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不可侵の聖域(信頼から信仰へ)にゃ!
今や、キラが拠点とする路地裏は、数百匹の猫たちが集まる「聖域」と化していた。
どんなに冷たい風が吹こうとも、キラが【周囲の温度を一定に保つ】ことで、その路地裏だけは常に春のようなポカポカとした陽気が保たれている。
新しく保護された、かつて人間に虐げられていた傷だらけの捨て猫たちも、キラの前に来ると自然と頭を下げ、その救いの温もりに涙を流した。
「総大将の側は、どうしてこんなに温かいんだ……」
「まるで、世界の理そのものに守られているみたいだ……」
キラの隣で、りなは嬉しそうに尻尾をパタパタと振りながら、新参の猫たちに「みゃう(お兄ちゃんの側はね、世界で一番安全なのよ)」と優しく声をかけて回る。その弱々しかった黒猫のりな自身も、キラの後ろ盾を得たことで、今や町の猫たちから「総大将の愛娘」として深く敬愛される存在になっていた。
圧倒的な安心感が、猫たちの間に強固な絆を生み出していく。




