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予想はしていたが、分かりやすいほど分かりやすい反応である。
だから志摩津は長谷部に出し抜かれるんだよな、とも思ってしまう。
「吉鷹、どういう経緯で、遺稿は長谷部家で発見されたんだ」
蓉一が細い眼を吉鷹に向けた。志摩津の母はここから先は男同士の話と察したようで、すばやく自分の食器をもって食堂から去った。実子3人と養子の吉鷹を含めて男ばかり4人を育てながら、独り身の飛梢を助けて志摩津道場の切り盛りもしてきた、肝っ玉と分別のある女性だ。志摩津の男は吉鷹も含め、母には頭が上がらない。
「氷賀一彦は時宗さまのご友人だそうで、亡くなる直前まで交流があったようです」
「時宗さま? えっ、あの時宗さまか? いま、日本にいらっしゃるのか」
「いえ、英国です。ほら、メールとかスカイプとかで結香さんたちとよく連絡しているみたいで」
「そうなのか。いや、でも、だからと言って――まさか偶然なんてことは」
それはないか。
ないな。
ないね。
と蓉一が自分の言葉を否定すると同時に、翼生、飛梢もつぶやいた。
「うーん、でも、時宗さまなんですよね、時宗さまかぁ、なんで時宗さまがこんな時に絡んでくるのかなぁ」
と飛梢が両手で頭を抱えると、翼生が吉鷹に顔を向けた。
「吉鷹、お前はどう思っている?」




