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物語の終わり? 〜冒険者ジース編〜


ここはどこなんだ……。


僕が戸惑っている間に他の冒険者達も起き始めた。

僕1人だけではないという事にとりあえずの安堵を覚える。だけど僕達は眠らされて無理矢理ここに連れて来られたと思うとやっぱり安心なんか出来ない。とりあえずここがどんな場所か確かめないと……、


と考えていると扉を開けて1人のオークが現れた。


「おう。お前ら。全員起きたか。」

入ってきたのは服を着てメガネをかけたオーク。

それを見て僕は驚いた。

モンスターが喋るなんて。


でも周りを見てみるとびっくりしているのはどうやら僕だけのようだ。他の冒険者達は武器も構えずに落ち着き払っている。

皆、なんでそんなに落ち着いていられるの?


「よし。もう知っているかと思うが改めて説明するぞ。ここは「発展都市ディバーティエ」だ。「ネルフス帝国」の支配する都市の1つだ。」


いやいやいや。

知っている体で話されても。

そんな街は初めて聞いた。

ゲーム中にあったっけ?


「そしてこの都市の住人はその名の通り「何かを発展させる事」を義務に持つ。戦術や魔法の研究をしている所もあるし植物や動物の生態についてを学問としている所もある。ちなみに俺は森から採れるブルベリーの果実酒を作る部に所属している。」


話が割とついていけない。

ここの住人の話をされても。

僕達は冒険者なんですが。

まさか僕達にここの住人になれって事?


「よし。じゃ、お前ら市役所に行くぞ。そこで全ての「部」が閲覧できるから所属する「部」を選んでくれ。」


ええー。

やっぱり僕達も住人である体のようだ。


……でも他の冒険者達は、

「おう。わかった。」

「どんな部にしようかな。」

「新しく作っても良いらしいぞ。」


とか色々話している。だからなんで他の冒険者達は何の戸惑いもなく馴染んでるんだよ!

って、皆、そのオークに着いて部屋を出てしまった。1人だけってのもアレなんで僕もそれに着いていく。



住居を出るとそこは中世風の街並が広がっていた。

このゲームの世界観とは若干違うようなそうでもないような……。よく見るとほとんどの建物が出来たばかりのようにピカピカだ。掃除がしっかり行き届いているのかなー。……っと、のんきに街を観察している場合ではない。


俺は隣を歩いている冒険者に話しかけた。

「なあ。君は確か冒険者キョーンだろ? 僕達、こんな魔物の街に来ちゃったけど大丈夫なのかな?」


僕はこのゲームをやり込んでいるからほとんどのNPCの事も無駄に知っている。この「キョーン」という名の冒険者は病気がちの妹のために冒険者稼業をしている人だ。


僕が話しかけるとキョーンは怪訝な顔をした。

「ん? 大丈夫も何も俺達はここでこれから生活するんだろ。あっ、生活が心配って意味か?」

「えっ!? ……えっと、確かキョーンは妹と2人暮らしだろ? 聖王国に妹さん1人残して来て大丈夫なのか?」

「妹? 俺に妹はいないぞ? 確かに俺は聖王国の冒険者だったがな。お前は何を言っているんだ?」

冒険者キョーンにはすごく不思議そうな顔をされた。


えー、一体何なんだ。

百歩譲ってキョーンに妹がいるっていう設定が僕の思い違いだったとしても! 聖王国からここに連れて来られてここで生活する事にの疑いも無いってのは何故だ!?

まるで冒険者達は洗脳でもされたかのような……。


何となくだがここはヤバイ感じがすると僕の直感がそう言っている。目を覚ましたら聖魔剣デュランダールも無くなっていたし。早く取り返してここを出ないと大変な事になる気がする。


と思っていると僕達を先導していたオークが言う。

「おっと、お前らはメシがまだだったな。食ってくか。」


そう言って僕達は中から良い匂いがする木造の建物に入った。確かに僕は今すごく腹が減っている。で、その中に入って僕はまた驚いた。


「何だ!? これは!?」

その中は外見からは想像もつかない程、近代的なメカが並んでいた。いや、近代的というかかなり未来的だ。ゲーム中にこんな物は一度も見た事が無い。

「おお。お前ら、好きなのを選べ。ここは食べ放題だ。」


なんと! 食べ放題のようだ。しかも食事のメニューがこのゲームの世界観と大きく違う。お腹も空いていた僕は「とんかつ定食」を選んだ。

すると謎のメカから「とんかつ定食」が出てきた。

この香りは懐かしい……。紛れもなくとんかつだ。


僕がゲームの中の世界に入ってからの不満の1つにメシがまずいというものがあった。まさかとんかつを目にする日が来るとは。


一口食べてみる。


サクッ


ああ。これは懐かしい味。

僕達はあっという間にメシを平らげた。

ふう。

腹も膨れると頭も少し落ち着いて来た。

何故こんなモンスターの街があるのか?

それの答えがだんだんとわかって来た。

ここはもしかして……


「この都市は……開発陣のスタッフルームなのか?」


そう考えると色々な事に説明がつく。

このゲームを100%プレイしていてもこの街が登場しなかった理由はそれか。ならば僕がすべき事は……、

「ここがスタッフルームならこの都市のどこかに開発陣がいるはずだ。モンスターに扮した開発陣が。その人達に会えば……。」


唯一ゲームの中で「ここはゲームの中」という事を知っている人達だ。その人達に事情を話して助けを乞うか。


「おーい。食べ終わったようだな。じゃ市役所に行くぞ。」


おっと、とりあえず今は従ったフリをしなければいけない。今はここの住人の身分を甘んじて受けよう。だけどあまり行動を制限される部は選べないな。開発陣を探す時間が欲しいし。どうしようかな。


今後の希望が見えて来た僕は色々と考えながら市役所に向かった。



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