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第32話 プールと言ったら私~

《放課後 光の部屋》


 今日の朝、七宮さんからプールに行こうと誘いを受けた。


 俺が昔から憧れる七宮さんの誘いを断れるわけもなく二つ返事でOKした。


「プールは土曜日か。日曜日だと次の日月曜日で学校があるから土曜日にしてくれたのか。流石、七宮さん。人を思いやれる良い娘だな」


 俺は少し浮かれていた。黎明高校でも窓際の令嬢とか言われるお淑やかオブお淑やかの七宮さんと2人きりでプールデートが出来るなんて最高か。


「前日は迎えに来てくれるとか言ってたけど……流石に葵の奴は付いて来ないだろうな。葵はあれでも空気が読める良い娘だしな」


ガラガラガラガラッ!


「光~! 見せ合いっこしましょう~」


 そんな葵について考えていると。きわどい制服姿の葵が窓から飛び込んで来た。


 だからどんな○ケモンだよ。


 スカートのたけは短く。Yシャツから青色の下着がチラチラと見えていた。


「葵。お前。幾ら部屋の中だってそんな格好で俺の部屋に入って来るな……よ?」


 俺が最後まで言葉を言い終える前に目の前が真っ暗になった。俺は葵との勝負に負けてしまったのだろうか?


 いや。そもそも勝負も何もしていないんだが?


「……なんだこれ? 何でこの中蒸れて……」


「シャンッ//// 鼻息くすぐったいわよ。光~」


 ……葵の声が上の方から聴こえた。まさかこの暗がりの中ってまさか?


「葵。お前何してんだ?……むぐ?!」


 何だこれ? 何か当てられてるのか?


「な、夏は女の子を開放的にするのよ。光~、ネットにもそう書いてあったわ」


「つっ! い、いい加減。七夕祭りの前の葵に戻りやがれえぇ!」


「ちょっとっ! 何するのよ。光っ! キャアア!!」


 夏は女の子を開放的にするというのはよく言われている話だろうが。この葵の行動は大胆にも程がある。


 ていうか葵の奴。俺へのリミットが外れてどんどん過激になって来てないか?……いや。無理もないか。あんな恥ずかしい姿を俺に見られたんだからな。ドンマイ葵そのうち良い事あるって。


「痛い~、光~、何するのよ~」


 俺が葵を退けたせいだろうか? スカートがめくれ上がって葵の綺麗なお尻が丸見えになっている。


「お、お前。やっぱり。わざと制服で俺の部屋に入って来たんだな……つうか。スカート捲れてんだから早く直せよな」


「え~? 何言ってんのよ? こんな状態になったのも光のせいじゃない。せ・き・に・ん取りなさいよ。責任」


 葵は自身の綺麗な美尻を俺に向けてフリフリながら俺にそんな事を言ってきた。


「責任だと? 何をだよ」


 俺は葵のそんな姿を凝視しないようにそっぽを向いた。


「スカートの位置を戻しなさい。このままじゃあ丸見えでしょう? 光のせいで。私、この状態凄く恥ずかしいんだから////」


 コ、コイツ~! 自分からこうなる様に仕組んどいてなにを恥ずかしいがってんだ。


「ほう。ならお望み通り戻してやるよ……葵っ!」


パチンッ!


 俺は葵の美尻に向かって右手をパーにし振り上げた。


「ニャヒヒッ!! 何するのよっ! お尻腫れちゃうじゃない」


 すると葵は猫の様な目付きで俺を睨み付けて来た。


「何だ? その可愛い目付きと仕草しぐさは? 誘ってるのか? 葵」


「お、お馬鹿っ! 誰も誘ってないわよ。光の意地悪~」


 ……葵の奴。6月よりも俺になんだか甘えん坊になっていないか? 大胆な行動も増えてきたしな。


「葵。そんなに俺の前で無防備にしていると。いつか俺に食べられちゃうぞ。男は皆、人の皮を被ったオオカミなんだからな」


「そうっ! なら今夜で決まりね。光……私楽しみにしてるわ」


 コイツ無敵か? 俺は葵の為に忠告しているのになに受け入れようとしてんだよ。


「……取りあえず。今後、俺の部屋に侵入するならパンツくらいいてきてくれ。葵」


「ええ。分かったわ。光」


 絶対分かってないだろう。コイツ。昔はあんなに恥ずかしがり屋だったのに。いつの間にか俺の前でパンツも履かない痴女に生まれ変わりやがったな。


「それよりも土曜日は雪乃ゆきのと一緒にプールに行くの?」


「ん? ああ、七宮さんに誘われてな。俺と2人きりで……」


 あっしまった。七宮さんと2人きりでプールデートに行くこと葵には秘密にしておくんだった。つい口が滑って喋ってしまったぞ。


「そう。なら私達も付いていくわ。よろしくね」


 ……コイツ。今、なんて言った?


「葵。お前今、何て言った?」


「私達も付いていくわ。よろしくね」


 キョトンとした可愛いらいし表情で葵は俺を見詰めて来る。しかし……コイツ本当に可愛いよな。普通。こんな娘の美尻なんて見れない……いやいや。俺は何を考えているんだ? 葵は俺の大切な幼馴染みなんだぞ。


「おお。そうか。よろしくな葵…………私達? 葵だけじゃないのか?」


「ええ。そうよ。カレンに彩葉ちゃんも誘ったわ。それにね……」


「断固拒否するっ! お前達は俺にとってのトラブルメーカーだからなっ!」


 俺は高らかに宣言した。トラブルの元はいらんのですよ。


「はっ! 光。アンタ何を言ってんのよ。よろしくなってアンタ言ったわよね? もう駄目よ。決定事項っ! 私達も付いていく事は決定事項なのよ」


「黙れ。アホッ! どうせ土曜日のプールでもお前達トラブル娘3人組は何かしらのトラブルを生み出すんだろが。そんな奴等を俺の憧れの七宮さんが居る場所に放てるわけがないだろう」


「は、放つってっ! アンタ。私達を牧場で飼われてる羊だとでも言いたいわけ?」


「アホッ! 羊の方がよっぽど頭が良いわ。毎回毎回、お前達を中心にトラブルに巻き込まれる俺の身にもなれっ! トラブルメーカー幼馴染み」


「ムカッ! 何よそれ~!……そんな事を言う光にはこうするんだから……」


 ……不味い。調子に乗って言葉を強く言い過ぎただろうか。葵はああい見て結構ナイーブだった。


「……葵。済まん。そうだよな。葵も七宮さんとプール行きたいもんな。そうだ。今から七宮さんに連絡して葵達3人もプールに行きけるか聞い……て?」 

 

 何だ? またさっきみたいに視界が暗く……


「喰らいなさい光~、何を言われても私は光に付いて行くんだからね。えいっ!」


 そして、再び葵の声が上から聴こえて来た。


「……な? 息が……まさか。この俺の顔面を覆っている物は? 葵の……ぐっ……葵。止めろ。色々な意味で死ぬ」


「じゃあ。私達も一緒にプールに行かせなさい。良いわね? 光」


「あ、ああ。七宮さんにも頼んで奥から……俺を解放しろ……でないと鼻血が出る……」


「へ? 本当にありがとう。光~、大好きよっ!」


 そして、意識が薄れるなから俺の頬っぺたに何か柔らかい感触が一瞬だけ伝わってきた。


「お前。それは……反則だろう……(ブシュッ!!)」


「ひ、光~! し、しっかりしなさい~! 私の太ももにはさまれるのそんなに気持ち良かったの? 光~」


 葵の心配する叫び声を聞きながら俺は鼻血の鮮血を部屋中にばら蒔いたのだった。


《7月12日 七宮グループ専用プール》


「いえ~い! 夏~!」バシャンッ!


 青色ビキニの葵は元気に貸し切りのプールを泳ぎ。


「……光君と初めてのプールドキドキ」


パシャッ!パシャッ!


「良いわっ! 凄く良いわよっ! 可憐ちゃんっ! 凄い良い写真が撮れてるわよ」


 白いワンピースの無敵のアイドルこと有栖川は野生のオネエゴリラを引き連れて写真撮影を始め。


「暑いわね……百合さん。貴女、日焼け止めを私に塗りなさい」

「え~! 彩葉ちゃん。自分で塗りなよ~」


 黒色の紐ビキニ《タイサイドビキニ》を着た親友の彩葉は日焼け止めを塗り。

 スクール水着を着た喜一の妹百合ちゃんが楽しそうにビーチボールを膨らませていた。


「人数……凄い増えましたね。汐崎君」


「……済まん。葵の小悪魔的な誘惑に勝てんかった」


 俺と七宮さんはその光景を見てトラブルしか起こらないと確信したのだった。 

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