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気づけば変わっていたもの



 吐き気がする。今起こってる全ての現状に対して、物凄い吐き気が。吐いてしまえば楽なのだろう。が、この年になってそんな事は出来ない。いや、やろうと思えば出来る。トイレにでも駆け込み、便座を抱えて指を口の奥まで入れられれば、簡単だ。誰にだって出来る。


 しかし、そんな事もしてられない。とにかく整理しよう。

 今度は混乱して働かない頭をブンブンと激しく左右に振り、1つずつ確認していく。


 まず、姿見をもう一度じっくり見る。なにかの見間違いかもしれないと期待しながら。

 しかし無情にも、鏡の向こうからこちらを見るのは、慣れ親しんだ仏頂面の俺ではなく、息を飲むほどに綺麗な女の人。いや、女の子か。


 歳はいかほどだろう…少なくとも同い年とは思えない。高校1年生位だろうか?大人の仲間入りしそうでギリギリしていない。高校生はまだ子供じゃないか。

 とても説明しにくいのだが、幼い顔立ちに緩くウェーブのかかった栗色の髪。普通なら似合わないであろう鮮やかな栗色がなんとも彼女らしい。そんな感じだ。

 出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる。胸部に位置する双丘は大きく、とても柔らかい。別に、触れたときにピクンと反応したりしていない。


 次。次は…なんだろうか。姿が大きく変わっているせいで他に確認するところは無さそうだ。


 はぁ。と1つため息をこぼす。なんとも言えない声だった。艶やか?妖艶?ともあれ、男のままなら欲情していたであろうエロスに満ちた声だった。


 あ、そうか。声を確認していなかった。

 試しにあーっと発声してみる。


 なんだろう…綺麗。そう、そんな感じだ。

 先程から"なんだろう"しか言っていない気もする。まったく、こんな所で頭の悪さを晒すとは思わなかった。


 それにしても綺麗な声だ。

 しかし、さっきのエロスに満ちた声ではなかった。変だな…

 試しにため息を1つ。自分の声にドキッとするほど魅力的な声が耳を刺激した。

 朝から心臓に悪いなぁと思いながらもう1つ。ドキドキが収まらなくなった。


 以上の行いで得られた収穫は3つほど。


 1.俺は、起きたら何故か女の子になってしまっていた。しかもとても可愛い。原因は不明。

 2.年齢は15~18だと思われる。華の時期だ。この歳はなにをしても許される。何故なら可愛いから。主観的で申し訳ない。

 3.女の人は、声が2つほどある。内容としては察するか、上記の内容を自分の中で消化して欲しい。


 さて、ここまで分かった。が、正直なところなんの解決にもなっていない。

 なので、病院に行くことにした。


 そして、大きな壁にぶつかった。


 身分を証明するもの、あるのか…?




 基本スペック(男性時)

 名前:日向猛ひゅうがたける

 年齢:32

 身長:175

 体重:77

 職業:サラリーマン

 その他:筋肉質で強面。口調も暴力的で、子供に会うと十中八九泣かれる。が、性格は極めて温厚。時には身をていして人を守るときもある。図太い神経の持ち主だが、キレると手が着けられない。

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