33 西へ
逃げる
とにかく逃げる
獣族は街の外にはいなかった
壁も登れないようなので
正面の門から回ってくるしかないだろう
このまま走れば余裕で逃げれる
ちゃちゃが1人おぶるみたいなジェスチャーをしてきたので
「ありがとう 大丈夫だよ 軽い女の子2人だからね それよりも走り続けるからね」
ちゃちゃは走りながら頷いた
全力で追って来ようとするだろうが
まあ 森の中を走っているので大丈夫だろう
獣族は俺達の逃げてる方向が分からないはずだ
人の領域は南 俺達は西へ走っているからね
3回目の休憩
眠ることは出来ないが食事だけは軽くとった
そして進もうとした時 後ろから獣人が……
5人かな
どうして 俺達の居場所が分かったんだ……
大勢でいろんな方向に手分けして進んだのかな
5人 倒すか
俺が朱殷の杖を出すと
ちゃちゃは剣を抜き 獣人に向かっていった
「ちゃちゃ 無理はダメだよ」
獣族は鑑定しても何も表示されない
レベルがまったく分からない
強さが分からない
ちゃちゃには戦って欲しくないけど
仕方ない本気で援護だ
俺は石を投げて援護することにした
ちゃちゃは体勢を低くし走って獣人に接近し横斬り
そして すぐ次の獣人に
ちゃちゃは獣人の足を狙っているようだ
俺が石を次々に放っているので 獣人はちゃちゃに集中出来ずに 足を斬られていった
1人 また 1人 ちゃちゃは走り回りながら斬りつけていった
俺の援護はいったのかな う~ん 心配なんだよな~
5人の足を斬りつけた後でちゃちゃは戻ってきた
「さすがちゃちゃ でも無理はダメだよ」
ちゃちゃは笑顔でコクりと頷いた
ちゃちゃは強い
もっと信用して任せてもいいのか
でも
心配なんだよな~
休憩を終了して 俺は女の子2人を抱えて 西へ走る
ここまでくれば 俺達の居場所がバレることなんてないだろう
休める時に 休んでおくべきだよね
「ちゃちゃ 少し眠っておこう」
俺は女の子をそっと降ろした
念のために周囲の木には 鈴付きの紐を張り巡らした
沢山あるので 使い捨てにする 回収しないので適当に周囲の木にぐるぐる巻くだけでいいだろう
俺はちゃちゃとキスをして寄り添い 少しだけ眠ることにした
んっ どうした あっ
ちゃちゃに揺さぶられて起こされたので何かと思ったら獣人が3人
ちゃちゃは剣を構えていた
「ちゃちゃ ありがとう」
あぶなっ 爆睡かぁ 1人なら 殺られてたな
疲れてたか 気をつけないとな
ちゃちゃ ありがとう
向かってきた獣人に ちゃちゃが下段の構えから斬り上げ 体から左腕を斬りつけた
次に向かってきた獣人には 上段から 剣を……
投げつけた
ちゃちゃはすぐに右前に走り 3人目に向かっていく
おいおい 剣も持たずに 防具だって
俺は慌てて 石を取り出し3人目の獣人に石を投げた
ちゃちゃは獣人の横を走り抜ける時に 飛苦無を獣人の足に投げつけた 更にもう1本
ちゃちゃの飛苦無が獣人の左右の足に刺さっていた
ちゃちゃに剣を投げつけられた獣人はダメージがなかったようで 俺に向かってきた
俺はひょいとかわし 杖で殴りつけて倒した
ふう 焦ったよ ちゃちゃは強くなっているんだな
3人の武器を取り上げて 杖で足を殴り痛め付けた
「ちゃちゃ 助かったよ」
ちゃちゃは俺に抱きついてきて キスをしてきた
眠ることが出来たので 今日も西へ走って進む
走っていると白髪の女の子が目を覚ましたので休憩することにした
白髪の女の子は特に暴れることもなく黒髪の女の子の頭を膝に乗せて大人しく座った
俺が食べ物と飲み物を渡すと頭を下げて受け取った
そういえば通訳の指輪を付けるのを忘れていたな
俺はちゃちゃに通訳の指輪を渡し 2人の指に付けてもらった
俺は話をしようとしたが ちゃちゃと女の子が話を始めた
え~ ちゃちゃって 犬の獣族の言葉がわかるんだ
まあ 話が終わるまで待つか
しばらく ちゃちゃと白髪の女の子が話していると 黒髪の女の子が目を覚ましたので 同じ食事を渡した
話が終わったようなので 俺は2人に俺の奴隷になったこと 禁止事項を細かく伝えた
黒髪の女の子は俺を睨んでいたが 白髪の女の子は平然な顔をしていた
「よし そろそろ 行くぞ」
俺は黒髪の女の子をおぶって 白髪の女の子を抱っこして進むことにした
「いてっ」
いきなり 頭を叩かれた っといっても 軽くだが
黒髪の女の子がいきなり俺の頭を叩いたのだ
後ろを見ると 黒髪の女の子が苦しそうな顔をしてうめいていた
「大丈夫か 禁止行為や俺に敵意を持つと首が絞まるから気をつけてね」
黒髪の女の子は もう1度俺の頭を叩き また うめきだした
痛くないから 俺はいいんだけど……
奴隷にした獣族の教育は普通は1年以上掛かるそうだ 拐われたんだもんな って犯人は俺なんだが……
時々 頭を叩かれるくらいで 暴れることはないので 気にせずに このまま走って進んだ
夕食を食べて 2人の女の子はテントの中で寝てもらうことにした
俺とちゃちゃは寄り添って寝る
寄り添うだけ だけ
そうです 無理ですよ
……




