第五十四章
あの事件から三年の月日がたった。
事件終了後、アースグランド新国王アマンサは、正式に終戦条約をとるため、ウェザーミステルに協定を申し出た。ウェーザーミステルに否定する権利は無く、条約は受けられたが
アースグランド内では大きな内乱がおきた。
魔国否定派と平和肯定派でわかれ、最終的に戦争に嫌悪していた国民や・・すきあらば独立を図ろうとしていたアスランダが魔国否定派を一網打尽にした。
これで永きに渡り行われていた無意味な戦争は終了し、アースグランドの内情は全く新しいものと変化したのであった・・。
・・そして、私は
リンゴーン・・リンゴーン・・教会の鐘が鳴る。
「あぁー、マーリー綺麗よー」
白無垢姿の私を見て、ララーちゃんは涙ぐんだ。
「ま、もともと顔はいいほうだったもんな」
「ステラ酷い」
「あっはっは!冗談だって、ほら笑えって」
シーア家の自慢の野放し庭園で、今日結婚式が上がる。
「お嬢様」
マリアンジェラは立ち上がる。
インファが手を差し出す、その手に引かれ歩いていく。
「お嬢様・・お綺麗ですよ」
「・・ありがとう、インファ」
庭園の中央に立つと、そこには正装をしたウィルシアが居た。いつものおちゃらけた顔ではなく真剣な眼差し。
今日、彼と結婚する。
シーヴァーを失い、悲しみに明け暮れていた私を、傍でずっと支えていてくれていたウィルシア・・再び私にプロポーズをした・・。彼を忘れることはできないといった私でもいいと、言ってくれた。
その優しさが、痛かった・・けれど
「では結婚式を始める」
みんなの薦めや、ココロの空白を埋めるように、私は受けた。
結婚式が行われている中、ウィルシアはニッコリと微笑んだ。
「今はさ、勝負に勝って、試合に負けた気分だけどさ・・そのうち、キットすぐにだよ」
「?」
「君の心も奪ってみせるから・・あの時初めて君に会ったように」
「な、もう・・馬鹿」
「ふっふっふー」
「では、誓いのキスを」
唇を差し出そうとしたら、ウィルシアが先に頬にちゅっとソフトキスをした。
「?」
頬を押さえていると、勝ち誇った笑みを浮かべた。
「キスは、俺がアイツに勝ったときにすんごいことするから」
「・・シーヴァーに勝ったときに・・ってどうやって?」
もう・・居ないのに?
「いや、あいつは戻ってくるね」
ウィルシアは確信を持った声で言った。
「この結婚式は保険だと思っていいよ、このままアイツが帰ってこなかったら俺の勝ち、あいつよりも俺を好きにさせれたら俺の勝ち」
「・・勝率大きいね」
「ハンデだよ、ハ・ン・デ」
はよキスしろーと外野から声が上がった。主にララーちゃんの声だったけど・・。
「じゃあ花嫁さん、俺と遊びに行きましょう」
「きゃ!?」
お姫様抱っこをすると、魔法で浮かんだ。
「俺、負けねーから」
お嬢様、愛しています・・ずっと
傍に居ますから。
「ねぇ、ウィルシア・・」
「ん?」
魔法で移動して、雲の上・・魔法で触れるようにしているからふわふわのもこもこで気持いい
「シーヴァー・・帰ってくるかな・・?」
「来るでしょ、君への執着も怖いもんだし」
ニッコリと笑う。
「あ、でもさ」
「なに?」
ウィルはマリを抱きしめた。
「あいつ帰ってきても、君攫って逃げるから」
「えぇ?意味ないじゃない」
「たまには形勢逆転しないとね」
そういったウィルシアの話はすべてシーヴァーが帰ってくるものだった・・たとえ彼が帰ってくることがなくても・・私は、ずっと・・心で待ってる
だって
アナタが、ダイスキだから・・
一体誰が幸せになったのか、分からない話ですね。本編はココで終了
次あたりはモブキャラなどを、かけたらなーって考えています。