私のわがままな相棒
私が目を覚ましたのはベットの上。目の先では眩しい蛍光灯が辺りを照らしている。どうやら、学校の保健室らしい。現実世界に戻ってきていたのだ。
「誰かが私を運んでくれたんだ、ちゃんとお礼言わなきゃ」
カーテンにより周りと区切られた、誰もいない空間で、独り言をつぶやく。
「いてててて…やっぱりちょっと腫れちゃってるや。」
そういえば、あっちの世界はどうなったんだろう…
「起きたのね。」
突然かけられた言葉に驚き、腕に痛みがあったことも忘れて飛び起きる。誰もいないと思っていたのに誰かいる!
「どうしたのね!急に立ち上がって。敵でも来たのね!?」
ふと目線を下に向けると、ちょこんとスピちゃんが空手でありそうな構えをしていた。
「いや、何やってるんですか!」
当人はそんなつもりではなかっただろが、驚かされた身として、少し強めの口調でスピちゃんに声をかける。スピちゃんはビクッとした後に、こちらへ振り向いた。
「あっちの世界に行ったら、ジョーカーさんからの大量なメールが来てて、どうやら気を失ったカワイイ子がいるとの事だったから、一旦、現実世界に戻って、ビビコちゃんを助けたって感じね。」
仮想世界で気絶等の行動不能状態になったてことは、現実世界の体も似たような状況にある可能性があるため、CRRからの緊急救出が実行される。救出方法はCRユーザーの中で常識的な知識である。
「そうだったんですね…ありがとうございました…」
私はさっき強い口調で話しかけたことを声に出さずとも反省していた…
「気にすることないね。前も言ったね。かわいいは正義ね。とにかく、大事に至らなくてよかったね。」
しばらく沈黙が続き、スピちゃんが立ち上がった。
「その様子じゃもう、大丈夫ね。ジョーカーさんからの伝言ね。特訓再開前にやりたいことがあるから、明日の午後4時に今日と同じ場所に来るね。」
特訓再開前にやりたいこと。今の腕じゃバトルは無理だし。何をするんだろう…
「確かに伝えたのね。お大事にするのね。」
そう言って、カーテンから外に体を出そうとしていたスピちゃんに、
「ありがとうございました。今度、一緒にあの喫茶店に行きましょね。」
スピちゃんは振り返り、頷いた。
スピちゃんが保健室から出ると、急に暗くなったきがしたが、明日のことを考えると楽しみで仕方なかった。
翌日、時間ぴったりに集合場所へ向かうと、やはりジョーカーはイスに座って待っていた。こちらに手招きをしている。さっそく、ジョーカーの元に行った。
「昨日はすまんかったね。でも、君の目標を考えると、初めから強者と1戦交えた方が効果があると判断したためなんよ。1位。取るんやろ?ところで、腕の方は大丈夫やったか?」
私は右腕を軽く触り、痛みの確認をしたがってやはり痛かった。それはそうとして、私の目標を何でジョーカーさんが知っているのか。疑問だった。
「何で私の目標をご存知なんですか?」
「それは見てたらわかるわ。誰にも負けたくないって気持ち、伝わってきたで」
途端にものすごく恥ずかしくなった。私ってそんなにわかりやすいんだ…
「それはそうと、今日ユメたんを呼んだのは他でもない。あんたのユニークジョブの全貌がおおよそわかって来たんや。いいか、そのユニークジョブの名は…」
自慢げなジョーカー。私は早く次の言葉聞きたくてソワソワしていた。
「不明だ……!」
ガッカリしてうなだれてる私を見て、ジョーカーが続けた。
「当たり前や。未だにわけのわからん文字のままやし。安心せい、それでも昨日の攻撃から考え、だいたいの目星はついている。あんたのジョブは〈 ドクター型 〉で間違えないだろう。あのエフェクト。あの威力。ドクター型の特徴でが多く見られたからな。まぁ名付けるなら、死の外科医ってとこやろう。」
死の外科医…
心の中で3回程唱える。
「まぁそいつがあんたを認めん限り使えこなせんから、完治し次第、頑張ろうな!」
「はい!」
「私の相棒、ユニークジョブ。わがままで、まだ何にもわからないけど頑張っていこうね…」
心の中で声をかけると、返事が聞こえたような気がした。
「せいぜい使いこなしてみるんだな!」
ここから再び、私の挑戦が二人で始まるんだ!
『そうです。私が最強のドクターです。』第1章 〜完〜
今回で完結ということになりますが、ストーリー自体は、まだまだ続くので、時間がある時に続編を書いていけたらなと思っています。
初めて小説を書いてみて、難しい点が多く、大変苦労したのですが、とても楽しかったです。
この作品がどれだけ多くの方に読んで、楽しんでいただけたかはわかりませんが、続編も楽しみしていただけたら幸いです。
この作品を読んでいただきありがとうございました。また、次回作でお会いしましょう。
美恵 匠




