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第55話 おっさん伏線を張る

前話のあらすじ:秘密の部屋が怪しい

 さて、セシルさんとタナさんと合流をしたから、そのまま秘密の部屋を探したいところだが、一旦セインと合流する事にした。

 もしかしたら、セインとクルスさんはもう調査を一旦終了して戻っているかもしれないからね。


 セインも父親のセシルさんが一緒に捜索していたことを知ったら驚くのではないだろうか。

 まさか、ギルドで一番偉い人が動き回っているなんて普通は思わないだろうからな。

 セシルさん含めて、この国の偉い人達は自分から動き回りたがるから、下についている人達は大変そうだ。

 

 それも7大公爵家ということもあり、本来なら護衛もつけないといけないと思う。

 まあ、この人達は護衛の人よりも強いだろうから、護衛が意味あるかどうかは別だけど……。


「それにしても、秘密の部屋か……」


「セシルさん、なにか覚えがありますか?

確かセシルさん達って王都の学園の出身ですよね?」


「ああ。俺たちも若い頃は学園を探検したりしたからな。

秘密の部屋も当時は探したものだ」


「そうなのですね」


「キールの街には、そのような噂もないよ~」


「街によっても違うんだね。

やはり、王都は昔が王城だったいうだけあって色々あるんだろうね」


 その後、秘密の部屋について話していたが、セシルさんからは、あまり有効な情報は貰えなかった。

 それにセシルさんの歯切れが悪い回答が多かったため、なにか知っているのだとは思う。

 聞き出したいところだが、無理やり聞き出す訳にもいかず、モヤモヤとしたところだ。


 ギルドに戻ると受付の職員から、セイン達が既にギルドマスターにいることを聞いた。

 ギルドマスター質に急いで戻って、セイン達から話しを聞いたところ、結構長い間待たせてしまったみたいだった。


 簡潔にまとめるとセイン達の収穫はあまりなく、ギルドに早めに戻ってきたが、俺たちがいなくて待ちぼうけていたらしい。

 それは、悪いことをしたな。

 

 その後はこちらの情報をセインに伝えた。

 セインは現在王都の学生ということもあり、噂くらいなら知っていた。


「学園で聞いたのだが、通称だと終戦の灰雨って呼ばれているらしい。

それが原因の可能性が非常に高くて、秘密の部屋が関係しているだろう。

それに、秘密の部屋について新館の図書館で調べたけど細かい情報は載っていなかった」


「そうだろうな。もし情報が載っているのであればもっと簡単に見つかるはずだ」


「とりあえず、今日のところはこんなものかな?

それとも、まだ探しに行くか?」


「いや、一旦は解散でいいだろう。

残りは明日しよう」


「分かった。

俺たちはどうしたら良い?」


「なにが起きるか分からない状態で魔力を無駄に使うのは危険だからな。

王都にいた方がいいだろう」


「って事なんだけど、クルスさんとタナさん泊まる場所ある?」


「私は一応実家が王都にあるので、実家に泊まろうと思っています」


「クルスさんも実家は王都なんだ。

タナさんはどうする?」


「ん~、王都には別宅があるんだけど、今は誰もいないんだよね~。

だから、仮眠室を借りるか宿屋に行こうと思ってるよ~。

セバッターさんは~?」


「俺は……仮眠室でも借りようかな」


「残念ながら仮眠室は一杯だぞ。

最近王都から近いところに迷宮が出来てな。

結構、迷宮の魔物が強くて最近は怪我人が多いのだ。

だから、他に宿屋を準備しようと思う」


「そうなのか。

近くに迷宮が出来ることなんて今までなかったからな。

魔物が弱ければ学生の練習になったりするかと思うけど……」


「いや、浅い階層は魔物も弱いから今後は学生の練習場としても使用する予定となっている。

深い階層は危険だから、学生は途中から立ち入り禁止といったところかな」


「既に考えてあるのか。

それで、宿屋というのはどこにあるんだ?」


「ああ、宿屋については、後で1階で受付に聞いてくれれば、予約してくれた宿屋を教えてくれるだろう」


「わかった。後で聞いてみるよ」


「話はまとまったようだな。

じゃあ、俺は業務に戻るからなにか分かったら教えてくれ」


「わかった。

父上が業務をしっかりとしていてくれないと、各地のギルドが回らないから戻った方がいい」


「ああ、そうだな。じゃあ、みんな残りは任せたぞ。

セイン、レンしっかりとな」


「はい」

「わかった」


 うむ、と満足そうに言ってからセシルさんは出て言った。

 セインに聞いたところ、予想はしていたがやはり驚いたらしい。

 というのも、母親のセシリアさんのために動き回ることは予想できたらしい。


 セシルさんは体つきがいいため、一見怖そうな人だけど、奥さん思いのいい人で中身は優しい人なんだよな。

 未だに俺のことも心配してくれるし。


「じゃあ、セイン”また明日”な」


「ああ、”また明日”」


 タナさんとクルスさんとギルドマスター室を出て、1階へと向かう。

 クルスさんは予定があるとのことで、そのままギルドの2階にてギルド職員室に行ってしまった。

 まあ、クルスさんは泊まる場所があるし、別の場所だから放っておいて大丈夫だろう。


 タナさんと話をしながら受付に並び、並んでから5分程度で順番が来た。


「すみません、ギルドマスターに宿屋を取ってもらったのですが、場所わかりますか?」


「あら? セバッターさん?

お久しぶりですね」


「ああ、あの時はお世話になりました」


 1ヶ月前に王都に来た時に受付をしてくれた人だった。

 その時も娘達と話すための宿屋を取ってもらった記憶がある。


「いえいえ。娘さん達はよく来ますが、みんな元気に挨拶してくれますよ。

さて、宿屋ですが迷宮が出来たことによって数が少なくてですね……。

申し訳ないのですが、この間と同じ宿屋でギルドからは一部屋しか確保することができませんでした……。

他のギルドと連携している宿屋は既にいっぱいとのことで」


「そんなに混んでいるのですか……。

スタンピードが発生している時にキールの街と同じくらい混んでいるのですね。

タナさん、一旦宿屋に行って話を聞いてみない?」


「うん。それがいいと思います〜」


「タナさん、ありがとう。

では、宿屋に行って話を聞いてみますね。

前回に引き続きありがとうございました」


「どういたして。楽しんでね!」


「何言っているんですか!!」


 冗談を言ってくる受付のお姉さんに返答をしてから、前回同様の宿屋に向かう。

 ほら、タナさんが怒りからか顔を真っ赤にしているじゃん。

 怒られるのは俺なのだから、変な発言は控えて欲しいところだ。


「すみません、予約をしていたセバッターという者ですが……」


「はい、セバッターさんですね。

予約の際にも伺ったのですが、やはり2部屋は取れないのですが、いかがなさいましょうか?

今、1部屋はお取りしておりますが……」


「ちょっと、話し合いますので時間いただいてもいいですか?」


「はい。かしこまりました。

わかり次第またいらしてくださいませ」


 さて、とんでもないことになったぞ。

 この間は不可抗力という名目だが、今回は不可抗力でもないし、街中だ。

 どうしよう……。

読んで下さりありがとうございます。


一時的に雨が降ったり、止んだりと傘が必要な時期になって来ました。

そろそろ梅雨ですかね。

お出かけの際には傘が必要かもしれないので、お気をつけください。



また、みなさまのおかげさまで短編が昨日の短編の日刊ランキング5位になっていました。

本当にありがとうございます。


今後とも、よろしくお願いいたします。

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