総大将からの裏オーダー――『家族の証』にゃ!
町長が絹織物の未来に胸を躍らせ、作業場の職人たちが活気に満ち溢れる中、キラは冷静に、そして確かな意図を持って動いていた。
産着の出来栄えに満足したキラは、トコトコと町長の足元へ歩み寄る。そして、事前に用意しておいた別の『設計図』を、肉球でトントンと叩いて注意を引いた。
(町長、産着は見事な出来だ。職人たちの誠意を高く評価する)
そのキラの眼差しは、次なる目的を指し示している。町長がその図面に目をやると、そこには細部まで計算し尽くされた『特製の首輪』の構造が描かれていた。
「ほほう、総大将! 産着だけでは飽き足らず、次は一体どのような神聖な道具でございますか!?」
町長が白髭を震わせて身を乗り出す。キラは間髪入れず、図面のポイントを指し示す。
(これは、我が国のすべての『家族となった猫たち』のために製造する、絆の証だ。まずは、俺用にはこの純白の毛並みに最も映える、引き締まった『真っ赤な首輪』を作れ。バックルは金属を使わず、猫の成長に合わせて優しく伸縮する『体への負担ゼロ』の特製構造――イージーフィットにするんだ)
「なるほど……! 動きやすさと優しさを極限まで計算された首輪ですな! 猫の体を知り尽くした、まさに総大将ならではの視点……! 承知いたしました、至急最高級の絹で仕立てさせましょう!」
キラの依頼は止まらない。町長は震える手で図面を抱きしめ、職人たちへ指示を飛ばすべく、再び作業場へと駆け出していった。




