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第1話『離婚(エンゲージ・オフ)から始まる最強の不労所得(スローライフ)~元妻(社畜)が俺の肉体で24時間働いている間に、俺は王女として隠居します~』〜

まえがき

「今世こそ、絶対に働かない!」

前世で過労死した俺、アレク(次期公爵)の夢は、一生寝て暮らすスローライフ。

しかし、政略結婚の相手である第一王女ヴィクトリアは、24時間死ぬ気で働く「限界社畜マインド」を持った最強の転生者だった!

我が家の軍事力を奪って世界を支配するため、俺のハイスペックな肉体を『魂の入れ替わり魔法』で乗っ取ろうとする王女。

巻き込まれたら、俺のダラダラ隠居計画が完全に崩壊してしまう!

世界を征服したい「社畜王女」と、絶対に働きたくない「元・過労死サラリーマン」による、国家を揺るがす離婚調停(物理)が今、幕を開ける

光り輝く魔法陣の中心で、俺――アレクは叫んだ。ヴィクトリアの手にある『婚姻届』ならぬ『離婚届』は、魔法の風に激しく煽られている。

「そうよ! あなたのその無駄に頑強な肉体は、我が帝国の拡大戦略において最大の遊休資産アセットだわ。私が有効活用して、世界を24時間眠らない超巨大企業(国家)にしてあげる!」

「誰がブラック国家の歯車になるか! 俺は有給を消化して、不労所得で隠居するんだよ!」

バチバチと火花を散らす俺たちの間で、ついに魔法陣が限界を迎える。ゴゴゴと大地が鳴動し、聖なる光が天を突いた。

「くっ、発動する……! 覚悟しなさい、アレク!」

「お前こそ、独身に戻る準備はいいか、ヴィクトリア――!」

視界が真っ白に染まる。魂が肉体から引き剥がされるような、強烈な浮遊感。

前世の満員電車の記憶と、深夜残業の悪夢が脳裏を駆け巡った。

どれほどの時間が経っただろうか。

「……う、頭が重い……」

ゆっくりと目を覚ます。視界に映ったのは、神殿の豪華な天井。

体を起こそうとして、強烈な違和感に気づいた。

視線が低い。それに、やけに体が軽いというか、胸のあたりに妙な重量感がある。恐る恐る自分の手を見ると、そこにあったのは――白く、細く、手入れの行き届いた、美しき王女の御手だった。

「嘘だろ……」

声を出した瞬間、自分の口から出たのは、鈴を転がすような美しい高音。

「やった……やったわ! ついに手に入れた、この至高の筋肉リソース……!」

すぐ隣から、聞き覚えのある、しかし今は『俺の肉体』であるはずの図太い男の声が響く。

振り返ると、そこには俺の体(中身:社畜王女)が、ビルドアップされた二頭筋を狂喜乱舞しながら見つめていた。

最悪だ。

俺の「一生ダラダラ過ごす隠居計画」は、この瞬間、完全に崩壊した――。

「いや、待てよ?」

ヴィクトリアの体(中身:俺)は、自らの可憐な顎に手を当ててニヤリと笑った。

王女の立場なら、自分で働かなくても部下が全部やってくれるんじゃないか?

これ、俺の勝ち(スローライフ確定)では?

入れ替わってしまった二人の、本当の戦いがここから始まる。

読者の皆様、最後までお読みいただき(あるいはここから読み始めていただき)ありがとうございます!作者の〇〇です。

本作は、**「最強の肉体を持って世界をブラック企業化したい社畜王女」と、「その肉体を使って不労所得で隠居したい元社畜の夫」**による、離婚から始まる(?)異世界TS入れ替わりコメディです。

王女ヴィクトリアは、アレクの「24時間戦えます」と言わんばかりの超頑強な肉体を奪って世界をガリガリ開拓する気満々ですが、一方でアレクは「あれ? 王女の体になれば、自分で動かなくても国費で一生ダラダラできるのでは?」と天才的な(?)ブレイクスルーに達してしまいました。

アレク(中身)× ヴィクトリア(外見): 権力をフル活用して究極のニート生活を目指す。

ヴィクトリア(中身)× アレク(外見): 最強の筋肉で24時間年中無休の国家経営を目指す。

外見と中身のギャップ、そしてお互いの「理想のライフスタイル」を賭けた泥仕合は、ここからさらに加速していきます。

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