浅知恵
A「これで全て揃った!最新の科学技術を駆使した、この装備があれば如何なる極寒の地でも大丈夫だ。今度こそRを屈服させてやる!・・・その前に予行演習だ」
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A「なんてこったい!タイヤマンじゃあるまいし、これだけ嵩張るのにちっとも暖かくないじゃないか!超寒いぞ・・・今何度だ?・・・-45℃だと!」
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A「寒い・・・何だかバカバカしくなってきた・・・もう帰ろう・・・ってか、ここは何処だ?・・・しまった、迷子になっちまった!・・・GPSは・・・ダメだ!動かない!」
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A「おっ?誰か来る!・・・ってかRじゃないか!・・・Rの敷地に迷い込んじまったのか・・・でも、仕方ない・・・・お~い!・・・って、撃つな!俺だ!」
R「何だ、お前か。巨大な白豚に見えたぞ。ここで何してんだ?」
A「ちょっとした雪中訓練だ」
R「そうか。頑張れよ、じゃな」
A「ちょと待て!」
R「何だ?」
A「・・・お前ん家まで、連れていけ」
R「お前、迷子になったのか?」
A「・・・」
R「バカな奴だな・・・お前の装備、何だ?縫い目は裂けているし、プラスチックは割れているし・・・おいおい、防寒着の内側で汗が凍っているじゃないか!死ぬ気か?」
A「・・・」
R「とにかく、このスノーモービルの後ろに乗れ。俺ん家まで運んでやる」
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A「お前は古臭い格好しているけど、何故平気なんだ?」
R「この地で生きていくために必要なのは科学技術なんかじゃない。祖先達から受け継いだ知恵だ。俺の格好も、数千年の間に育まれた知恵の結晶だ。浅はかな科学技術など、遠く及ばない」
A「・・・」
R「これに懲りたら科学万能主義を捨てろ。自然を科学で征服できるなどと思い上がっていると、何時かとんでもないしっぺ返しを受けるぞ。今日のお前の様にな」
A「・・・」
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A「俺だ!お前の製品はもう買わない!Rを屈服させるどころか、Rに助けられて説教までされた!赤っ恥もいいとこだ!どうしてくれんだ!」




