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拾った黒猫が最強の守護神でした ~布団を奪うくせに国まで救います~  作者: モカ


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最強守護神の黒猫、犬派が増えたので追放されたがる

王宮、謁見の間。




空気は重かった。




「……最近、犬派が増えているそうです」




大臣の一言で、


場がざわつく。




「なっ……!」




「まさか……!」




「そんな……!」




兵士たちに衝撃が走る。




そして。




玉座の横で香箱座りしていた黒猫――ふくが、


ゆっくり顔を上げた。




『……ほう』




静寂。




ふくは窓の外を見る。




どこか遠い目だった。




「おい」




『ついに来たか』




「何が」




『追放イベント』




「やめろ」




ユキトは即座に止めた。




だが、ふくは聞いていない。




『薄々感じていた』




「感じるな」




『最近、犬型魔獣グッズも増えておる』




「市場分析するな」




『なるほど。そういうことか』




「どういうことだよ」




ふくは、すっ……と立ち上がった。




やたら神々しい動きだった。




『世話になった』




「帰ってこい」




『止めるな』




「まだ出てもない!!」




兵士たちが慌てる。




「ま、待ってください守護神様!!」




「誰も追放なんて!!」




だがふくは、


悲しげに目を細めた。




『分かっておる』




「絶対分かってない」




『我のような旧時代の守護神は不要なのだ』




「どこで覚えたその空気」




ふくは窓辺へ飛び乗る。




風が吹く。




なぜかカーテンも揺れる。




「演出すな」




『これより我は辺境へ向かう』




「絶対寒いの嫌がるだろ」




『…………』




「ちょっと迷うな」




すると大臣の一人が、


おそるおそる口を開いた。




「あの……犬派というのは、その……」




「ん?」




「最近、城下で大型犬カフェが流行っておりまして……」




沈黙。




ふくの耳がぴくっと動いた。




『……犬カフェ?』




「そこ反応すんの?」




『ほう』




ふくは目を細める。




『敵情視察が必要だな』




「行きたいだけだろ」




『断じて違う』




「尻尾ぴーんだぞ」




『……』




「分かりやすすぎる」

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