたふりしおって」
「さいなら!」
「あ、こら」
転移魔法を使い。家から昔なじみの友人の家にトンだ。
「おーや、またきたのぉ?」
「暇人だな」
「やぁやぁお二人ともー」
マッドサイエンティストで精霊族のテルーカ・エニシン、そして精霊族で将軍の地位を持つテルカ・ユサラ。
彼女の巣穴にはいろんな情報や文献があるので政府機関が気軽に入る場所である。
「扉について?わかった?」
「ウィルシア君がたまたまみつけた扉ねぇ~、まぁ~仮にパンドラの扉と名付けよう。それねえ~」
キーボードをカチカチと打つと、映像が映る。
「まぁったく開け方わっかんないんだよねぇ~ん」
「王も興味を持っている、分析急げよ」
「そういうけどねテルカ君~私も万能じゃなぁーいんだーぁよぉ?」
「まぁ、謎解きはすぐに分かったら面白くないってね」
ウィルシアは散らばった書類を拾い上げる。
「ン?なにこれ?」
「あぁ、合体狂が合成しまくった珍獣のリスト。何匹かはまだ始末できず逃げちゃってんだってぇ~」
「おい、テルーカ。それをおれ受け取りに来たのだが。まさかウィルシアが足で踏んでいたやつがそうではないだろうな」
「そだよ」
「殺す」
剣を抜くと、ふわりとテルーカの体が浮く。
「やあぁ~めてよぉーボクきゃよわいんだからぁー」
「へぇ、おもしろそうじゃないの。俺も探してみますか」
「協力してくれるならいいけど、お前悪化させるの得意だからな、余計なことするなよ」
「あははは」
「……」
「じゃ行きますか」
「おい、返事はどうした」
ウィルシアはいい笑顔でトンだ。
場所は人の居る場所とは全くの無縁な森の奥深くだった。
「えーっと?」
ここに無駄にデカイ不思議生物がいるって情報あったけど?
首をひねる。
なんか聞こえる。んん?
「きぇぇぇー?って何?」
後ろを振り向く。
鳥のような嘴、ヤギと同じ瞳と角に獅子と同じ肉体ともふもふの毛。ぱっとみダチョウとヤギとライオンを合体させました。って言わんばかりの違和感。
そして何より驚いたのは
パク!
ウィルシアが口の中に納まるぐらいのデカさ。
「だぁっとぉ!!驚いて食べられそうになった!!!」
得意の転移魔法を使い脱出した。
「よーっし眠ってもらうよん!魔法発射!」
眠りの魔法をかけたが、反転魔法を発動され、危うくこちらが眠りそうになった。
「えぇー、魔法耐性ついてるとかいう?何それチートじゃないっすかー」
ウィルシアは考えた。
「……」
よし、逃げよう。
ウィルシアは退却を選んだ。
「くぇえええ!!」
追いかけてきた。
「ひゃっほぉぃー!!!ですよねーーー!!!」




