行き過ぎた潔癖症
A「・・・説明しろ」
R「俺に聞くな、ボケ」
B「一体、何があったんだ?」
C「皆死んじゃったね・・・」
F「・・・こいつ等、何しにここまで来たんだ?」
G「へんてこな宇宙船が着陸して、エイリアンが出てきたかと思ったら1日経たない内に皆倒れて・・・」
R「・・・G、お前んとこのBSL-4、今空いているか?」
G「任せろ!必ず原因を突き止めてやる!」
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G「奴等が突然死した原因が分かったぞ」
R「未知の病原菌やウイルスが確認できたのか?」
G「否、既知の物ばかりだ」
F「それはそれで一安心だな。で奴等の死因は?」
G「奴等の死因はインフルエンザウイルスの感染による呼吸器疾患だ」
A「何だ?俺達は何んともないぞ」
G「インフルエンザは直接の死因に過ぎない。奴等、この界隈に極普通に存在するありとあらゆる細菌、ウイルスによる感染症を併発していた。つまり、免疫力が全くなかったんだ」
B「よほどきれいな環境で生活していたんだろうな」
G「そうなんだよ・・・奴等の宇宙船に残っていたボンベを回収して中身を調べたら、組成は地球の大気とほぼ同じだが、感染症を発症させる細菌、ウイルスの類が一切存在しなかった。」
C「他の菌は?乳酸菌なんてそこら中にいるでしょ?」
G「無害の菌は普通にいた。人為的に菌の選別をした結果だろう・・・おそらく、何世代もの間、極端に環境が清潔に管理されたスペースコロニーで生活していたか、自分の星をテラフォーミングしちまったか・・・いずれにせよ、奴等に危害を加える細菌、ウイルスが存在しない人為的な環境で長い間暮らしたために免疫系が機能しなくなったんだろう・・・」
A「適度に細菌やウイルスがいた方がいいって事か・・・」
G「行き過ぎた潔癖症は自らを滅ぼすって事だ。この事を再確認できただけでも、奴等の死は無意味じゃなかった」
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A「ゲホ、ゲホ・・・俺もインフルに罹っちまったのか?」
B「お前でも人並みにインフルに罹るのか?」
A「うるせぇ!インフルエンザウイルスを撲滅しろ!」
G「普段から不摂生している報いだ。大人しく寝てろ!」




